波木銅のレビュー一覧

  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    かなりおもしろかった。個人的に好きだったのは最初のバーの男との話、お母さんに食べ物は残すなと言われて大食いを強制されてた女性の話、最後の海の同性愛の話でした。

    短編ものなので面白い話と面白くない話と私には共感できないな、と感じる話もありましたが、どれも楽しく読むことが出来ました。
    読みやすくわかりやすい読み物でとても良かったです。読み終わったあと、好きな人に会いたくなりました。

    0
    2025年11月30日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人間は、育った環境によって成る。成ったその姿が醜いなら、育った環境ごとぶっ壊せばいいだけだ。

    それぞれが生きづらさを抱えている田舎の底辺工業高校の女子3人が、この世界から抜け出すために、高校の屋上で大麻栽培を始める。そこにあるものはとてつもなく濁った青春だ。

    音楽、映画、漫画などのカルチャーにどっぷりと浸かった本作は、まるで往年のカルト的人気を博す映画の如く、読者の脳天をガッシリ掴んで離してはくれない。

    ラストシーンは衝撃もので、「旅立ちの日に」が流れるなか、学校の屋上で燃え盛る大麻と、それをバックにマチェーテを持った主人公の朴と、鉄パイプを持った因縁の男、佐藤が血まみれで対峙するシーン

    0
    2025年11月16日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

     すごくよかった。ポップな作品で読みやすかった。サブカルチャーを知っているからこそ楽しめた部分も大いにあると思った。彼らに会って話したら、一笑に付されそうなくらいの知識しか持ち合わせていないのだけど。
     やっていること、彼らの若さ故の思考回路、複雑な家庭環境や学校生活への諦念。書こうと思えばいくらでもグロくなりそうなのに終始ポップなのは書き手の上手さが際立つなぁと感心さえした。
     色んな人間の思惑や思考が絡み合うけど、それが心地良い。とても良い群青小説に出会ったなぁと。  
     映画化するそうだけど、小奇麗な女優さん達がどこまでぶっ飛んだ演技するのかを今から楽しみに待っていたい。

    0
    2025年11月08日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉【分冊版】 3

    購入済み

    はい

    良い作品には間違いないです。絵も素晴らしいです。内容がちょっとバイオレンスなので、読む人を選ぶ作品です。オリジナリティーは満点です。25.08.07記

    #共感する #ダーク #怖い

    0
    2025年08月07日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    めちゃ豪華な女性作家を集めたアンソロ。恋のお話なんだけれど、読後感が違うのが良きりお気に入りは、着ぐるみ同好会のお話、波木銅 「フェイクファー」と、久しぶりに再開する双子のお話、一穂ミチ 「カーマンライン」。

    0
    2025年04月29日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    好きが詰まった盛り合わせ!めっちゃ良かった!
    最悪よりは平凡 (岛本理生)
    魔美のしんどさがしんどくて、それでも好きな人ができてこれから始まっていく感じに、人生捨てたもんじゃないよねと思えた。
    深夜のスパチュラ (綿谷りさ)
    ひとりで買物行く時のグルグルハイテンション感にめちゃくちゃ共感。スパチュラに泣けちゃう気持ちもわかりみしかなかった。
    カーマンライン (一穂ミチ)
    回想から始まるストーリー展開に安心感。「ホテル・ニューハンプシャー」読んでみようと思った。
    無事に、行きなさい (桜木紫乃)
    「アプンノ パイエ」の言葉の意味と2本の線のデザインがそのまま主人公へのメッセージになっていて良か

    0
    2025年04月06日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    (2023年12月21日の感想。帰りのバスで書く。)
    アンソロジーっていいよね。宝箱みたい。いろんな作家さんたちが一度に会していて豪華。

    この本を買った頃は丁度自分のなかで島本理生、窪美澄、一穂ミチのブームが来ていた。だからウッキウキで買って、そのあと暫く読めずにいたのを今になってようやっと読めた。

    面白かったのは綿矢りさ「スパチェラ」
    綿矢りさは、中学生の頃に『蹴りたい背中』、大学二年の秋に『勝手にふるえてろ』を読んだ。両方とも、それから今回の「スパチェラ」にも当てはまることだけど、今を生きる若い女の子を描くのが本当に上手。綿矢りささん自身は歳を重ねているのに、寧ろ作品のなかではより若く

    0
    2024年11月26日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    ど田舎の底辺高校に通う女子高生3人が学校の屋上で大麻を栽培し売り捌くことで金儲けを画策する。
    主人公の朴をはじめとする登場人物のキャラが立っていて、彼らのの小気味好いやりとりが楽しい。
    話も非常にテンポよく進み、なんだか不思議なエネルギーがあって一気読み。確かに荒唐無稽といえば荒唐無稽で現実味が薄いところもあるけれど、この作品の雰囲気に呑まれて全然気にならなかった。
    学生たちの怖いもの知らずで突き進んでいくようなところがなんとも痛快で、いいぞもっとやれと読んでいるこちらまでテンションが上がってくる。本当にハイな気分になれた。
    自分も学校のベランダでトマトでも育ててみようかな…。

    0
    2024年11月17日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    恋愛小説のアンソロジー。
    著者ラインナップが『一穂ミチ・窪美澄・桜木紫乃・島本理生・遠田潤子・波木銅・綿矢りさ』こんなの全員海老の天ぷらじゃん。海老天しかない天丼じゃん…。
    私はれんこんの天ぷらが一番好きだけど。文芸誌の恋愛特集のために書き下ろされた作品をまとめたもの。
    どれもほんとーーーによかった。全部好き。
    なんか恋愛ってどうしても自分の生きてきた環境から受け取った価値観がインストールされて、それがよくも悪くも作用してるよなあと読んでいて思うのだった。
    あとけっきょく他人と深く向き合うことは自分と深く向き合うことでもあって、そらつらいわあ…。
    ヒリヒリしてて苦しくて、でも文字からそれを体感

    0
    2024年01月29日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    くそ田舎で育ったティーンエイジャーは、ヤンキーになるか映画を見たり本を読みまくるしかない。映画の引用が多くて嬉しい!楽しい!大好き!
    朴と矢口が先に意気投合してから、口調がめちゃくちゃ暴力的になるのがツボにハマった。
    こんなやり取りを妄想してたけどまさかやってくれる人がいるとは!それだけで最高!!


    クリント・イーストウッドの映画みたいにくそボケ殺すを言い合いながら金を稼いでいく。
    ラストの青春小説真っ只中な感じの先に破滅が待ってるんだろうけど、何故かさわやかに感じる(笑)
    めっちゃ面白かった〜‪( ;ᯅ; )‬!

    0
    2024年01月02日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    読んでみたいけど、なかなか手が伸びなかった作家さんばかりのアンソロジー。思わず買ってしまった。

    『最悪よりは平凡』 島本理生
    主人公の和田魔美ってどんな女性なんだろうか?会ってみたいと思った。とても魅力的らしい。読んでて、真面目でしっかりとした女性だと思うんだけど、なぜか下心がある男ばかり寄ってくる。本人はそんなつもりは全くないのに。身体が魔性の女みたいに言われてるし。最後はいい感じに終わって良かった。

    『深夜のスパチュラ』 綿谷りさ
    バレンタインデーは恋する女子にとっては戦いだねって改めて思った。主人公の可耶ちゃんがチョコを買いに行くところから渡すまでの奮闘が読んでて面白かった。ガトーシ

    0
    2023年12月21日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    おもしろかったです。
    めちゃ読みやすかったです。
    いろんな本や映画や漫画が引用されていたので見たくなりました。
    野暮かもしれませんが、ちょっと御都合主義的なものを感じました。でも話の展開が面白く楽しく読めました。
    ラストが良かったです。

    0
    2025年12月18日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
    一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
    遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
    窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。

    0
    2025年12月02日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    選択肢が出るとパラレルワールドのことを考えてしまう。突き詰めると国語の文章問題テストの4択問題は嫌い。作者の気持ちが分からないのに回答1つで最悪合否が決まる時がある。その正解がないバージョンで普段でも至る所に選択肢が出てくる。点滅してる横断歩道を渡るか否か。渡った選択肢を選んだ自分は今幸せですか?
    犯罪を除いて選択肢の結果に正解はないと思う。ただ選択肢の数は環境によって違う。多くの選択肢を持てる人もいれば少ない人もいる。ただその中から1つ選ばないといけないことは共通してる。その結果で大きく人生が変わることもあるけど、不正解では決してない。ただ、正解にしていくしかない。何しても、どうやっても。自

    0
    2025年08月30日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    作者も含め、みんなぶっ飛んでて爽快☆
    女子高生が学校の屋上で大麻を育てる話!!
    に至るまでも面白い!!
    言葉のチョイスが抜群でノリがドストライク!
    頭の中でスムーズに映像化されるのが快感だった。
    (※7/30追記:2026年に映画化決定☆)
    おばあちゃんの下り面白かったなぁ〜笑
    人生で味わうことのない世界を垣間見れる1冊。

    20歳の大学生に一気読みでしたッ!と
    オススメされた松本清張賞受賞作。
    アラフォーでも楽しめたので
    とりあえず読んでみて♬

    0
    2025年07月08日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    いやぁ〜、面白かった!ほぼ一気読みです。
    工業高校に通う3人の女子。朴、岩隈、矢口が主人公であり、彼女らはそれぞれ音楽、文学、映画のそれぞれの分野でのサブカル女子なのである。この時点でワクワク確定!現役大学生のデビュー作ということで今後の作品も楽しみ。悪意に満ちた世界で、若者の鬱屈した感情が爆発。気づけば事態は取り返しのつかない状況へ。新時代の傑作青春小説。

    0
    2025年02月09日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    青春に内包された狂気を味わえる作品だった。
    それぞれが持つ目標に向かって突き進む、狂気的なまでの推進力が見ていて清々しかった。
    前半部分で、田舎で過ごす女子高生の閉鎖的な日々を見せられていたため、大麻を手にれてからの行動ひとつひとつが開放感に溢れていて気持ちよかった。最後はその開放感のまま、ビニールハウスの爆発と、大麻でブリった人達が大騒ぎするという、スーパーカオスな感じで終わったのも良かった。読後感が映画の「ジョーカー」を見終わった時に少し似ていると思った。というか朴秀美の弟は、家族がいるという点で孤独では無いが、ほぼジョーカーだと思った。ジョーカーの続編のように、オールグリーンズのメンバー

    0
    2025年01月12日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    へー面白い。ファスト風土とサブカル女子高生とマリファナ栽培ってめっちゃ情報量多くて無駄にも思える設定が細かくてでもなんかリアル。バカ高校の女子たちにしては色々サブカルへの造詣が深すぎるなと思うし、自己分析が的確すぎて老成しすぎだろと思うけど、なんとも憎めない登場人物たちが魅力的だった。台詞回しもめちゃくちゃ上手くてギリギリコミカルですごく良かった。なんか色々破滅的なんだけど、まあ万事快調でいいかって思えるようなあっけらかんとした前向きさが好印象の青春小説だった。でもラストめちゃくちゃにカオスでこの後どーなるんだよw

    0
    2025年01月09日
  • 万事快調〈オール・グリーンズ〉

    Posted by ブクログ

    麻薬栽培に手を染め始める女子高生たちを描いた青春クライムノベル。青さと爆発力を兼ね備えたなんとも愉快痛快な物語だった。

    主人公の女子高生・朴秀美の日常は、万事快調(オールグリーンズ)というタイトルとは似ても似つかない黄色信号だ。
    男女比9:1の底辺高校の工業科に在籍し、クラスのカーストは中の下。弟はいじめられ不登校になり、両親は食卓においてマナーがとても悪い。唯一祖母とは打ち解けてはいるものの、言わずもがな家族との関係は良好とはいえない。
    朴と行動を共にするようになる同クラスの女子・岩隈真子と矢口美流紅も、それぞれがコンプレックスや異常な家庭環境を抱えている。
    女子高生たちの等身大な悩みに、

    0
    2024年12月23日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    二周目の恋ということで、ほろ苦い大人の恋物語を想像したけど、全ての短編がそういうわけではなかった。「海鳴り遠くに」の描写が綺麗だった。

    0
    2024年12月15日