実石沙枝子のレビュー一覧
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最高の青春小説でした。
常に周りと比較して一喜一憂して、人とは違う特別になりたくて。まだ何者でもないゆえのヒリヒリするような焦燥感や、狭い世界での息苦しさ、すべてがまさに『青春』でした。
目立つ人であるために台風の目のようになってしまう、マッド。そんなマッドに心乱される6人の視点で、それぞれの高校生活が描かれています。様々な視点があるからこそ、より自分に近い、共感できる気持ちが見つかるのではないかと思います。
目立つような存在ではなかった私でさえ、中学や高校では目まぐるしい感情の起伏に、自分でも戸惑っていました。そんなあの頃を思い出して、懐かしいと思えるくらいには、過去に、大人に、なって -
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ネタバレ自分が小学生、中学生だった頃、
好きだった児童書のことを思い出す。
今よりもっと毎日本を読んでいて、
その中でもひときわ大好きなお話があった。
そのお話に救われていたことを思い出しました。
本作でも物語に救われた女の子が、その物語の続きを見つけるために奮闘していて
その最中で少しずつ心身ともに成長していく姿が眩しくてキラキラしていました。
はじめは物語を継いでいった、けれど次は生み出す側にまわる成長っぷりに感動してしまいました。
また、物語の中と現実をいったりきたりするファンタジー感もとっても楽しく読むことができました。
ナルニア国物語のように、扉を開けると違う世界に、不思議な国のアリスのよ -
Posted by ブクログ
本好きの人にはたまらない話だと思う。そして本好きの思春期の子たちには胸に刺さる内容。
愛読の児童書が自分の叔母だった事を知り未完の物語を亡くなった叔母の代わりに書くことになる。その大変さや物語の世界の体験は自分が考えている事しか進まないがその世界での成長と現実での初めての母親にどれだけこの本に救われたのかを反抗しながら力説。どんどん強く成長していく姿に羨ましく感じる。そして未完の物語を友人の助けを借りながら完成し発表。
そこから作家人生が始まるのかと思うがシビアでそれでいて現実的な内容になっている。夢に向かって努力する、立ち向かう強さを持つ勇気を与えてくれる。そんな一冊。 -
Posted by ブクログ
初めて読んだ作家さん。スルスルっと心に入ってきて心地よい勢いを感じる文章。
10代の青春という荒れ狂う、それでいて尊い季節を駆け抜けたマッドの高校3年間。マッドを軸に彼女を取り巻く高校生たちの日々が章ごとに描かれる。
過剰に整った美しいルックスのせいでマッドは普通の日々を送ることを許されない。常に注目を浴びて、嫉妬と反感を集めてしまう。なんて生きづらい。
マッドは特異なケースではあるけれど、そうでなくても生きづらくてしんどい季節。息苦しさと焦燥感と。渦中にいる時は嵐の中を生き抜くような毎日。
それでもその日々が終わる時、もう会えなくなる時、その切なさ、寂しさ。もう二度と帰らない季節を一緒に -
Posted by ブクログ
ネタバレ扇谷家の物語の中で、正太郎と時子と豊の物語が唯一、力と関係なく楽しんでいる青春が描かれていて、だからこそ、なぜ正太郎は、豊が死ぬ間際に言った「末代」の本当の意味を時子に教えなかったのだろうと思う。もしその意味を時子が知っていたならば、扇谷家の話はまた変わっていったのではないかと思う。「未来にはすっかり決まっているものと、まだ揺れ動いているものがある」と何度も出てくるが、ひとりの決断によって未来は変わる。立夏が話していた地縛霊がいつも明るかったこと、時子の死と共に気配がなくなったこと、最後に飛び立った3羽の鳥、時子の気持ちが死と共に安らかになっただろうことを感じてほっとした。