品川亮のレビュー一覧

  • 鏡の男 (上)

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    ある雨の朝、ストックホルムの公園でジャングルジムに吊された少女が発見された。現場に駆けつけた国家警察刑事ヨーナ・リンナは遺体を一目見て驚愕する。彼女は五年前の誘拐事件で行方不明となった被害者だった……。警察は監視カメラの映像から、現場近くで犬を連れていた男の逮捕に踏み切る。強引な取調べがおこなわれるが、その男・マルティンは精神病を抱えていて供述は要領を得ない。だが、警察内で唯一マルティンを目撃者だとみなすヨーナがエリック・マリア・バルクのもとで催眠療法を試みると、途端に彼は饒舌になりある名を口にする──。

    シリーズ第8作。
    「正しいのは私でしたね」ヨーナのセリフと久しぶりに出会ったような気がする。それとも見落としていたのか。下巻に続く。

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    2023年06月08日
  • 墓から蘇った男(下)

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    あまりに多くの方がなくなっていくので、シリアルキラーのモンスター感が返って薄れ、薄味になったのでは。こんなにすぐに辿りつけるもんですかね。そして老人のよう、って表現なのにあまりに万能すぎて、引くレベルです。それなのにちょっとあっけない。冗長な描写もあり、かなり満腹気味。

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    2022年05月30日
  • 墓から蘇った男(上)

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    久しぶりのこの感覚!超人?と言わざるを得ないようなスーパーサイコパスシリアルキラーの登場に、北欧ミステリーの真髄を見ました。とことんやってくれます。途中、誉田哲也氏の作品で見たようなグロ描写が出てきて打ち震えましたね←病気。これ、結末来るの?と思いつつ上巻終了。

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    2022年05月29日
  • 美しい純喫茶の写真集

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    写真集と謳っているだけあり、すべての店をフルカラーで見られる。こじんまりと古びた雰囲気で気づかず通り過ぎそうな外観。扉を開ければ、奥には細部まで店主のこだわりを感じる美しい空間が広がっており、外観と内観のギャップに驚かされる店が多かった。実際に足を運ぶなら、私はダークブラウンを基調とする落ち着いた雰囲気の店を好むが、写真として見る分にはどれも素敵。ひと口に純喫茶といっても雰囲気が様々で楽しい。

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    2022年04月25日
  • 墓から蘇った男(下)

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    その怪物は、ひとの人生を破壊し、犠牲者からすべてを奪った。その魔の手はヨーナに及んだ。ヨーナは、妻スンミと娘のルーミを守るため彼らが亡くなったと見せかけ、高い代償を払った。一方、怪物の捜査に覆面捜査官として携わった公安警察の警部サーガは、父と和解し、腹違いでダウン症の妹ペレリーナに愛情を注いでいた。そんな矢先、パトロール中のヨーナに、国家警察長官カルロスから、ドイツ連邦刑事庁の警部が連続レイプ魔の死亡事件について大至急連絡を取りたがっていると電話が入る――二人の軛は断ち切れるのか?

    読後、叫びたくなります。間違いなく。

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    2022年03月08日
  • 墓から蘇った男(上)

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    オスロの集合住宅の住民から悪臭の苦情が寄せられ、警官が向かった先には、腐敗が進行し、腹部を膨張させ両足の開いた男の死体があった。一地方警察官として勤務し、数週間後に警察庁の警部に復職することになっているヨーナのもとに、色を失った監察医ノーレンが訪れる。死んだ男の冷凍庫には多数の切断された人体のパーツがあり、その中に亡くなったヨーナの妻スンマの頭蓋骨があったというのだ。スンマの墓が荒らされたことにショックを受けるヨーナは、かつて対峙した怪物の狂気に満ちた記憶を蘇らせる……。

    シリーズ第7作。版元が変わって、次々と翻訳が出るのは、本当にありがたい。凄惨な描写を振り払うかのような物語の推進力は健在。

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    2022年03月07日
  • 美しい純喫茶の写真集

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    写真集の感想ではないですが、
    熱海の「サンバード」が
    特に魅力的だと思いました。
    海を眺められる純喫茶って素敵...!

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    2022年03月15日
  • スティーグ・ラーソン最後の事件

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    ミレニアムの著者が残した1986年のスウェーデン首相の暗殺事件に関する調査資料をもとに著者がその真相に迫る。異なる2人の仮説、スウェーデンの極右主義、南アフリカアパルトヘイト問題等々。

    ミレニアムは小説ではあるが、著者が身を置いていた極右勢力に対するジャーナリストという立場をそのまま活かしたものだと理解できる。

    ノンフィクションではあるが、良質のミステリ。

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    2021年10月20日
  • いくつもの鋭い破片 上

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    猟奇殺人が大きなストーリーではあるけれど、舞台となっている80年代の空気感が興味深い。主人公たちはセレブの子息たちなので共感はしづらい。のぞき見的に。

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    2026年06月22日
  • 蜘蛛の巣の罠(上)

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    ヨーナ・リンナシリーズ。前回宿敵のユレックを倒したとばかり思っていたが、今回は、彼を上回る残虐な方法で警察上級職の者が殺され、犯行の前にそれを示唆する小包がサーガの元に届く。犯人はユレックの信奉者なのか、兎に角犯行が残虐なので少し気持ちは萎えた。

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    2025年04月05日
  • 蜘蛛の巣の罠(下)

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    ネタバレ

    主要人物的な人たちがあっという間に死んでいったな。まさかユレックからの新たな殺人犯が現れるとは。けどマーラも捕まったし…次はどうなるんだろ??

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    2024年08月31日
  • 美しい純喫茶の写真集

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    昭和遺産、その通り。なかなか一見では入りづらいような喫茶店。味わい深いとも言える。近所にもあって、気になってはいるけれど、なかなか行くことのない喫茶店があるなあ、と読んで思った。

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    2024年03月07日
  • 墓から蘇った男(下)

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    ネタバレ

    ユレックは今度こそ死んだ。サーガも?助かるのかな?
    手首切ったの病院だしな…
    今度はビーバーがヨーナを狙うの??
    どーなるのー??

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    2023年10月27日
  • アウシュヴィッツを描いた少年 僕は銃と鉄条網に囲まれて育った

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    第二次世界大戦中ドイツの沿岸の町で医師の父親と母親のもと、のびのびとした子ども時代を暮らしていたトーマスだったが、ヒトラーの台頭とともに母親と祖父母の暮らすベルリンへ移った。父親はイギリスへ渡り二人を呼び寄せる手続きをすることになる。しかし、やがてベルリンのユダヤ人はすべてナチスに捕まり、トーマスと母親はアウシュビッツへと送られる。13歳で母親とも離され過酷な収容所を生き抜いたトーマスの記録。いくつかの収容所を移動させられるも、連合軍による解放の日までを生き抜く。解放後しばらく自治区となっていた収容所で、自分たちの体験を記録しておこうと絵を描いた。
    スイスでの療養を経て、16歳でイギリスの父親と再開できたという。残念ながら、母親はアウシュビッツで亡くなっていた。イスラエルの建国と共にイスラエルへ渡ったという。
    思い出すのもつらい体験を、詳しく綴ったトーマスさんに事実を伝えなければいけないという使命を感じた。

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    2023年08月29日
  • 鏡の男 (下)

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    さすがに今回は、先が読めてしまった。それでも結末まで目が離せません。
    さらっとした描写だが、もしも映像化したら、R18+は確実でしょう。

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    2023年06月14日
  • 鏡の男 (上)

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    いつもこの作家さんの残酷なシーンには吐き気がする。監禁シーンも殺害シーンも毎回気分悪くなるけど、読み進まずにはいられない中毒性を持っている。今回は娘を亡くしたパメラに感情移入して彼女の目線で事件を追っている。そのリアリティがページを捲る背を押している。

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    2023年03月25日
  • 〈帰国子女〉という日本人

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    ☆外務省領事局政策課「海外在留邦人数調査統計」
    ☆「帰国子女」といえば、なにはともあれ「語学堪能」というイメージを抱かれるでしょう。裏を返せば、外国語ができなければ「帰国子女」である意味がないということにもなります。しかし実際には、ここまでお読みいただいた方にはご理解いただけたかと思いますが、「人それぞれ」なのです。「帰国子女」の中にも、外国語ができる人とできない人、できる人の中にもレベルの差がありますし、できる人が使える言語もさまざまです。

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    2022年11月20日
  • 墓から蘇った男(下)

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    ヨーナのシリーズもの。沢山の人が殺されて事件は解決されるが、ここまで色んなキャラを構築してきたのに、あっさり殺すかなぁ?と逆に心配。閉所恐怖症にはおすすめしない。

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    2022年05月31日
  • 墓から蘇った男(下)

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     このシリーズを最後まで読みたい気持ちと、犯罪の残忍さが安易に増幅する物語への嫌悪感とが擦れ合うような読書体験を本書はぼくにもたらし、素直に人に勧められるかどうか自信を失いつつある複雑な心境の作品であります。

     以上の段落は、ラーシュ・ケプレルの前作ヨーナ・リンナ・シリーズ第6作『ウサギ狩り人』に関するぼくのレビューのエンディング。上の段落が、今回の新作に対するものにそのまま当て嵌まってしまい、それ以上でもそれ以下でもないところが、何とも残念。

     例によって例により、過去作品のあの日あの時、死んだのか生き延びたのかわからないエリック・マリア・バルクの影が作品全体に投じられる。そうあのハンニバル・レクター博士を彷彿とさせる万能的な悪のコンダクターだ。なので本作はサーガとかシリーズであるというよりも、連続した大きな長編作品の一章というイメージが加速度的に強まってきたように見えてきた。従って本書を最初に手に取った読者には、物語の展開や過去事情を含め、人間関係やシチュエイションが全くわからないだろう。そんな方たちにこの手の作品は一体どう受け取られるのだろうか? また、それで良いのだろうか? 

     かく言うぼく自身、前作までの人間関係図の過去の経緯のすべてを完全記憶しているわけでもないので、過去作に叙述が及ぶシーンの頻繁さは、かなりストレスを感じた。本来、シリーズぶっ通しで読んで初めて完全な面白さが得られるような造りなので、間を空けたり、途中を抜いたり、途中から読み始めたりでは、どの作品においても多くの部分がわかりにくい、あるいはまったく理解不能に陥るだろう。

     以上の事情もあっての、訳者を変えてでもトライしてみせた、5か月目という異例の早さでの続編出版であったか? とは、深読みに過ぎるだろうか。

     それでもスピーディかつショッキングな展開の多いバイオレンスの連鎖と、捜査側・犯罪者側間の駆け引きのスリリングさで、ページターナーぶりを失わないでいる筆力は流石と言わざるを得ない。

     個人的には過去作や次作に引き継がれる点が多いことで、本書単独での評価がし難いという、生殺しに近い状況を押し付けられるタイプのこの手のシリーズはあまり好みではない。最近富みにスウェーデンを中心とした北欧ノベルに於いて、単独作品としての価値を失ってしまっているシリーズ作品が多いことに、少なからぬ抵抗を覚えつつ、何ともたじろいでいる次第。

     とは言え、あと一作。本作で決着のついたあの人のことを背後に置いて、本作前篇をその個性で主に牛耳っていたもう一人のあの未決着な人物との最終ラウンドを何とか早めに見せてもらわないことには寝覚めが悪い。じりじり、ひりひりとするエンディングに、眠れなくなりました。

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    2022年03月27日
  • 墓から蘇った男(上)

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     このシリーズを最後まで読みたい気持ちと、犯罪の残忍さが安易に増幅する物語への嫌悪感とが擦れ合うような読書体験を本書はぼくにもたらし、素直に人に勧められるかどうか自信を失いつつある複雑な心境の作品であります。

     以上の段落は、ラーシュ・ケプレルの前作ヨーナ・リンナ・シリーズ第6作『ウサギ狩り人』に関するぼくのレビューのエンディング。上の段落が、今回の新作に対するものにそのまま当て嵌まってしまい、それ以上でもそれ以下でもないところが、何とも残念。

     例によって例により、過去作品のあの日あの時、死んだのか生き延びたのかわからないエリック・マリア・バルクの影が作品全体に投じられる。そうあのハンニバル・レクター博士を彷彿とさせる万能的な悪のコンダクターだ。なので本作はサーガとかシリーズであるというよりも、連続した大きな長編作品の一章というイメージが加速度的に強まってきたように見えてきた。従って本書を最初に手に取った読者には、物語の展開や過去事情を含め、人間関係やシチュエイションが全くわからないだろう。そんな方たちにこの手の作品は一体どう受け取られるのだろうか? また、それで良いのだろうか? 

     かく言うぼく自身、前作までの人間関係図の過去の経緯のすべてを完全記憶しているわけでもないので、過去作に叙述が及ぶシーンの頻繁さは、かなりストレスを感じた。本来、シリーズぶっ通しで読んで初めて完全な面白さが得られるような造りなので、間を空けたり、途中を抜いたり、途中から読み始めたりでは、どの作品においても多くの部分がわかりにくい、あるいはまったく理解不能に陥るだろう。

     以上の事情もあっての、訳者を変えてでもトライしてみせた、5か月目という異例の早さでの続編出版であったか? とは、深読みに過ぎるだろうか。

     それでもスピーディかつショッキングな展開の多いバイオレンスの連鎖と、捜査側・犯罪者側間の駆け引きのスリリングさで、ページターナーぶりを失わないでいる筆力は流石と言わざるを得ない。

     個人的には過去作や次作に引き継がれる点が多いことで、本書単独での評価がし難いという、生殺しに近い状況を押し付けられるタイプのこの手のシリーズはあまり好みではない。最近富みにスウェーデンを中心とした北欧ノベルに於いて、単独作品としての価値を失ってしまっているシリーズ作品が多いことに、少なからぬ抵抗を覚えつつ、何ともたじろいでいる次第。

     とは言え、あと一作。本作で決着のついたあの人のことを背後に置いて、本作前篇をその個性で主に牛耳っていたもう一人のあの未決着な人物との最終ラウンドを何とか早めに見せてもらわないことには寝覚めが悪い。じりじり、ひりひりとするエンディングに、眠れなくなりました。

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    2022年03月27日