世界各地で絶滅の危機に瀕する数々の食べ物。長い年月を
かけて築かれた食文化にも同様の危機が危惧されている。
そんな絶滅危惧食の物語を辿る。
・地図 ・はじめに ・食べもの そのごくおおまかな歴史
第1部 野生 第2部 穀物 第3部 野菜
第4部 肉 第5部 魚介類 第6部 果物
第7部 チー
...続きを読むズ 第8部 アルコール
第9部 茶とコーヒー 第10部 スイーツ
・エピローグ
参考文献 註、索引有り。
その地域の自然に適した、先住民の築いた食と農耕、酪農の歴史。
一方で、農業や酪農の歴史は如何に多くの収穫を得るかで、
発展してきた。しかし、農業や酪農による食物の侵略は、
生物多様性への危機を招き、古い在来種の絶滅に至ることとなる。
緑の革命。化学肥料と品種改良、均一化の弊害も同様に。
乱獲や侵入種による海や川の資源の減少も、侮れない。
そして、国家体制や紛争、戦争の弊害もある。
しかし、在来種を守る人がいる。それらを探す人がいる。
絶滅した在来種を復活させる人がいる。
ハッザのハチミツ、アナトリアのカヴルジャコムギ、
沖縄のオーヒグダイズ、アメリカのバイソン、
西伊豆の塩かつお、ウガンダのカインジャ・バナナ、
アルバニアのミシャヴィン、ベルギーのランビック・ビール、
シーサンパンナのプーアル茶、シリアのハラワート・ジアン等々。
動物性ウイルス感染症や気候変動(海も川も)が
均一化の生物に与える悪影響は、計り知れない。だが、
古い在来種の潜在能力は、長い年月に培った種の能力なのか?
食の遺産は、未来への希望を担う可能性を秘めていると感じた。