一色まことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
車にはねられて以来、幽霊やら生霊やら、妖怪(?)まで見えるようになってしまった小学生・一路が主人公。昭和39~40年代初頭が舞台だと思われます(この漫画で初めて「オート三輪」を見ました)。おゲレツシーンや笑えるシーンも満載ですが、泣けます~(T_T)。
特に気に入っているのは2、3巻。事故で瀕死の重傷を負った春彦は、死ぬ前にかつて同棲していた女性・加奈に一目逢いたいと一路に身体を借ります。一路の姿をした春彦が見たのは、加奈と別れた後に生まれた自分の娘。親のいいなりに事業を継ぎ、生きる気力も失っていた春彦でしたが・・・・・・。死者との関わりが圧倒的に多い漫画ですが、生者に生きる希望を与えた話だったのが良かったです。 -
Posted by ブクログ
こちらも、「宇宙兄弟」同様、モーニング。そして、未完結。母親がコールガール(?)、父親はおらず、地方の猥雑な繁華街で育ったピアノの天才児が、ピアノの才能とともに成長していくお話。
本当は、未完結のものは当然文庫版もないし、何巻まで出るかわからないし、イコール出費の限度がわからないし、先が気になっても読めないし、コミックで買っていると間が空いてのめり込みにくくなるので、完結しているものを読みたい気分だったのですが、有名な作品だし、短い期間に2人にすすめられて買って、面白かったので、仕方ないです。面白いものは仕方ない。
一気に19巻まで(途中3冊だけとばしましたが)読んだので、カイ君がおっきくなって、びっくりした…読んでいて5、6歳も、しかも小学生から高校生まで大きくなる話なんて何年ぶりだろう。買う時に、表紙を見て「うわ、おっきい!」ってなりました。どうしようこの先この美青年がおっさんになったら…
美青年といいつつ、カイ君は「カッコイイ男」ではない。あくまでも天然の、力の抜けた自然児という感じ。彼が最初に弾いたピアノが森に野ざらしにされた「森のピアノ」だったことがそれを象徴しているし、彼の言動にはいつもあの森の雰囲気があると思う。当たり前なのかもしれないけど、小さいころのカイ君と、おっきくなったカイ君、確かに同じ人だし、同じことを言っていて、同じものを心に宿して弾いているなー、ということに納得できる。作者の技量だと思う。カイ君が自然と、同じコンテストに出る少年、少女とか、いろいろな人の心をほぐす場面が出てくるのだけど、カイ君らしいのでちっともわざとらしさがない。
カイ君の友達でありライバルの雨宮君がまた、性格がとても良く、さすがカイ君のライバルという感じ。一色先生は、いやな人を描かない人なのかもしれない。
漫画だし、私はクラシック詳しくないので、当然音楽は聞こえてこないのだけど、カイ君の音がどんな空気を震わせているか、他のピアニストとどう違っているのかが、独特の花火のようなきらめきで完全に表現されている。やっぱり技量だと思う。
なんにも聞こえてこないのだけど、作品にのめり込んでいると雰囲気が伝わってきて、きらきらした音楽にとりかこまれ、森の空気を吸い、ホールの緊張を吸い、ぐっと目が乾いてきます。超かっこいい漫画だと思います。