魯迅のレビュー一覧

  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    わたしは阿Q正伝を読んでわたしもまた阿Qだと思ったが、阿Qは阿Q正伝を読んでも己を阿Qだと思うことはないのだろう。


    装飾と情緒を削いでなおふくらみと余韻のある、魯迅の文章は好みだ。
    訳が良かった、日本語として好きな文章だった。竹内好訳。肌触りがしっとりさらりとしていて、心地良い。

    とても陰鬱な色調の話で始まって戦慄いたのだが、行きつ戻りつだんだんとほの明るい色調になった。
    昼の明るさではなく月のささやかな光。最初のどうしようもないどん底の絶望を読まねば、この明るさをさほどに感じなかったと思う。
    話の配置の良い短編集。
    最初の狂人日記の食事がすげーまずそうなのに、最後の村芝居の食事はすげー

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    2012年06月02日
  • 故郷/阿Q正伝

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    中学(高校かも?)の国語の授業で登場した魯迅の「故郷」。
    まさかこうしてここでめぐり合うなんて・・・。

    新訳とあって、こうも変化するとは思わなかった。イイ意味で。
    読んだことのない小説を読む如く、みずみずしさが残る。

    本書はその「故郷」を含んだ魯迅の短篇集。
    有名ところの阿Q正伝、狂人日記なども収録されており、当時の中国の背景、日本との関係も踏まえて、小説を通して垣間見ることができる。

    革命だのなんのと時代が揺れうごめく中に、筆者が感じた痛烈な批判的な要素も含んでおり、救いがないような作品の中にも、今後の「良い未来」として変えていかなければいけないといった思いも託された作品が多い気がした

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    2012年01月26日
  • 故郷/阿Q正伝

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    内田百閒の随筆のような印象を受けた

    どうしようもない人、出来事を淡々と描写していく。いつでも、どこでも、こんな人達はいるんだろうなーって思わされる
    日本の事も書かれていて、微妙な距離感を感じた

    魯迅は人中心で描くが、内田百閒は人も出来事も描く

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    2012年01月01日
  • 故郷/阿Q正伝

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    ネタバレ

    魯迅がここまで面白いとは!
    でもあとがき曰く、翻訳者の友人の高校教師は「この訳だったら教科書には載らない」と言ったとあったので、この面白さは新訳のおかげかもしれない。
    阿Q正伝が短編だったことも知らなかった。
    読まずに人生を損していた!

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    2011年11月13日
  • 阿Q正伝・藤野先生

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    例の読書会で読んだ作品。

    あんまりこうゆうの読んだこと無かった。

    中学生の教科書に載ってたかもしれないけど

    記憶にないし。

    昔の中国にこんな現代的な考え方をもった人がいたなんてびっくりです。

    考え方というよりは、感じかたかな?

    書き方が日記見たいですね。

    まだこの作品の味わいは、ちゃんと足わえてない気がする。

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    2009年10月04日
  • 故郷/阿Q正伝

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    ネタバレ

    ☆つけるのは烏滸がましい気がするから3にしておく。
    故郷が好き。故郷で貧困にあえぎつまらない大人になってしまった閏土と、故郷を離れ役人となった自身の対比。かつて友人だった彼らは彼らを取り巻く問題によってもはや友人ではなくなってしまった。閏土は私に対して畏れともとれるような感情を抱くようになってしまった。私は役人の地位に慣れてしまったのか親しく付き合うことの許可を出しもしない。当時の中国の片田舎ではそれが当たり前なのかもしれないが、私の立場に立たされたとしたら自分だったらそうすると感じた。私は閏土の現在の姿をみてあきらめてしまったのだろうか。それでも息子たちはかつての閏土と私のように親友となった

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    2025年09月18日
  • 阿Q正伝・藤野先生

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    とにかく書き出しが素晴らしい作品が多い。
    「孔乙己」の書き出し「魯鎮の居酒屋の構えは、よその土地とは違っていて」、「薬」の書き出し「秋の夜中、月は沈んでしまい、日はまだ昇らず、青黒い空だけが残っていて」、「藤野先生」の書き出し「東京も同じようでしかなかった」など、書き出しだけでシビれる。
    どんな物語が始まるんだろう?とワクワクするような、嵐の前の静けさみたいな、すごい俗っぽくいうと戦闘フィールドを設定するフィールド魔法を脳内にかけられるようなイメージ。
    結構私が読んだことある中では「最高の書き出しを書く作家」といっても過言ではないと思う。

    残念なのは、短すぎると思うこと。当時の流行りとかもあ

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    2025年08月10日
  • 故郷/阿Q正伝

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    「故郷」「阿Q正伝」「狂人日記」あたりは読んだように思うが、初めてのような感覚。「故郷」幼なじみに抱いていた印象は、年を経て再会すると、そのギャップに愕然とする。子が今の自分と同世代になった時に違った社会になっているだろうかと懸念しつつ。。「阿Q正伝」お人好しの阿Qが誤解により処刑されるに及び思うことは。見物人の群衆心理。恐ろしくも悲しい。2024.11.30

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    2024年11月30日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    短編集。やはり阿Q正伝が心に留まる。
    自分の中にも阿Qがいるのではないか?山月記の李徴のような。

    「思うに希望とは、もともとあるものともいえぬし、ないものともいえない。それは地上の道のようなものである。もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。」(99頁、故郷)

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    2024年12月30日
  • 故郷/阿Q正伝

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    漫画版で概ね流れを把握した上で読みました。
    ある程度予備知識を持った上で読みたい本です。
    なぜなら、魯迅が何の意図を持って作品を構築し、伝えたい事考えながら読まないと最後は「?」で突然終わりを迎える話が多いと感じたからです。
    阿Q正伝では「精神的勝利」に囚われた阿Qを通じてあらゆる事象を受け入れる精神状態の異常さ。
    周囲の人間たちが首切りを見に来たが銃殺だった際の反応の方向性の異常さ。が印象に残りました。

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    2024年03月30日
  • 故郷/阿Q正伝

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    「故郷」からは自らのエッセイ風としての瑞々しさ,「阿Q正伝」は自らとは違う者の悲劇的展開の技術が見出せる。なお,Bokklubben World Libraryには,本短編集の変わり種である「狂人日記」が選出されていた。

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    2024年02月28日
  • 故郷/阿Q正伝

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    学生の頃教科書で読んだ時はあまりおもしろいと思わなかった魯迅
    中国史や中国語を勉強し始め、中国の時代や文化に少しイメージがついてから読むと、心にぐっときました。

    清朝末期から中華民国へ。
    いつの世も時代の転換期は厳しいです

    「故郷」にでてくる、コンパス!
    中高生の頃?に読んで印象的だったのを数十年の時を経て思い出しました

    訳者あとがきの翻訳に関する文章がとても興味深く、私もいつか中国語で読めるようになりたいなと思いました

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    2024年02月26日
  • 阿Q正伝

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    最初は立派な人物の伝記と思いきや、いい加減で無知でどうしようもない男の話が始まる。皆に馬鹿にされてもある意味強メンタルの持ち主。
    最後の方になんかよくわからないうちに終わりを迎えるのだが、背景を知らないと呆気ない印象。
    もう少し、ストーリーだけで面白いと良いのだが

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    2023年12月07日
  • 故郷/阿Q正伝

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    ネタバレ


    魯迅 故郷

    中学生の時に教科書に載っていた小説で、
    大人になってからもう一度読みたくなり購入。

    短編集なのにこれしか読まないからずっと積読。


    子供の頃と大人になってからでは

    見える景色がまるで変わってしまう。


    わびしい気持ちに浸かってしまう、でもそれたまらなくが良い。

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    2022年11月19日
  • 阿Q正伝

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    呉下の阿蒙の故事も絡めてあったんだなと、思いながらも「男子3日あわざれば刮目して見るべし」が、阿Qが成長するのではなく、阿Qの立場や財産で世間の阿Qを見る目がどんどん変わっていく所に人間の恐ろしさと、自分への戒めも感じた。自分も阿Qになるかもしれないし、阿Qを見る周りの人になるかもしれない。昔はワイドショーや写真週刊誌。今はSNSなどで、面白半分に人をつるし上げる。自分だって金持ちや偉い人を見れば、それだけでその人を判断してしまうし、阿Qのように、自分の才能に似つかわしくない金や名誉を求めてしまう。今風に言うと承認欲求だが、しかし結局誰も他人には興味はなく、他人の動向は単なる暇つぶしでしかない

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    2022年03月21日
  • 故郷/阿Q正伝

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    中国を代表する作家って、どんな感じなんだろうと思って購読。代表作である「狂人日記」「阿Q正伝」のほか、短編が収められている一冊。どの本も、一般大衆の愚鈍さ、未開さ、卑屈さなどがこれでもかというほど描かれている。それを、都会を経験したものが冷ややかな目で見たり、狂人扱いされている男が警戒しながら描いたりしているが、その本人も、その性質を持っている。自己矛盾や葛藤に加え、日本人にもありがちな自虐性が垣間見え、何やら共感めいたものを感じる。魯迅の作品は、日本の含む東アジアでよく読まれているようだが、この精神性を理解しやすいからなのかも。

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    2021年11月09日
  • 酒楼にて/非攻

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    悪くないが、期待したほどでない。当時の魯迅が置かれていた状況をよく理解していないと、十分には楽しめないのかも。

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    2021年08月16日
  • 故郷/阿Q正伝

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    なんかねー、こう、蟹工船的な、もしくはレミゼ的な匂いがね、するよね…貧乏ってつらい。
    ただこちらは革命が理想も信念もなく、美しくもないところがリアルで好感が持てる、私には。
    かろうじて共感できるのは『藤野先生』、面白かったのは『吶喊 』の自序と『狂人日記』。

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    2021年03月28日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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     標題の「阿Q正伝」は、阿Qと呼ばれる名前もはっきり分からない、行状もはっきり分からない、当時(1920年頃)の中国の最底辺で暮らす、家も無い、家族も無い、日雇労働者で稼いだ金は全て飲み代に使ってしまうような男が主人公。
     皆から馬鹿にされ、しょっちゅう殴られているのだが、変なプライドがあり、例えば殴られた時でも「息子に殴られたようなものだ」とか「我こそ自分を軽蔑出来る第一任者なり」などと考え、自分を納得させて、殴った相手よりも意気揚々とその場を立ち去る。
     しかし、自分よりも見すぼらしい者や女性のことは軽蔑している。
     ある時、その町に革命軍がやってきた。その革命軍が町の有力者を怯ませたと聞

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    2021年02月26日
  • 阿Q正伝

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    こうした生活や考え方が当然、という時代があったのだなと思うとなんとも言えないような気持ちになる短編が多かった。そこに風刺が反映されていると言われると、当時の歴史や民族性といったところの理解が不足しているのか、難しく感じたのが正直な感想だった。

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    2020年03月14日