上出遼平のレビュー一覧
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今まで読んだことがないタイプの本。ビジネス書かと思いきやドキュメンタリー、そしていつのまにか小説に。文章が上手いので、所々怪しいとは思いつつ、途中まで小説だとは気づかなかった。
更に作中で出てくるドキュメンタリー映像のテーマが「死」なので、取材対象の話も心をえぐられるものばかりで、涙してたのに。途中から何を読まされてるんだ?という気に。
ビジネス書なんか読むより、何より大事なのは心だよ、と。「ありえない仕事術」というタイトルにも、なるほど、となった。
・手に入れるべきは幸せを感じる心
・誰のための仕事か、その仕事でどんな世界観を実現させるべきかを見失わない。
・入口は欲望によって開かれる -
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「上質な休憩をするために、過酷な旅が必要なんだ」
ネパール、ヒマラヤのトレッキングは、簡単にはできない旅だけれど、旅に対する考え方には共感できる部分がたくさんあった。
文章は軽快で、道中のエピソードからは3人それぞれの個性、バランスの良さがにじみ出ていて、読んでいて飽きない。
写真も豊富で、旅の臨場感がぐっと増している。
触って大変な目にあったという葉っぱの写真は、どう見ても触ってみようとは思えない見た目で、笑ってしまった。
影を巧みに取り入れた構図の写真や、淡いボケと独特の色合いも印象的だった。カメラマンとしての腕前はもちろん、フィルムにこだわるからこそ生まれる質感なのだろうか。多少荷物 -
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今年2度訪れたネパールのトレッキングルートでの出来事をありありと思い出す。ランタン渓谷に行ったわけじゃ無いんだけど、追体験している気分になれた。
ネパール、最高だったよな。
ヒマラヤの景色、気温、乾燥と土埃が引き起こす喉の痛み、馬やヤクの糞の匂い、タトパニのほのかな香り、ダルやモモの味、思いの外時間を要したトレッキングでシャリバテしてる感覚、最低限が最大限にあるキッチン、いろんな国の人がギュウギュウになって座るダイニング、日本人だけの空間なら起こり得ないストレスが常にある異国の密集空間、あまり綺麗では無いトイレ、水の有り難み、ロッジの布団の派手な模様、高山病の辛さと徐々に体調を崩していく感覚、 -
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誰しもが知らない土地に旅に出ることを心のどこかで思い描きながら日常生活を送っているんだろうなとぼんやり思っています。
日々の生活の中で今日も明日からもがんばらないといけない私には、1週間という時間に自分のためだけに使えるお金どちらも準備するのが難しい現実生活。でもそんなこと忘れてしまうくらいに彼らと共にネパールという見知らぬ土地を歩いているかの如く、食や文化、素晴らしい景色に出会える一冊でした!まさに至高のトラベルレコード!
疲れが溜まってきたらまた読み返したいこの男達の旅物語。
読書のお供にはぜひ、チャイ!もしくはタトパニ(白湯)で! -
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ネタバレ1部
フジテレビのスポンサー離れをニュースに触れるたび、大変だとか感じてたけど具体的にどんな影響があるか腹落ち感なかったけど、この本を読んでイメージが湧いた。
テレビのマネタイズの仕方みたいなのがわかって興味深かった。
2部
1部とがらっと話の進み方が変わって、ぐいぐい引き込まれていった。
小説として読んだんだけど、
どんどんと闇が深くなって
抜けられなくなっていった。
体が動かなくなって、生きてるまま棺桶に閉じ込められる恐怖と闇。
正義を間違い良くない方向に進んでいってしまう闇。
カミデが闇に入ってからの加速度がすごかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレネタバレ有。初見全く予測できない本。詳細を知らずに読んだ方が面白い。非常に面白いし革新的だった。読み通して感じたことは、筆者はこれに近い経験をしたのでは無いか、あるいはそう言った感情を常に持っていたのでないかと思わせられる。第一部は第二部を読んだ後もう一読してほしい、思わず笑ってしまうところがある(飲みは控えようの欄など、第二部の展開を予測させて面白い)第一部では実際に起こっている事象(実際売れたテレビ番組の話、オピオイドクライシスなど)をうまく混ぜて読者に『実際に起きている話』を布石に置き第二部へ繋げるのは新鮮だ。正直いうと二部も途中まで実話だと思ってた(前書きでの注釈に気づかなかった)酔っ
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Posted by ブクログ
同名のテレビ番組をNetflixで観て衝撃を受け、文章化が気になり手に取った本。
こんなに衝撃的な読書体験は久しぶりだ。
番組ディレクターである著者の上出さんは番組だと寡黙な印象だったがかなり筆が巧い。活字だととても雄弁な人だ。
そして番組で取り上げられていたのは実際の体験のほんの一部の切り取りに過ぎなかったのだと気付かされた。あの映像の背景にこんな濃厚なストーリーがあったとは…。映像だけでもかなりハイカロリーだったので、完全に胸焼けレベルの情報量。
卑近で月並みでかつ少しピントのズレた感想かもしれないけれど、今のこの平和な日本で平均的な所得水準の家庭に生まれたことがどれだけ幸運に恵まれた