魯迅のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
標題の「阿Q正伝」は、阿Qと呼ばれる名前もはっきり分からない、行状もはっきり分からない、当時(1920年頃)の中国の最底辺で暮らす、家も無い、家族も無い、日雇労働者で稼いだ金は全て飲み代に使ってしまうような男が主人公。
皆から馬鹿にされ、しょっちゅう殴られているのだが、変なプライドがあり、例えば殴られた時でも「息子に殴られたようなものだ」とか「我こそ自分を軽蔑出来る第一任者なり」などと考え、自分を納得させて、殴った相手よりも意気揚々とその場を立ち去る。
しかし、自分よりも見すぼらしい者や女性のことは軽蔑している。
ある時、その町に革命軍がやってきた。その革命軍が町の有力者を怯ませたと聞いて、「革命軍に入るのも悪くないな」と考えるのだが、革命軍側についたのは、町の有力者で、阿Qは革命軍に入れて貰えるどころか、とっととその場を去れと言われる。
結局、無実の罪で、拘束され、それでも見せしめの処刑になる寸前までそのことに気づかず、悲しい最後を遂げる。
これは中国の当時の社会の闇なのか、その当時の世界の流れなのか、それとも負の連鎖で、今のこの日本でもこのようにいつまでも報われない底辺の人がいることに私が気付いていないのか……と哀しくやるせなくなる中篇だった。
他の作品は短編が多く、社会の底辺の悲哀を描いたものが多かった。魯迅は、自序に書いている通り、子供の頃は父親の病気のために、質屋とくすりやに通い詰める、貧しい暮しではあったらしいが、それでも少しは人を雇うような家で、当時の西洋学を学ぶ学校に行き、日本にも留学している。「故郷」という作品では、子供のころ仲良くした使用人の息子と二十年ぶりくらいに出会い、「旦那様」と呼ばれ、彼の暮らしが大変で有ることに距離感を感じてしまう寂しさが書かれていた。
貧しさの経験があり、底辺の人を描きながら、ある程度偉く有名になってしまった自分に矛盾を感じていたのかもしれない。
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Posted by ブクログ
魯迅の短編集です。魯迅は短編集がほとんどで、唯一の中編小説がこの「阿Q正伝」だそうです。14作品おさめられています。短編はほんとに短くて、10数ページのものがほとんどでした。
内容は全体的に当時の時代背景や登場人物などある程度知らないと難しいです。何度も読み返しつつ、なんとか読んだという感じ。訳注ももちろんありますが、いちいち全部訳注を見るわけではないので;
少しこころに残った作品を紹介します。
「狂人日記」
題名の通り狂人からの視点を描いたもの。周囲が人食いとし、自分も食われる恐怖を感じ、さらに自らも人食いをおかしてきたと自覚し絶望する。ふと、映画の「The sixth sense」を思い浮かべました。
「阿Q正伝」
中国の最下層の人物「阿Q」の話。当時の中国社会を描いている。
「故郷」
魯迅が北京に引っ越すときのことが題材となっているようです。高校の国語の教科書にあったのを思い出しました。整った作品でこの中では読みやすいもののひとつでした。
「あひるの喜劇」
それまでとは雰囲気が変わって、読みやすかったです。
ロシアの方が日本から追放され北京に住んでいた時に魯迅とともに住んでいたらしく、その時のことが題材になっています。6ページくらいの非常に短いもの。どこかせつない。
最初に自序が書いてありますが、小説を読んだ後にも自序を読むといいかなぁと思います。