上出遼平のレビュー一覧
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題名はコミカルだけど、全然コミカルじゃない話。
この本を読み終えた今、いろいろなことを考えさせられます。食べ物が題材のように見えるけれど、それとはもっと違った、本当に奥深いテーマや課題を考えさせられました。社会、文化、道徳、人種、宗教…
技術も文化も発展している日本に生まれて、日本で生きている自分にとっては、この作品中の人々の人生や境遇があまりにもかけ離れていて、まるで物語を読んでいるような気にすらなります。
どのエピソードも大小の衝撃がありましたが、ゴミ山のスカベンジャーのエピソードが1番心に響くものがありました。とても強く逞しく生きている彼ら。おそらく、住んでいる場所も、身なりもお金の稼 -
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今まで読んできた中で最高の旅エンタメ本。
素晴らしい山吹色の装丁と文字デザイン。
そのまま飾っておきたくなる。
上出遼平のユーモアがちょうど良いリズムで地雷のように爆発し、仲野太賀のほんわか元気少年の抜け感が旅行のウキウキ感を余すことなく伝えていて、阿部裕介の明らかに変なキャラとタオパニのような温かさを放つ写真がこの物語を芳醇なものにしている。
アップルモモ食べてみたすぎる。
ヤクに顔を突き合わせてみたすぎる。
7000mの座を拝んでみたすぎる。
冷静に考えれば、高所で道のりも厳しい旅だけど、こんなにも旅に足を向けたくなる。
次はどこへ行くのか、
彼らの行先も気になりすぎる。
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Posted by ブクログ
旅のエンタメを堪能できる。
旅は人間性が色濃く出る。
もちろん一緒に暮らせばわかるだろうが、旅はもっと手軽だ。1週間もすればどんな人かわかる。
個性をうまく描いている本書はどうしようもなく面白い!!!
仲野太賀くんは想像通り笑い上戸でかわいい。
上出さんは考えすぎなところもあって、人を妬む。
阿部ちゃんは素直すぎて感情をコントロールできてないけど優しいしそれがいい。
3人ってバランスがいい。
ズッコケ三人組を思い出す。
妙に均衡が保たれる。
この旅に阿部ちゃんがいなくなるとどうなるのだろうか。
少し非常識存在として扱われているが、阿部ちゃんがいないといい旅になっていないのかもしれない。
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Posted by ブクログ
読んで追体験する旅行記という本が好きなのです。仲の良い2、3人がおもしろおかしく旅する様子を読んでいると、いいなあと思う。
何よりも、ヨーロッパだとかニューヨークだとか、洗練されたカッコイイ街を歩くのではなくて、ネパールの山道を往くというのが、オトコ心をくすぐる。ネパールを歩くってだけで、なんか前途多難って感じかプンプンするじゃん。
食べ物とか大丈夫かと思ったりするし、まさに冒険だよね。読んでたら、チャイとヒマラヤの甘露「アップルモモ」(たびたび仲野太賀君が「うめぇ、うめえ」と連発する)を食べたくなったよ。
━旅は朝!
「旅を充実したものにするための鉄則は、一にも二にも早起きである。早い時 -
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写真も、御三方の人柄も、旅路も出会う人々も何もかも最高だった。自分ではきっと見れない景色をまた見せてもらったし、自分ではきっと友達になれないような人達のことを大好きになった。
男3人旅の空気感は、私はどうあがいたって経験できないものだろうから間接的に楽しむことが出来て嬉しい。
人としての愛らしさ溢れる仲野太賀から目が離せない。本を読んで俳優さんのことを好きになるなんて意外な出会い。一冊の本と数枚の写真だけでばっちり絆されてしまった。写真でもずっと子供のように二カッと笑っていて、「顔でやってきていない」のは事実なんだろうけど人柄が顔に染み渡っており魅力的すぎる。
阿部ちゃんもものすごく魅力的 -
Posted by ブクログ
「ヤバイ世界のヤバイ奴らは何食ってんだ?
食は多種多様な生活の写し鏡だ」
紛争地、マフィアや薬物、スラム、カルト、ゴミ山‥人が住めるとは思えない“ヤバい場所”に、確かに生活があり、食事がある。
著者の上出さんが身を削って伝えてくれた血の通ったリポートは、事実であるということがどんな物語より心を揺さぶり、とんでもない衝撃を受けた。
取材慣れした住人が金銭を求めて案内を始める。
それでも、素の人間を撮ることをあきらめない。表層的な演出や見せ物ではなく、その奥にある本音と日常を引き出そうとする執念がすごい。
読んでいるうちに、自分の中の「正しさ」が揺らいでいく感覚があった。
戦う少年兵も、信