グルナ編集部のレビュー一覧
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優しい神話
この頃からトウカさんは感受性が豊かで繊細で、優しい人だったんですね
スープを食べ損ねた事が未練なのも、一人で食べるのは味気ないと二人分のスープが出て来るのも、一緒に食べようと友人さん(この時点では「男」「渡し守」という扱いかもしれませんが)を誘うのも、今の、トアさんやナガツキさん、終端街の人達と過ごすトウカさんに繋がる優しさを感じて、トウカさんのオリジンに触れるお話を読む度にトウカさんが好きになります
掘り下げれば掘り下げるほど、他人の辛さや寂しさに寄り添うことのできる優しい人で、他人のためにその身を尽くしてしまえる人がトウカさんなのだ、と……
トアさんがトウカさんに案内されたように、ト -
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最後はハッピーエンドで
例に漏れず、義母と姉妹に虐げられる主人公がイケメン王子と幸せになるストーリーで、最初の勘違いから、王子が選んだ奥様が性格の悪い義妹だったことから始まり、義妹はわがままな結婚生活で、王子から愛されないことにイラついて、主人公サラに身代わりをさせるが、王子はわがままな妻が、主人公に変わってることに気付き、段々惹かれていく過程が面白かったです。
途中、王子は身代わりの妻が実は以前惹かれた女性で、結婚を申し込んだ相手は間違いと気付き早く、サラと再婚して欲しいとハラハラしてましたが、最後はハッピーエンドでサラと王子が結ばれて楽しく読めました。
4巻完結でスッキリして一気に読めてスカッと出来ました。
お勧 -
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トウカは結月先生の描く善性の人間だなあと再認識する一話でした。
善性の人間がすべてを擲って身を投じること、それは自己犠牲ではなくて献身か、はたまた。数百年の月日が突然なかったことになって街に産み落とされた意味とは。
トウカの生前観てきた死の淵に立った人々の怯えや恐れのない世界、終端街。
トウカとは違う視点から世界を覗きこんだふたりが、ニーチェの言う「深淵を覗くとき」にならないことを願ってしまう。
「この世界」が想定する最悪とは何か。
昇降機など、この世界のギミックや仕組みに意思は介在しているのか。
だれのたなごころの上に、彼らは立っているのか。
作品の深度が広がり、奥ゆきが深まるさまは -