• ケアの倫理とエンパワメント

    全く新しい文学評論

    「ケア」の考えは近年さまざまな分野で応用されていますが、文学評論にもケアの考えを取り入れているのが大変興味深く思いました。男性中心だった文学のあり方に一石を投じています。著名な文学作品の新しい読みを提示しているだけでなく、文学を社会に開く、新しい文学研究のあり方も示していると思いました。そういう意味で、読書好きだけでなく、文学研究を志す学生にもぜひ読んでいただきたい一冊です。

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  • 歓待する文学

    世界文学への軽妙な案内

    普段読まない世界文学の案内書として購入しました。NHKラジオでの講座を書籍化したものなので、語り口も柔らかく、とても読みやすい一冊です。世界文学と言っても欧米ばかりでなく、アジア系の現代文学も取り上げています。

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  • ドラえもん 45

    最終巻!

    てんコミドラえもんの最終巻ということで、思い入れがあります。やはり印象に残るのは「ガラパ星からきた男」。ほとんど大長編に匹敵する壮大さが感じられます。なんと言っても複雑なタイムトリック!初読の時はかなり混乱しました。読み応えたっぷりです!

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  • 大長編ドラえもん7 のび太と鉄人兵団

    人とロボット

    人とロボットの関係というのは大長編ドラえもんにおいて普遍的テーマだと思います。AI技術が発達し、この作品に登場するようなロボットたちが現実味を帯びてきた現代においてとても考えさせられるなぁと思いました。個人的に、リルルは大長編シリーズで一番好きなキャラクターです。ラストシーンは何度読んでもぐっときます。

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  • 大長編ドラえもん5 のび太の魔界大冒険

    緻密な構成が凄い!

    前半にちりばめられた伏線が一気に回収されていく爽快感がたまりません。謎の石像、パラレルワールド、そしてドラえもんの帽子……。読み終えてみると、とても緻密に構成された話だったのだと気付きます。魔界での大冒険にドキドキするだけでなく、伏線の回収にもあっと驚かされる作品です!

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  • 大長編ドラえもん22 のび太とロボット王国

    ロボットと人間の絆に感動

     「ドラえもん」という作品においてロボットと人の関係は2パターンあると思います。のび太くんとドラえもんのようにお互い絆を築く関係と、本作のジャンヌと王国のロボットたちのように対立する関係です。私たちの世界ではロボットは人間に単なるものとして使われるのが一般的ですが、のび太くんやドラえもんはそれを是としない。現実世界でもロボットの発展が著しいですが、のび太くんとドラえもんのような、そして本作の「虹の谷」の人々とロボットたちのような関係が築ければいいなと思いました。本作が発表されてから20年近く経ちますが、色褪せず、むしろいっそう身近に感じられる名作です。そしてラストのドラえもんとママの会話でジー...続きを読む

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