幸村誠のレビュー一覧
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楽しかった長期連載をここまで完璧に終らせて貰える
読者としてコレ以上の幸せはありません -
過去のしがらみ、暴力の連鎖に苛まれるトルフィン。自分自身の心の変化だけではどうにもならないものもあるけど、変えられるのはやはり他者ではなく自分自身しかない。しかし、素手とはいえ、戦ってよかったのかな。それにしてもトルフィン無双過ぎ。
巻末のヒルダさんのボウガン解説、連射の仕組みが分かりませぬ。。
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個人的漫画史上最も優れた歴史作品 誰もが知っている逸話や人物を題材とした歴史作品は多くあれど、なんとなく知っているテーマを元に架空の出来事を濃密に、現実と神話のエッセンスを加えて上手くノンフィクション風のフィクションに仕立てあげた素晴らしい作品だと思う。一つの主軸を一貫して貫くタイプの漫画ではなく、...続きを読むPosted by ブクログ
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ヒルドの復讐劇が描かれる17巻である。一冊にコンパクトにまとめながら、彼女の生きた反省が鮮やかに描かれ、その復讐の重みがまざまざと描かれた一巻だった。
そして何よりも、その復讐の重みを動かす言葉の重みは、やはりこの方(幸村さん)は凄まじい人だと再認識させられたほどに真っ直ぐ彼女を貫くものだった。...続きを読むPosted by ブクログ -
農場編の結末と、帰郷とが描かれた14巻である。
悲惨な戦争の終わりは、驚くほどに笑いに溢れていた。これはまた恐ろしく優れた結末だ。本当に笑わされてしまった。
帰郷の折の顛末なども、これは確かにユルヴァらしいというか、なんというか。彼女の肝っ玉母さん具合は、北欧の血筋を強く感じるところである。
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13巻もの巻数を掛けて、ついに物語は一つの結実を迎えた。「戦士の誕生」は、それは父から引き継いだものであるという意味でも、あるいはトルフィンが初めて確信を持って生きる道を選んだという意味でも、兄弟と言って同胞を救った意味でも、涙なしには読めない一話だった。本当に、この感想を書いているいま現在も、喉...続きを読むPosted by ブクログ
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トルフィンが夢にてアシェラッドと再会を果たした巻である。
彼の、現代的に言えばPTSDに当たるのだろうけど、その苦しみを背負って生きろと告げるアシェラッドの言葉には、少し泣かされてしまった。叱責する言葉のなんと厳しく、なんと温かなことよ。
ようやく、トルフィンは生きるようになった。これからどう...続きを読むPosted by ブクログ -
物語は大きな転機を迎える。たった一つ握り締めていたものが壊れてしまって、トルフィンはすべてを失った。ここから物語がどう展開するのかが見えず、さすがとしか言えない展開である。
それにしても、見事な死に様であった。自分の命をどう扱うのか、それがこの物語における一つのテーマだとは思うが、彼ほどの存在の...続きを読むPosted by ブクログ -
アシェラッドによる介錯と、トルフィンが二つ名を得、そしてついに過去と対峙することとなった7巻である。
本筋の物語、クヌート王子勢の動きとしてはここまで、つつがなく物事を進められている。だが、結局権力を持つ側に対して、それを行使される側というのは無力であり、どこかでひっくり返りかねない危うさは感じ...続きを読むPosted by ブクログ -
クヌート王子の覚醒編である。一つの物語が終わったかと思えば、次の物語がより大きな形で展開し始めている。これは理想的な展開の仕方だろう。
それにしても、なんとめまぐるしく、魅力的な物語展開だろう。残虐な行為がそこで行われているのに、こんなにも美しいのだ。本当に幸村さんの描く力には感服するしかない。...続きを読むPosted by ブクログ -
物語はイングランドへと舞台を移す。デンマークヴァイキング軍による、イングランドの襲撃。それが、凄まじい規模で行われていたという歴史的事実が克明に描かれている。
物語は次への弾みをつけているところだろうか。最後に収録された「はたらくユルヴァちゃん」などは、そうした箸休め的な要素を強く感じるが、この...続きを読むPosted by ブクログ -
心震えるトールズとアシェラッドの一騎打ちである。互いの心理を描き、そこにある実力差を描きながら、この結末まで描ききった力量はお見事の一言である。
いやはや、凄まじかった。トールズの死に様はあまりに見事すぎる。本当の戦士には剣など要らぬ、という言葉の真意は、これから物語が描かれていくにつれて詳らか...続きを読むPosted by ブクログ -
圧倒的な筆致で描かれる、ヴァイキングの物語である。
物語はいま過去を描いており、その意味では悪手と言っていい。読者は現在進行形の物語が読みたいのであり、過去はあくまで添え物にすべきである。それを一巻ですでに描き始めるのは、明らかに良くない。
だが、それをおして余りあるほどに豊かな筆致で描かれる...続きを読むPosted by ブクログ