高里椎奈のレビュー一覧
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今回も仕掛けが全く分かりませんでした。
楽園のような村で起きた奇怪な事件。ほんとに謎だった・・・。
他人と必要以上に関わらず、自給自足でささやかに生活できる村って、ちょっと憧れますね。自分の世界に閉じこもってられるわけですから楽なはず。
今回の舞台はそんな村でした。
お巡りさんが登場するのですが、彼がまたいい性格してて、思わず笑いがこみ上げてくる場面が多々ありました。高遠さんのようで、葉山くんのような。
話が面白くて一気に読んでしまったけれど、この本で一番心に残ったのは作者さんの後書きでした。
夏目漱石の話が載っていて、
『I love you』
という言葉を「愛しています」と訳した生徒に -
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読み終わってまず思ったこと。
時系列がわからない・・・・!(笑
え、これはいつ?え?え?とちょっと考え込んでしまいました。なんかもう、一律同じ時間で進んでいるものと思い込んでいたが故の混乱ですね。
楽しかった^^
今回主軸となる人間は、不平不満でいっぱいだけど、そんなものを溜め込みながら生きているサラリーマンです。我が身のようで身につまされました。
上司からのお小言。
自分では頑張ってるつもりなのに出ない成果。
できる同僚たちの目。
できない自分のふがいなさ。
そんなもので凝り固まったサラリーマンの物語でした。秋は彼に何もしません。お客じゃないし。
同軸で高遠さんの物語も進んでいきます。
人 -
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国が国だけに、全体的に灰色、曇り空なイメージでした。国もその国に住む人々も。
それだけにクドラの存在が強烈でした。俯いて身を寄せ合って生きている人々の中で、傲然と胸を張って自分を知らしめて生きる。全然いい人ではないんだけど、善いとか悪いとかではなくて目を引く存在でした。
フェンの気持ちが分かる気がします。
どんな力であれ、「力である」と見えたものが自分にないのを自覚すると羨ましくなって、それを持つ人を見ると気分が昂揚して、だけどそれが、「それだけのものがあれば」と自分で考えることとは違う使われ方をしているのを知ると勝手にじれったくもどかしくなったりします。私の場合。
なんにせよ、本人にしか分 -
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大きな湖のある国が舞台となります。
王が居て騎士が居て、民が居る。王は長い時間国を守ってきた賢君で、騎士たちは王を守ることを誇りとし、民は王を讃える平和な国です。
フェンはその国で騎士見習いの少年と出会い、偶然クーデターの企みを知ってしまう。
フェンと同年代の子たちが登場してきて、なんだかかわいいです。会話が^^
フェンとの絡みはないけどサチも登場。この人神出鬼没ですね。
長い間信じてきたものを奪われると、世界ってふにゃふにゃになって形を崩してしまう。前作ではフェンがそれを体験し、今回は団長さんがそれを体験しました。団長さんがそれでもすぐに前を向けたのは、『王』に人間味を感じていなかったか -
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水彩画のような世界を眺めているような気分で読みました。灰汁の無いファンタジーだと思います。主人公・フェンの生きる世界にも差別や裏切りや陰謀や、そういう色々とどす黒いものがあります。それでも、なんというか、生々しさがないというか。フェン自身や登場人物たちの雰囲気もあるのかもしれませんが、水彩画で描かれた世界、というか、絵巻物語があって、それをすーっと横にずらしながら眺めていく感覚に近いというか。
決して物足りない、と言いたいのではないです。それぐらいすっと自分に溶け込む世界観だと言うことです。
生々しく無いので、その世界に飛び込んだような感覚はしないけれど、フェンの肩越しに世界を眺めているような -
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フェンネルシリーズの短編集。
あの時にあの人はこんなことしてましたっていうお話達。
1.サチ
偽王伝『風牙天明』の裏側で起きていた話
2.テオ
偽王伝『風牙天明』でのテオ目線の話
3.レジエクス
偽王伝『風牙天明』と同時に起きていた話
4.アシュレイ、ノエルとエリウッド
偽王伝『終焉の詩』の少し前の話
5.騎士団長と双貴姫
偽王伝『終焉の詩』の後日談
6.トリ・フィトラッカ
偽王伝『雲の花嫁』と『終焉の詩』で登場したトリとホーリィの話
7.ロカ、テオ、シルフィード
偽王伝と真勇伝の中間の話
8.フェンベルク
フェンが市場で自分が7歳になる頃のギルフォードとパラを思い出す話
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うん、いい終わり方だった。正直でてくる国と人の名前今や殆どうろ覚え状態でラストのとこらへんはこの人たちだれだったっけ?と思ったり。まあフェンとテオとサチが分かってれば・・・でもあれだな、何巻かの時も思ったけど、”実は”な過去話になるとなぜかみんなかわいい奴になっちゃって、憎めなくなるんだよなあ。王様もルース兄も。んでもってなんとか大団円。都合よすぎかもしれないけど私は好きだ。無知ゆえに誰かを傷つけてしまうこと。けれど真実を知ったときに目を背けるんじゃなく、真正面から向き合って、そうして自分の足で立って進もうとする。君の前に道はない。歩いた後に道ができる。「道程」だったか?フェンはまさにそれを地
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ネタバレ「薬屋探偵」シリーズ最終巻です。全13巻ですが、続編シリーズ出ておりますので、こちらが気に入りましたら、ぜひそちらも読んでみてください。
引用の文は、リベザルの台詞。最後に叫ぶんですけど、健気すぎて泣ける……。秋くんのことを「俺は大好きです」と言うリベザルの叫びには、これまでの年月に込められた想いが凝縮しているんだよね。秋がリベザルに囁く言葉は、うれしいんだけど、かなしかった。秋がリベザルに残したもの。
全員応募サービスの本(非売品)の秋視点の短編が、また切なくて……。以下、サービス本からの抜粋です。
「何度撒いても付いてくる子供の為に、安心して留れる家を用意した。
人見知りで今にも消えそ