小川公代のレビュー一覧
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ネタバレタイトルからは看護が想定されるが全く異なるものであった。フランケンシュタインからはじめるという副題でも、怪物の話からは想定がつかない。目次を見て、戦争、親ガチャ、レイシズム、インターセクショナリティ、愛、エコロジー、ケアの倫理で「虎に翼」のテレビドラマがでてきてやっと分かる次第である。
ケアの論理よりも現在の問題にピッタリ合うタイトルだと学生が読むと思う。「世界」に連載されたものをまとめた本であるが、連載とは思えないほど内容が一貫している。リニューアルした「世界」がこうした連載を掲載しているとは思わなかった。
学生がジェンダーやレイシズムを知るにはいい本である。 -
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「ケアの倫理」「オープンダイアローグ」「当事者研究」
最近のわたしのキーワードが満載された本ですごく面白かったけれども、自分のなかではまだ体系化できてないなと思ったら「体系を構築すると権力志向が生まれてくる」という中井久夫の思想が紹介されていて(p.125)、じゃあもうしばらくこのままあれこれ読んでいくか……となった。
興味を広げてくれるハブのような本で、これのおかげで2年前に録画したままになっていた「100分de名著」の中井久夫特集を一気見したし(「S親和者」がわからなかったので見たけど、中井自身のものと思われるエピソードがめちゃくちゃおもしろかった。本の背表紙を見ていると読んだ内容がすべ -
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本書を読書中に、「訪問介護の基本報酬が下がり、人材不足や物価高で介護事業の倒産が相次ぐ」というニュースがとびこんできた。
国防費には年々予算をあげて注ぎ込んでいるというのに。
利益追求型の資本主義社会の構造のなかでは、こうした直接的に利益を生まない、生産性のないケア労働は軽んじられ、置いていかれる。
社会が男性性を求めている構造はそのままに、女性の社会進出をうたっても、そこで生き残る女性は、男性性を身につけた女性だけになってしまう。
物質的な幸福論ばかりが先行し、「自律的な個」であることが重視されて、所得が高いことで「自律的な個」の価値が判断される社会で、わたしたちは、他者と向き合い、他者と -
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小川公代さんの「翔ぶ女たち」すごくおもしろかったし興味深かった。エブエブに水星の魔女にテイラー・スウィフト…。小川公代さんの射程範囲の広さに脱帽したし、そのなかでも「水星の魔女」に関する章では、アニメ自体も見ていたし最近ちょうど岩波新書の「魔女狩りのヨーロッパ史」を読んだところだったので、男性科学者たちによる自然の征服という意味での魔女狩りが発生した時代背景なども理解しやすかったし、テンペストと照らし合わせながらのプロスペラやエリクト、スレッタの立ち位置や物語内での役割、それによりエンパワメント作用は非常に頷けるところがあったしエコフェミニズムの文脈までをも汲んでいたという点については初めて知
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購入済み
全く新しい文学評論
「ケア」の考えは近年さまざまな分野で応用されていますが、文学評論にもケアの考えを取り入れているのが大変興味深く思いました。男性中心だった文学のあり方に一石を投じています。著名な文学作品の新しい読みを提示しているだけでなく、文学を社会に開く、新しい文学研究のあり方も示していると思いました。そういう意味で、読書好きだけでなく、文学研究を志す学生にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
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このところ岩波新書の赤い表紙に「ケア」の2文字が踊っています。この本棚に入っている岡野八代「ケアの倫理 フェミニズムの政治思想」にも揺さぶられたし、まだ未読ですが白石正明「ケアと編集」も早々に開かなきゃ。岩波に限らず時代が「ケア」という言葉を強く求めているように感じます。それはジェンダー問題のみならず、すべての抑圧、差別、偏見に対する異議申し立てをし、乗り越えていくためのキーワードなのだと思います。実は10月のNHK Eテレの「100分de名著」がブラム・ストーカー『ドラキュラ』を取り上げていて講師が著者の小川公代だったので『ドラキュラ』視聴と『フランケンシュタイン』読書を並行してみようと手に
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「フランケンシュタイン」をはじめとする書籍やドラマをベースに、
いろんなテーマに向き合っている。
1 戦 争
2 論破と対話
3 親ガチャ
4 マンスプレイニング
5 レイシズム
6 インターセクショナリティ
7 愛
8 エコロジー
9 ケアの倫理
10 アンチ・ヒーロー
ここに書かれているものはいずれもなんだか
強者の押し付け、圧を感じるものばかり。
マンスプレイニングなんて、聴きなれないが、
説教したがる男たち、ってな感じで、イメージがわかる。
そういったものに対し弱者がどう立ち向かうか、生きていくか、
ってことかなあ。ケアの視点。いま。ここ。
朝ドラ「虎に翼」も出てくる。確かに -
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ヒロアカが取り上げられているとのことで読んだ
小川公代さん、もちろんお仕事のためもあると思うが映画や文学だけではなくて「鬼滅の刃」や「僕らのヒーローアカデミア」とか少年漫画も論考に入れられるぐらい読み込んでるのすごいな…。射程範囲の広さよ…数巻だけじゃなくてかなりの巻数なんだけどな…
そして最後の10章「アンチ・ヒーロー」で「僕らのヒーローアカデミア」からトガヒミコと麗日お茶子の関係性に着目していて、これは二人のことが好きな人にはぜひ読んでほしいと思ってしまった
「僕らのヒーローアカデミア」の内容をすべて肯定するわけではないけれど、トガヒミコの帰結が麗日お茶子との友情からなる対話に帰結したとこ -
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