波木銅のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画が話題になっていてたので気になり読んでみた。
小説→映画の順で堪能したのだが、まじで正解だった。
映画って基本的には原作小説より情報量が減るというか、説明されない部分が多いから映画だけ見てしまうと、「え、このシーンどういう意味?」となることがちょこちょこある。
一方で小説の弱みは表現方法がテキストに限定されてしまうこと。本作についてはラップ部分しかり、表情も音楽も含め、映像で表現されることの意味を最大限発揮しており素晴らしかった。
さて、小説の中身についてだが、本作のテーマは以下の一文に詰まっていると思う。
「現実を受け入れることが良きこととされるなんて、異常でしょ」
田舎町の恵 -
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面白かった〜。疾走感と爽快感で読み終えた後は気持ち良い。作中にヒップホップ音楽や小説、映画、漫画などあらゆる作品が出てくるので著者の守備範囲が広くてすごいなぁ。茨城の田舎の村で、それぞれに鬱屈としたものを抱えて村を出ていきたいと考えている女子高生3人が、ひょんなことからチームとなって大麻栽培・販売を始めるのだけど、その過程でいろんな人との出会いや交流があって、ほんの少しずつだけど彼女たちにとっても良い記憶として残るであろう瞬間が生まれていて良かった。女子高生たちの会話にクスッと笑えるところもあったり、面白い文体だと思った。他の作品も読んでみたい。
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Posted by ブクログ
ネタバレ『万事快調』は、物語の奇抜さ以上に、閉塞した地方・底辺高校の空気感をここまで生々しく、しかも誇張せずに描き切った点が強く心に残る作品だと感じました。
地方にある進学校でも名門でもない高校。そこには将来への展望が最初から用意されていない空気が漂い、努力や希望という言葉さえどこか空虚に響いてしまう現実がある。生徒たちは夢を語らないのではなく、語る前に諦めることを覚えてしまっている。その感覚が、主人公たちの言葉遣いや行動、学校という閉じた空間の描写から、じわじわと伝わってくる。
特筆すべきは、この閉塞感が単なる「不幸」や「被害者意識」として描かれていない点。何も起こらない日常、報われない努力、ど -
Posted by ブクログ
綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。 -
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「最悪よりは平凡」島本理生
顔は平凡だけど体がグラビアアイドルなみの魔美は、こんな名前をつける親に育てられたという心の傷と、しょっちゅう男性から誘いをかけられる体質。彼女にとっての幸せな恋愛は?
「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
大学生の可那は気になっている男の子に手作りチョコ前日に思いつきあげようとするけど、料理スキルなく、買い物から四苦八苦。オチ秀逸だった。
「フェイクファー」波木銅
主に着ぐるみ作る手芸サークルに入っていた男子の回想。仲間が一人死んだという連絡入る。
「カーマンライン」一穂ミチ
私が五歳の時、母は父と死に別れたアメリカから日本に戻ってきた。双子のケントをアメリカの、父の実家に