蛙坂須美のレビュー一覧
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お気に入りの竹書房の白背、実話怪談を読み返す。実話怪談にはすぐに軽く読めて楽しめる即効性のエンタメを求めていたり、その怖さという強い感情で少しの間思い悩みや雑事を忘れる恐怖セラピー的な読み方をしていたからあまり読み返すようなことはなかったのだけれど、この本何度か読み返しているし、そうしているうちに実話怪談の読み方も変わってきた気もしている。
「怪談」は未知の理解の及ばない事象に名前や「オチ」をつけ、既知の理解の及ぶ世界の理にはめることで理解した気になって安心したり、憑いたものを「オトす」ための語りだったりもすると思うのだけれど、そこに「実話」とい言葉が改めて加えられる、体験者が突然殆ど因果も -
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心霊だけじゃない不思議なはなしが盛りだくさん。
好みのはなし。
『渋滞』『もずく』『街道沿いの廃アパート』『サーペント・ハンドラー』『人型二題』『冷猫』『ルート』『未成』『三三三』『裏階段』『鍵』『部屋中の井戸』『畜生部屋』
どれも明らかな心霊現象というより不思議より。
『街道沿いの廃アパート』『裏階段』『鍵』『部屋中の井戸』『畜生部屋』どれも物件系怪談。何度も書いてるけど絶対に自分では廃墟探索とか心霊スポット行くとかしないから行く人の気持ちがわからない。普通にしててもこの世界には不思議がこんなにあるのに。やばい場所は多分土地が穢れててそれはお祓いとかじゃもうどうにも出来へんねんなぁと今回読ん -
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2022年最後の読書はやはり実話怪談でした。
神沼三平太&蛙坂須美の薄気味悪い実話怪談集。
怖さより不思議を求めているので思っていたより好きなタイプでした。
気に入ったはなし。
『不明』これはTwitterにも書いたんですが『エレベーターで異世界に行く方法』に出てくる女とめっちゃ酷似してるなーと思ってて、異世界にリンクしてるんやろなーと。
『入れ替え坊主』これも本物は異界に囚われちゃったんやろなと思われます。
『屋根首』千と千尋の神隠しのキャラクターみたい。
『心霊写真のおじさん』
『狐面』親切を仇で返す。
『ぐるぐる』
『オニハラレイカさん』肉丸ちゃうかって思ってしまう。
『ぐりぐ -
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『件の剥製』『安アパートの怪人達』『先住者二編』『名前』『棍棒さん』『犬行列』『密室』『遊んだ日』『山中の盆踊り』『カンカンカン』『酒乱』『酒場』『そうでもない』『お札の効果』『喜びあり』『厭な話二編』『いなくなったほうのおかあさん』が好きでした。
怖いはなしの中毒なので麻痺しかかってて本当に怖いって最近思わなくてそれに怖いはなしよりちょっと不思議なあれ?みたいなはなしがたぶんワタシは好きなのでそういうのばっかり集めてあったらきっと何回も何回も読んでしまうと思う。
怖いはなしの中毒すぎて読んだはしから忘れるので、これはきっと知らないうちにヤバいことから回避してるのかもしれません。
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神仏に関する怪談が集められた一冊。
著者によって集まる怪談に傾向がありとても興味深い。
その中でお寺や修験者に関する怪談を綴った橘百花氏の民話のような因果話や海を越えた海外の神について語られる卯ちり氏の怪談、そして一話のみながら思わずヒヤリとさせられる人間も怖い話の「檻の中」の斉砂波人氏と「裏の靖国」の鷲羽大介氏…。
もちろん他の著者の方々の話も大変興味深く、また読みやすいものが多くとても満足な一冊。
しかし後半に行くとかなりアクの強い著者が続くため(悪い意味ではなく作者の個性が強烈に出ている話が多いので)「実話怪談」というより立派なひとつの「作品」として捉えたほうが良いかもしれない。
特 -
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ネタバレ「こどもの頃の~」というタイトルと、このレーベル(竹書房怪談文庫)ではほとんど見かけない、一見愛らしい表紙デザインに油断して読んでいるとざっくりと心を抉られる。事故物件や曰く付きの土地、怨念の籠る事物などに纏わる幽霊譚、言い伝えられてきた禁忌を犯した報い……といったある意味定番の心霊怪異譚とは明らかに異なる肌触りの、因縁や因果もすっ飛ばし、記憶の底で澱んだ不気味で不条理な体験談45編。
中には、子どもの当時に見た夢や、テレビ番組や読んだ漫画などなどが記憶の中で再編集されていたのでは―と勘繰りたくなるほどどうにも理解し難い話も確かにあるが、形而下的な知識や常識に捉われない子供だからこそ見た、 -
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神様に関わる怪談は、それ相応の罰的な展開になるのがやっぱり怖い。
神様に頼るときや何かいけないことをするときは、それ相応の覚悟を持って。
死ぬ気で向き合えること以外は、安易に関わってはいけない。それは、良くも悪くも。
そう思わされた。神社散歩とか、本当にいいのか?とか、薄っすら思った。
もっと下調べしてから色んなところに行くべきだと思った。
あとは神様や近しい存在に対して失礼な態度を取る奴が、人間には良いことをしているなんてあり得ないので。
宗教観とかそういう観点ではなくても、その人たちが心から大切にしているものを粗末に扱うようなことは、何だろうとダメってことで。
私も気をつけます。 -
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