ひぐちアサのレビュー一覧
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「おおきく振りかぶって」のひぐちアサの、デビュー作を含む単行本。
表題作「家族のそれから」では、家族の中心であった母・ハツコが急逝してしまい遺された兄妹と、若い義父とのギクシャクした生活の、彼らが同じ方向へ一歩を踏み出せるようになるまでを描いています。
ひぐちアサの心理描写といえばとにかく言葉の省略が多く、安易にキャラクターの心に踏み込ませてはくれません。
口の開き具合、眉の角度といった表情や台詞回しから、まるで現実の人間に向き合うようにするしかないのです。
ときに漫画としては不親切ではとすら感じるほど。ただ、それがとてつもないリアルを生み出していることは確かでしょう。
母親の恋人である義 -
Posted by ブクログ
相変わらず面白いです。
すこし前に武蔵野第一 vs 春日部、ARC編を長々とやってたこともあって
西浦だけでなく、対戦相手である武蔵野第一にも感情移入して読むことが出来ます。
テンポの遅さや榛名にスポットを当てすぎじゃないかというご指摘が多いですが、私は丁寧な心理描写や試合展開、そしてライバルであるチームの成長や紆余曲折にも焦点を当てることでより西浦vs武蔵野第一の試合を盛り上げてると感じて好感が持てます。中弛みしているようには感じません。
ただ、武蔵野第一との勝敗が一年の秋時点で早々についてしまうと思うとすこし複雑です。
ここはずっとライバル校として描かれると信じたい。 -
Posted by ブクログ
この21巻は文化祭のそれぞれのクラス内での立ち位置もそうですが、モモカンの話、秋丸の考えること、すべてがやんわりつながっている気がしました。
自分がどこを中心にして動いているか。文化祭では阿部含め野球部員はある意味特別扱い、それは野球部員たちが部活を中心に活動しているからこその扱いだったと思います。この流れは秋丸と榛名の関係にも繋がってます。彼らは相手がどこを中心にして動いているか完全に理解はしなくても感じてはいるんでしょう。だからこそ、秋丸は榛名に何も言わないし、榛名は今更自分を秋丸に背負わせるほど覚悟もない。こればっかりは声に出すだけでなく、本当に心のなかから思わないと解決しなさそう