梅田智世のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分が騙す側にも騙される側にもなりたくないが、偽物、詐欺、嘘というものは話としてはとても興味深い。
映画だと『スティング』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は今でも好きな映画だ。
邦題に訳せないところがまた趣深い。
『捕まえられるもんならやってみな』、じゃあイマイチだもんね。
さて、本作はナショナルジオグラフィック社刊で、写真も豊富、事例も豊富。
先に挙げた映画の元ネタとも言える詐欺ももちろん載っている。
第二次大戦前のものもあれば、ごく最近のものまでバランスよく網羅されている。
お気に入りのニセモノは、偽金、贋作、詐称。
NHKの番組「ダークサイドミステリー」で登場した、ポルトガル通貨詐欺事件は面白かった!
本物なのに偽物?!
日本銀行券も切り替わったばかり(まだ千円札しかお目にかかっていない)なので、
偽札防止の技術についてはタイムリーに楽しめるのでは。
また、最近とある美術館がつかまされた贋作、贋作師についてもタイムリー。
悪い方の天才というものはいかなる時代にもいるもので。
決して昔の話ではないことに身が引き締まる。
漫画『SPY×FAMILY』の主人公一家の苗字と同じ単語が使われたとある写真には興奮。
細部までこだわってこそ、作品は面白くなるものだなぁと感慨深い。
犯罪史として読んでも面白い。 -
Posted by ブクログ
世界各地で絶滅の危機に瀕する数々の食べ物。長い年月を
かけて築かれた食文化にも同様の危機が危惧されている。
そんな絶滅危惧食の物語を辿る。
・地図 ・はじめに ・食べもの そのごくおおまかな歴史
第1部 野生 第2部 穀物 第3部 野菜
第4部 肉 第5部 魚介類 第6部 果物
第7部 チーズ 第8部 アルコール
第9部 茶とコーヒー 第10部 スイーツ
・エピローグ
参考文献 註、索引有り。
その地域の自然に適した、先住民の築いた食と農耕、酪農の歴史。
一方で、農業や酪農の歴史は如何に多くの収穫を得るかで、
発展してきた。しかし、農業や酪農による食物の侵略は、
生物多様性への危機を招き、古い在来種の絶滅に至ることとなる。
緑の革命。化学肥料と品種改良、均一化の弊害も同様に。
乱獲や侵入種による海や川の資源の減少も、侮れない。
そして、国家体制や紛争、戦争の弊害もある。
しかし、在来種を守る人がいる。それらを探す人がいる。
絶滅した在来種を復活させる人がいる。
ハッザのハチミツ、アナトリアのカヴルジャコムギ、
沖縄のオーヒグダイズ、アメリカのバイソン、
西伊豆の塩かつお、ウガンダのカインジャ・バナナ、
アルバニアのミシャヴィン、ベルギーのランビック・ビール、
シーサンパンナのプーアル茶、シリアのハラワート・ジアン等々。
動物性ウイルス感染症や気候変動(海も川も)が
均一化の生物に与える悪影響は、計り知れない。だが、
古い在来種の潜在能力は、長い年月に培った種の能力なのか?
食の遺産は、未来への希望を担う可能性を秘めていると感じた。 -
Posted by ブクログ
何があったのか?かつての繁栄は何処へ?忘れたい歴史も?
放棄、破壊等、廃墟になった40の忘却の場所を紹介する。
空っぽの建造物・・・ビュユカダ孤児院、ドナチカ城など7カ所。
人が消えた場所・・・マンドゥ、コールマンスコップなど9カ所。
荒れ果てた観光地・・・八丈ロイヤルホテル、クパリなど10カ所。
旅の終わり・・・ウユニ車両基地、シティホール駅など6カ所。
放棄された施設・・・アカンペネ島、アルカトラズ刑務所など8カ所。
主要参考文献、写真クレジット、INDEX有り。
4~6ページに、その誕生と繁栄、破滅までの経緯の詳細。
カラー写真、地図、建物の見取り図等での構成。
廃墟になった原因は、
紛争、ソ連崩壊、原発事故の影響、疫病、汚染、過去の隠蔽、
鉱山の閉鎖、鉄道から道路への移行、老朽化、客の減少、
差別、手抜き工事、そして時代の変遷と自然の驚異など。
廃墟になったのは、
建設中の原発、ソ連赤軍の飛び地、軍関係の施設、刑務所、
孤児院、城、灯台、病院、神学校、教会、交通関連の施設、
観光地、モール、村や島、そして古代都市など。
かつてあった場所には、栄華もあれば悲劇もある。
ヒトラー出生の地、スタジオ「エア」があった地。
姥捨ての如く若い女性を捨てたアカンペネ島の、凄惨さ。
世界で2番目に大きな純木造建築物や稀有な存在の城の、衰退。
2004年のアテネオリンピックの名残りは、あまりにも悲しい。
過去からの脱却しての復興、再開発と再利用、
映画のセットなどの明るい兆しはあるが、それはほんの僅か。
多くは、年月が積んだ暗く重苦しい寂静感に、包まれている。
でも、これらの廃墟は氷山の一角。
日本だって八丈ロイヤルホテル以降、様々な廃墟が増殖してますし。 -
Posted by ブクログ
自然をコントロールしようとする人間の科学的な行動が思いもよらないコントロールのできない事態を引き起こし、また、それをコントロールしようとすることに苦慮する。
例えば、生態系であったり、治水であったり、また、地球温暖化だったり。
この本では、そういった事例をジャーナリズム的に取り上げて、人間の自然をコントロールしようとする取り組みはなかなか上手くはいかないぞということを紹介している。
「人新世」という言葉も一般に聞かれるようになってきた。
人間の営みが地質学的にも地球に影響を与えていることを表す言葉として使われている。
化石燃料の使用により、地球の気温上昇だけでなく、人間は地層にもその営みを刻み込むまでになってしまった。
私たちは自分たちの行動の結果を正確に予想できふほどには賢くない。
でも、よりよい未来を求めて行動するしかないのだと思う。