あらすじ
最高で最強の、夏。
つらい過去も自分の弱さも、踊ればきっと、みんな輝く。
静岡の風物詩〈港かっぽれ〉に夏を捧げた高校生の、汗と涙はじける感動作。
地元出身作家が放つ、祭×青春小説!
ダサい――。熱血顧問の不格好なダンスに、望月夏希らはめまいを覚えた。
静岡の清水みなと祭りで港かっぽれを踊る部活に集まった、やる気なし、体力なし、連帯感なしの十人の高校生。練習を重ねサマにはなってきたものの、ひた隠す過去の傷や虚勢のせいで部員の気持ちはすれちがったまま。
汗と一緒に本音も弱音も大噴出して迎えた本番、彼らは最高のかっぽれを踊れるか!?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
あの夏を成瀬と西武にささげることのできた幸運な青春小説ラバーのみなさまがた、今夏はかっぽれにささげてみては…などと。
静岡は清水の夏祭りで「かっぽれ」を踊る、地域の複数校合同部活動に参加した高校生たちの群像劇。
顧問が、ただの祭りの踊りに対してやたらと熱血!しかも手本が下手でダサい!という最悪の駆け出し。本番までに彼らはどのようにかっぽれに向き合うのか。読んで確かめてほしいです。
Posted by ブクログ
静岡市清水区、夏の風物詩・港かっぽれ。かっぽれ部に集まった高校生たちの春〜夏を描いた青春小説。
あらすじ、登場人物紹介から静岡要素が盛り盛り。
完璧な人や、なんでもうまくやれるような人が1人もいない。それが最後まですごく不安定な気持ちになるし、祭り時点の主観がこの登場人物では弱くない…?と読み進めたら、もうすべてごちゃ混ぜで最高な気持ちになった。
楓子の「お祭りの空気って、すっごく平等」という言葉が、最後は少し違って見える。
何気に裏表紙のあらすじが良い仕事をしているかも。ちゃんと清水要素を出しつつ、この登場人物のチョイスは、物語を読み終えてからだとギリギリまでネタバレしないぞ〜みたいな働きをしている気がした。
Posted by ブクログ
悩める若者×部活動×祭というのは最高の組み合わせ。
舞台は静岡県清水市。それぞれの悩みを抱えながらも、清水の伝統の踊り、かっぽれに全力を注ぐ姿はとても美しい。
なにより個性豊かな高校生達の配役が最高。
海外から引っ越してきたハーフのオーガスタス。
少し抜けているとびきりの美少女凛々。
ヤンキーっぽいがダンスが上手な龍太郎。
踊りたいのに踊れない足の不自由な楓子。
普通の高校生だけどいないと困る夏希。
などなど。
まさに、これぞ青春だ!といえる一冊。
Posted by ブクログ
清水いなせ組のメンバーたちが、それぞれの過去の傷やコンプレックスを乗り越えていく姿が心に響く。特に、夏希の言葉にあるように、「かっこいいは夢中になった先にあるもの」というメッセージは、この物語全体を貫く大切なテーマだと思います。
他者からの評価や、表面的な「かっこよさ」を追い求めるのではなく、自分自身と向き合い、仲間との絆を深め、純粋に踊ることを楽しむ。その過程で見つけることのできる、本当の「大切なもの」が、この物語の最大の魅力。
勝つことや頂点に立つことよりも、もっと深く、心の内側から湧き上がる熱い想いや、仲間と共有する時間こそが、この物語の登場人物たちにとっての「かっこよさ」なんだと思う。
彼らの夏は、かけがえのない価値に満ちている。
Posted by ブクログ
珍しく地元が舞台のお話で、本屋でも平積みにされていたので気になって読みました。
港かっぽれ総踊りには私自身何度も参加しているので、情景がまざまざと思い浮かび面白かったです。かっぽれエイサーのフリーのくだりなんかは、振り付け時の悩みから本番の流れまでの描写が細かくて頷きながら読みました。
登場する学校名は完全に架空でしたが場所やイベントの名前は実在の物ばかりですし、この物語を一番楽しめるのはやはり地元の人間かなあと感じました笑。特にかっぽれに参加したことがある方は是非読んでほしいです。
Posted by ブクログ
「かっぽれ」という言葉自体、はじめて聞いたのでタイトルで踊りということはわかったものの何だろう…と思いながら読み始めました。
読み終えて気になって調べたのですが、
「港かっぽれ」というお祭りは実在しているのですね!公式の踊りの動画もみて、これは確かに盆踊りなどとはまったく違う踊りだ…と思いました。
踊りがメインの青春小説だけど、それだけではなくて踊りを通して変化していく人間関係。
踊りも気持ちのあり方もみな少しずつ成長していて、素敵でした。
個人的にもっと知りたいなと思ったのは龍太郎の母親との確執、あとはカスミさんの行方が気になります。
(見落としているだけだったら本当にすみません…)