掛川恭子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
昨年末、モンゴメリが書いたクリスマスにまつわるお話集を読んでから、アン熱が再燃しまして。私は短大の卒業論文で『赤毛のアン』を取り上げたぐらい、小さい頃からアン好き。論文の為に『赤毛のアン』はもう何十回と色んな人の訳で読んでいるのですが、実はその後続いてるシリーズには全然手をつけていなかったのです。綾辻さんのところでも書きましたが、好きな作品程読み進めるのがもったいないと思ってしまう為、2作目に取り掛かるまでに何年もかかりました(笑)。いやー、それにしても、期待を裏切らなかったわー、2作目。アンは1作目よりはオトナになったけれど、でも空想癖や肝心なところでやらかしてしまうところは相変わらずだし、語り口や行動も、やっぱり変わらずにアンなんですよねー。先が気になるとかどういう風に終わるんだろうとか、普通の小説は読みながらそういう事考えがちなのですが、アンシリーズに限ってはそういう事は一切関係なくって、もう純粋に読んでるのが楽しい!という感じ。読書を楽しむってきっとこういう事なんだろうなあ、という感じです。そしてやはり、訳は村岡花子が一番だ!もう浮気はしません。誓います。
-
Posted by ブクログ
最近邦訳された遺作『アンの思い出の日々』を除けば、これがアンブックスの中で最後に執筆されたもの。それぞれの短編ストーリーは小慣れたもので、楽しく読んだ。
ラストに向かってドロドロが激しい。
子どもの友達を選ぶこと、嫉妬するのはかわいいけれど、美貌はやっぱり正義で、そしてとにかく「わたしの勝ち!!」といわんばかりの叫び。
少女が叫ぶのではなくミドルにさしかかる女性が思うとこわい。
それが人生の真実だと、モンゴメリはたどり着いていたのだろう。
読み直しているとモンゴメリは暗い人だとなんとなく感じてはいたんだけど、その悲しみはここにきて頂点をある種迎えているのかも。
尾崎紅葉みたいな、感じ、大衆的という意味で。
残りの作品ものんびり読みます。 -
Posted by ブクログ
『アンの友だち』に続いて、アボンリーのユニークな村人たちのエピソードが、しゃれた筆致で綴られる。夫婦に、親子に、姉妹に、恋に恵まれずに晩年を迎えた人々に・・・頑なな人たちにつぎつぎ起こる15の愛の奇跡。愛の神は、誰をも謙虚で素直にさせる。好評完訳版シリーズついに完結。
9巻と同じ完全に短編集です。1つだけアンが語り手ですが、残りはすべてブライス家以外のお話。アンやギルバートたちのお話を求める方には物足りないですが、それでもアボンリーで繰り広げられるおかしい話、きゅんとする話、モンゴメリーの物語の幅が本当に広いことを実感します。一番好きなのはロバート兄さんのお話。地位や名誉ではなく、どんな風に生きるのかで人生は変わる。深いなあ。買った当時は唯一の完訳版という触れ込みでしたが、新潮から新たに『アンの想い出の日々』が出版されたので完全というわけにはいかなくなってしまいました。でも個人的には読みやすい訳、装丁ともに大好きなのは講談社版です。ぜひとも想い出の日々も掛川訳で読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
想像力豊かな少女アンを、あたたかく包み育んだアボンリーの村。そして、アンに負けず劣らずユニークな村人たち。頑固でプライドが高いけれども気のいい人たちが引き起こす、思わずほほえんでしまう12の「事件」。その結末に、愛の偉大さを感じずにはいられない。
アンの友だちと銘打ってはいますが、そこまで深い関わりの人は少ないです。アボンリーの村の噂話をふくらませたような感じで、アンやダイアナの話を期待しているとがっかりするかも。でもやっぱり、モンゴメリーの生き生きとして素敵なオチのついたストーリーは素晴らしい。リラの巻には全体的に悲しみがありましたが、今回はどれも笑いと喜びがあふれています。特にロイド老嬢と"かわいいアンジェリーナ"にぐっときました。人生にはこんな素敵な瞬間があるんだなと希望を持って前向きになれる。自分の信念を貫くことも素敵だけど、それを誰かのために役立てることができたらもっともっと色づく世界があるのでしょうね。 -
Posted by ブクログ
高校の若き校長になったアンは、海辺の町から、婚約者ギルバートに手紙を綴る。ふたりの未亡人たちの家"風にそよぐヤナギ荘"での楽しい下宿生活。地元の有力一族や年上の女教師の反発など、仕事のほうは前途多難だけれども、アンは諦めずに愛する生徒たちを教える。また、すぐそばの家に住んでいる小さなエリザベスのことも気がかりだった。サマーサイドでの3年間の記録。
ギルバートへの手紙と今までと同じアンの語りが交互に入る感じです。手紙も嫌いではないけれど、私はどちらかというと普通の文の方が好きかなぁ。アンが丁寧に書いたラブレターもちょっとは気になりますが・・・(笑)ギルバートからの返信もあったら良かったのに。
キャサリンと打ち解けたお話が一番心に残りました。人の心の奥底にあるものを直観的に見抜くアンの能力には脱帽です。すごいなぁ、こんな風に友人を増やせたら素敵だろうな。エリザベスの件は解決して良かったですが、結局どこで父親が心を決めたのか謎。なんで一度は帰ろうとしたんだろう? -
Posted by ブクログ
アボンリーの学校の教師になった16歳のアン。ギルバートや親友ダイアナたちと始めた村のささやかな改善運動や、家で預かることになった双子の世話にも追われる毎日。けれども「想像が開く王国」で心を遊ばせることは忘れない。生徒たちに教える中で、決して鞭を使わないと決めていたアンだったが、ある時かっとなって使ってしまう。意気投合したミス・ラベンダーの元婚約者の話を聞いて、アンはあることを計画する。
ギルバートと結構いい感じになるのかなと思ってたけど、それはまだ先の巻だった。まだ女の子同士の友情が中心。プリシアいい子だなー。1巻だとダイアナがほとんどですが、成長するにつれてちょっとだけ距離があいた感じ。ミス・ラベンダーがかわいいなあと、もう後半はニヤニヤしっぱなしでした。モンゴメリの描く女性たちは様々だけど、みんな生き生きしてて好き。現代のように自由な生き方が認められていたわけではなかったと思うのですが、自分にぴったりの居場所を見つけられたアンは幸せだろうなと思います。こんな風に想像力豊かなままでいられたら素敵。