こうの史代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こうの史代さんのあとがきに共感できるところがあった。わたしは広島出身でもないのに。
唯一の被爆国というけれど、自分は実際に体験していなくて、どこか遠い国の出来事に感じてしまって。平和記念式典を見て、世界から戦争がなくなるには、こんなちっぽけな自分に何ができるだろうと思っていて。今まで知ろうとしなかったことに後ろめたさも感じてて。それは広島に住む、爆心地から遠い人も感じてたんだ。そして、“被爆者や戦争体験者の方々が話してくださるとき、「あの日の出来事は思い出したくない」でしめるけど、知ってほしくないわけじゃない“という部分。思い出したくないこと無理して話してもらってたんだ、、受け止める気持ちがこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ般若心経をベースにした、こうの史代による漫画。本文内に印刷された「空色」と、般若心経の「『空』の観念」を掛けたタイトルがお洒落。
コロナ(と思われる感染症)禍の現代に生きるひとりの女性の物語と、観自在菩薩によるシャーリプトラへの説法(すなわち般若心経の全文)がオーバーラップしていく構成。説法は般若心経を基本にしているのだけれど、ところどころに理解の助けとなる言葉や例えが添えられ、物語と一体化していて分かりやすい。
とはいえ、“ならばこれが「空」であるのか”と問い出すとまた難しい気がするけれど、物語としては納得があり、ふたつの世界が重ね合わさる瞬間には漫画としてのカタルシスがあり、読み応えがあ