こうの史代のレビュー一覧

  • 日の鳥 2

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    仮設でののどかな風景を切り取って
    〜誰も望んでなかったかも知れないこの日、それでももう二度とは戻らないこの懐かしい日〜などと妻の面影を追って旅を続ける雄鶏はとぼけたモノローグの時々にこんな詩情豊かな言葉で語りかける。
    廃墟と復興の狭間に身を任せるしかない被災地の風景を何気ない日常として表すスケッチはこれも「忘れない」ための方法なのだろう。
    巻末には書き下ろしでウランの半減期を人の成長に例えコミカルに描く掌編も付く。
    たかが漫画…しかしそこに込められた作者のメッセージをどう捉えどう考えるかは受け手である私たち次第である

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    2017年06月09日
  • ノベライズ この世界の片隅に

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    映画を観て,色々考えさせられたので,もうちょっと詳しい背景を知りたいと思い,まずは小説版を読んでみました。

    映画ではカットされていた,周作さんとリンさんのエピソードも述べられていました。
    このエピソードはあった方が,作品としても深みが増すと思います。

    実は心に残るセリフもあり,映画を一度観ただけでは流してしまっていたなあと少し反省。

    声高にテーマを主張していないのに,心に訴えかけてくる素晴らしい作品です。
    一度訪れたことのある呉の街を,また訪れたくなりました。
    次は原作である漫画を読んでみます。

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    2017年04月09日
  • 双葉社ジュニア文庫 ノベライズ この世界の片隅に

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    ほんわかした文体で、でもやっぱり戦時中の話なんよね。

    広島だから、尚更・・・なんで戦争なんかあったんだろう。

    晴美を失った悲しみがさらに苦しい。

    すずと周作がいい。

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    2017年03月27日
  • ノベライズ この世界の片隅に

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    「この世界の片隅に」の映画を見に行って、すごくよかったのですがよくわからなかったところがあったので、ノベライズを読みました。
    映画で私がわからなかった所は、あの時代に、口元にほくろがあるくらいの情報でどうしてすずを探せたのか、映画冒頭に出てくる大柄な妖怪みたいなものは人さらいなのか?そして妖怪なのか人間なのか・・・
    ノベライズを読んでもわからなかったけれど、すずの世界に引き込まれました。
    嫁ぎ先で義理の姉に辛い思いをさせられ、さらに絵をかくのが好きだったのに利き手の右手を失い、絶望を味わっても自暴自棄にならずに、どこかのほほんとしたすずに憧れます。

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    2017年03月05日
  • 双葉社ジュニア文庫 ノベライズ この世界の片隅に

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    【公開中映画の感想】
    消化不良、感想が上手く言えない。
    生まれて初めての経験。
    理由がわからないのに、泣いた。

    でもひとつ確かなのは、戦争映画ではないんだということ。
    このお話は、8/6と聞けば、日本人なら誰でも悲痛なその日を思い出してしまうそれに向かって進んでいくのに、それはあくまでもすずたちの生きた毎日のひとつでしかなかった。

    時代は選べない。生まれてくる時代は。
    戦争の時代に生まれたすずが、自分は自分の人生を選んで今ここにいるのだとわかるまでのお話だと思った。
    受け入れることを選ぶことも、受け入れないことを選ぶこともできる。
    本当は人生で起きることのほとんど全ては、自分で選ぶことがで

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    2016年12月18日
  • ノベライズ この世界の片隅に

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    ネタバレ

    基本的には映画ベースなのですが、
    この小説の良いところは、リンさんとのからみや、周作さんとリンさんのなれそめにも触れられているところです。いや、映画のリンさん比率の少なさに悲しがっていた身としては嬉しい限りです。
    やっぱりこれでも泣けてしまうし。
    知多さん、おじさんもなのか、ということもわかりましたし。

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    2016年11月29日
  • 日の鳥 1

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    「この世界の~」公開まで、原作は読み返さないわ!と決めていたのですが、こうの熱が高まったため、まだ読んでいないこちらを購入。
    自分は当時のことを忘れかけている、と思うし、実際の被害なども理解していない…と思うのですが、だからこそか、じんわり泣けてしまう。思い出させてくれる、忘れないようにしてくれる、その視線がありがたいのかもしれないです。

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    2016年10月05日
  • あのとき、この本

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     71名もの執筆者が、多角的な視野で書いた絵本の書評。その左隣に添えられた漫画に気分が和らぐ。
     時代がどれほど流れ、過ぎ行きても、面白い本は、いつでも面白い。
     過去だけでなく、これからも面白い本達と出会えますように。

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    2014年08月16日
  • あのとき、この本

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    著名人71人が感銘を受けた絵本を語る文章にインスパイヤーされたこうの史代の絵がついたもの。 おもしろく読んだ。

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    2014年06月22日
  • あのとき、この本

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    (No.14-15) エッセイです。

    71人の絵本が大好きな人達がとっておきの絵本を紹介。それぞれのページに、こうの史代さんの四コマ漫画が付いてます。

    皆さんの思い出の一冊なのかなと思って読み始めたのですが、必ずしもそうではありませんでした。もちろん子供の頃すごく好きだった一冊を紹介している方もいます。けれど大人になってから出会った本、自分の子供が好きだった本、またご自分が描かれた本のことを書いている人もいて、いろいろな面から絵本を知ることが出来ました。

    著者の方たちの中には私が知らない方や、お名前を聞いたことがあるくらいの方もいて、どんな方なのかなあと想像しながら読みましたが、短い文章

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    2014年06月12日
  • あのとき、この本

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    ネタバレ

    著名人が感銘を受けた絵本の紹介文と、こうの史代のコミック付き。漫画目当てで読んで、肝心のテキストは流し読みしたけど、クリエイターになる人って本に出会う感度がいいなとつくづく思う。

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    2014年06月01日
  • 日の鳥 1

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    突然いなくなってしまった妻を探して旅するニワトリが見た景色。東日本大震災の被災地の、5ヶ月後から二年半後までの姿をボールペンで描いたスケッチ集が、ユーモアとペーソスの溢れる物語になっている。ニワトリの旅はまだ続いているらしい。

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    2014年05月24日
  • あのとき、この本

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    なんで「とき」が漢字でないんだろうなぁ、と思ってたのですが、4コマ読んで納得、こうの調が笑える。
    一番気になったのは、けいぶほ。こうの史代で刑事キャラ?を見かけたのは、初めてな気がしまして…!

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    2014年06月17日
  • あのとき、この本

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    71人の絵本大好きな方たちのエッセイと、こうの史代さんの4コマ漫画のコラボレーション。確か朝日新聞の書評欄に掲載され、読みたいリストのに残しておいたものです。

    こうの史代さんのウィットの効いた漫画が面白く、エッセイよりもこちらに目がいってしまいました(申し訳ない)。あっ、これ読んだことあるあるとか、ふーん、こんな本なんだ読んでみたい、と思うものも多数。いろいろな本の紹介本はありますが、面白い企画でした。

    朝日新聞連載の、宮部みゆき:作、こうの史代:絵 の”荒神”が終了してしまいました。こちらも書籍化を願いたい。

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    2014年05月17日
  • 日の鳥 1

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    ネタバレ

    こうの史代さんのほのぼのとした絵と詩は
    震災のあとの町を描いてもほのぼの
    震災後5ヶ月の釜石・大槌から
    東北の各地をまわり
    2年半後の鹿角・盛岡まで
    一気に読まないで、
    行ったり来たりしながら
    ゆっくり読んで見て眺めて感じます

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    2014年05月15日
  • あのとき、この本

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    著名人が思い出に残る(オススメの)絵本を紹介。
    それにちなんだ(?)4コマ漫画をこうの史代さんが添えている。
    どの絵本も紹介する人の思いが詰まっていて、自分も読みたく(読み直したく)なります。
    4コマ漫画の方がおもしろかったり、そうでなかったりしましたが。

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    2014年05月09日
  • 平凡倶楽部

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    最初の章の東京紀行で、ゆったりしたコミックエッセイなのかな~と思ったが章を進むにつれ、毒が見え隠れしだした。絵のかわいらしさに隠れているが、以前から筆者の描きたいことは、かわいらしいことではないと思っていた。それは、長い道を読んで感じた事だ。
    この原爆を題材にした漫画を書いたことで、読む側から一方的にイメージを押し付けられてしまったのかもしれない。
    内容は読みにくいところも、見にくいところもあるが
    マンガ、絵、小説?と様々な実験的表現方法を試していて、非常におもしろい。
    なぞなぞさんはいいねぇ。インタビュアーは自分の気に入らない答えがあると無言になるのだなと思った。

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    2013年09月17日
  • 平凡倶楽部

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    実験。ひねくれた(正直な)内容。


    2017年1月3日再読。
    再読。
    後半に畳み込まれる毒や悪意や。
    これがあるからこそこの作者にしか出ない味がある。

    ……と書こうとして、立ち止まる。
    これが毒に思える、悪意と見做す、こちらの態度、および感想の抱き方が、多くの息苦しさを生んでいるのでは。
    ただ正直に書いたことが、一歩上から冷笑される、こんな息苦しさはあるまい。

    ……こうやって意見や感想を多面的に持つことが、現代では必須。
    なんてことを考えたりした。

    実験は大いにキュート。

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    2017年01月03日
  • 平凡倶楽部

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     ワタクシ、漫画も読みますよ。 諸星大二郎とか、丸尾末広(おいおい)とか。 本作、職場の書店で手にとって、ふ〜んと思いつつ、とあるきっかけで購入。 おもしろうございました。 漫画というよりも、漫画家の画文エッセイといった趣。妹尾河童的? 他にどのような作品をお書きになっているのか知りませんが、興味がわきました。 

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    2011年08月19日
  • 平凡倶楽部

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    【201100123 読書会 副本】作家の衣食住を期待しよみはじめ、それはそれで楽し。が「戦争を描くという事」と「なぞなぞさん」で伝えようとすることがわかるようでとはいえ、むずかしく、印象に強い。

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    2011年01月23日