実石沙枝子のレビュー一覧
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サリーダは直訳すると「出口」という意味です。 音楽で使う場合は「曲の導入部」という意味で使うそうです。
この小説の主人公 畑村 新菜(はたむら にいな)は、高校1年の冬に退学しました。いじめにあったのです。いじめられていた親友をかばい続けていた新菜は、いじめに耐えきれなくなって転校してしまった親友のあとに、いじめの標的になったのです。
新菜は、4月のある日の午後、道の奥から流れてくるギターの音と歌を耳にしました。それがフラメンコでした。ギターを弾いて歌っていたのは、キッチンさいばらで料理を作っているジョージ(日本人28歳 スペインに6年住んでいた)でした。
フラメンコ舞踊家の有田玲 -
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置き去りにされている子供たち
不登校ということで置き去りにされている子供たちを預かっている教室と、自分自身 美術大学への進学につまずいてしまっているヒロインの物語。淡々とした語り口は、周辺人物たちの境遇を必要以上に悲劇化しないのに、有効な働きをしている。本当に短い物語ではあるが、心に響くものがある。
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ネタバレ一体どんなイかれた登場人物が…!と
思いきや、ものすごい美少女。その美しさとMADというニックネームから色眼鏡で見られ、本人の知らぬところで、噂され悪意に晒されている。
MAD自身もそれに気づいているからこそ、
悩み葛藤している姿をみて、美しくとも普通の女の子だなあと思いました。
そんなMADが季子という、容姿で噂される同じ悩みを抱えた少女に出会った時の救われた気持ちは大きいだろうなと思いました。特に季子を悪く言われたから殴る、という点に大きく表れている気がしました。
MADの物語だけど、季子視点の話があるからこそよりMADと季子のお互いの感情が伝わってくるなと感じます。 -
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美人ってどう思います?
正直、ブサイクより美人の方が得をすることって多いはず
だけど、本来なら美点になる特徴も美しさを持て余すことにより、他人の嫉妬を招き、嫌気を呼ぶこともあるでしょう
また、外見ばかり見られて内面を見てくれないってこともあるかもしれません
きっと、美人は美人で大変なことも多いのでは…
で、ここにも美しすぎる容姿をもった人物がいます
彼女の名前は"槙島朱里ダイアナ"
だけど、誰も彼女を名前で呼ばない
みんな彼女を"マッド"と呼ぶ
なぜなら、頭文字で略すとマッドだから
マッドのいいところは、飾り気がなく、正直で、誰に対しても -
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扇谷(おうぎたに)家は、港を擁する天島市(あましまし)で、かつて造船業を営んで財を成した家です。
その屋敷は、天島港を見下ろす高台の一等地にある二階建ての和洋折衷の邸宅で、母屋の延床面積は百坪を超え、それより広い庭があります。3台停められる駐車場があり、裏庭には大きな桜の木が植わっています。
二〇二五年四月、大学二年生の扇谷 立夏(おうぎたに りっか)さんは、今年百歳になる曾祖母の時子(ときこ)さんが認知症で施設に移ってから空き家となっているこの屋敷の掃除の手伝いを両親から命じられました。
めぼしいものがあれば持って帰ってメルカリで売って小遣いにしても良い、と言われていたため、食器棚 -
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ネタバレ「かっぽれ」という言葉自体、はじめて聞いたのでタイトルで踊りということはわかったものの何だろう…と思いながら読み始めました。
読み終えて気になって調べたのですが、
「港かっぽれ」というお祭りは実在しているのですね!公式の踊りの動画もみて、これは確かに盆踊りなどとはまったく違う踊りだ…と思いました。
踊りがメインの青春小説だけど、それだけではなくて踊りを通して変化していく人間関係。
踊りも気持ちのあり方もみな少しずつ成長していて、素敵でした。
個人的にもっと知りたいなと思ったのは龍太郎の母親との確執、あとはカスミさんの行方が気になります。
(見落としているだけだったら本当にすみません…)
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ネタバレ思ったより不思議な感じはしなかった。
この物語は、扇谷家という一族の断片的なファミリー・ヒストリーである。一話の主人公である立夏からすると曾祖母の時子が、認知症を患って施設に入所したことから、彼女の住んでいた家を親戚一同で家じまいするところから始まる。
不思議な、と題しているのが何故かというと、この扇谷家に生まれる女性には超能力が発現するからだ。曾祖母の時子は予知能力者。自らの死期を記した予言帳なるものを、立夏の片付けそうなところに隠しておき、見つけさせた。
予言帳には時子が十一月の十三日に死ぬことが書かれていて、家族はその日までに誰も住まなくなった家をどうにかしようとする。だが、気がかりな