松素めぐりのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
かねやま本館に呼ばれた気がして、二巻を。一作目を読んだのは二年半ほど前だった。
改めて読んでみると、「一日一回五十分、有効期限一ヶ月」、そして二度とは来られないという制限は、なかなかシビアに感じられる。でもそれは今もう四十代だから、「そんなんじゃこの積年の疲れは取れないよ〜」と感じてしまうだけで、もし中学生のときに出会っていたら、素直にそうかと受け取っていたのかな。
指定されたお湯に入ると、毛穴から何か悪しきものが出ていくような感じがして、そして黒い煙がわきたって胸を重たくしていたものの姿が見える。そして白い手ぬぐいに、お湯の効能を示す言葉が浮かび上がる⋯⋯。湯上がり後の休憩室では、ちょっとした交流と、おいしいおにぎり、お茶。
そんなふうに上手に休息ができて、その効果を実感するという経験を、若いうちにすることが大事なのかもしれない。疲れてるのがデフォルト?みたいになっちゃうからな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこんな温泉あったらいいなぁ。
ファンタジーだとしても、こんな温泉があるかもっていう気持ちで学校生活を送れたら楽しいだろうなぁ!
佐藤まえみこと「サーマ」は小学校時代を新潟で過ごし、親の転勤で中学校からは東京で新しい生活をスタートさせることに。彼女は持ち前のキャラクターで小学校では人気を博していたが、中学校ではどうにも上手くいかず、挙句の果てに同じグループの女子から「サーマって、ちょっとしんどい」と言われ無視されるようになってしまう…
まえみは学校に通うのがしんどいものの、兄慈恵も東京で不登校になってしまい、親の悩みの種を増やさないように踏ん張って学校に行くことに。しかし教室に着いて、同じグループだった彼女たちからの視線を感じると腹痛が彼女を襲い、保健室に行くことに…。
そして保健室に向かうまえみだったが、通常の保健室の戸を開けようとすると、見た事のない第二保健室から山姥のような先生に声をかけられそちらに向かう。そこは異臭が漂い、ベットのカーテンを開けると床下の世界に繋がる入口が存在していた。山姥こと銀山先生はまえみに休息が必要だといい、床下世界に行くことを勧める。
まえみも意を決して床下世界の入口飛び込むと、そこはなんと旅館だった!!その旅館にはおかしな温泉たちと、優しい人々、そして変わったルールがあった…
果たしてまえみは直面している問題を解決できるのか。そしてこの旅館は一体??
この本を読んで、休息や自分を見つめる時間の大切さをつくづく感じた。自分を客観的に見せてくれる温泉の効能は、まえみだけでなく読者にも問題提起をしてくれている気がして、自分自身を見つめ直すきっかけになった。
そして好きなシーンは、やっぱりラスト!
床下の旅館よりも美しい結末を見せてくれた本作は、現実も捨てたもんじゃないよ!!と読者を励ましてくれること間違いなし。
シリーズ作品なので、読み進めていきたいなぁ。