あらすじ
あの頃大切だったもの。大人になれば何か起きると思っていた。――アボンリーの学校の教師になった16歳のアン。ギルバートや親友ダイアナたちと始めた村のささやかな改善運動や、家で預かることになった双子の世話にも追われる毎日。けれども<想像が開く王国>で心を遊ばせることは忘れない。少女から大人へ成長していく多感なアンを描く、講談社だけの完訳版『赤毛のアン』シリーズ全10巻の第2巻。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
青春時代を描く小説のほとんどは、彼らを大人へと成長させる印象的なきっかけとなる事件なり冒険なりを描くものだが、本作はそうではない。
アンが前作より遥かに大人っぽくはなっているように描写されるのは間違いないが、それは彼女が働き手となったことで、主に周囲が「大人とみなす」視点が反映されているのに過ぎない。
この巻のアンは青年期である。彼女を社会的に大人と扱う一種の外圧がたくさん働く。教師になり、まちづくりに参画し、双子の保護者的なポジションを分け合うことでマリラと対等な立場に引き上げられてしまう。一方で彼女の心は、前作の少女アンと断絶せずにほんの少しずつ変わっていくが、本作時点ではまだ、大人の女性としてのそれになりきらず、正しく青少年の少女なのだ。まだ自分自身の幸せや人生の展望も開けていない。
このゆっくりとした変化こそが本作を地味なものにしている反面(ギルバートと恋しそうにもならない笑)、アンのシリーズが読み継がれて然るべきな、他では読めない価値にもなっているように思う。いい本だなぁ。
Posted by ブクログ
青春っていうんだからギルバートとHAPPY ENDを期待したのになあ・・ち少し残念。
それでも相変わらず面白い。
外国作品でこんなにリラックスしてのびのびと読めたものは今までなかった。ミステリーばかりよんでたのもあるのだろうけど。
Posted by ブクログ
まだまだ若いアンが可愛い。
赤毛のアン時代よりは落ち着いてきていて、魅力的な女の子になってきたなあという感じ。
ギルバートとも仲良しでほほえましい。がんばれギルバート、負けるなギルバート。
Posted by ブクログ
アンがアボンリーで教師をはじめ、アボンリーで過ごす最後の日々、レドモンド大学へ旅立つ前を描いている。
前巻からアンは成長した部分もありつつ、要所でやらかしてくれるアンに和まされる。
【お気に入り】
◯ハリソンさんの牛を間違えて、アンが勝手に売却してしまう話は面白かった。
特にハリソンさんに謝罪しに行く部分で『処刑場に引かれていく人の気持ちが、いまわかった。』という表現は、いかにもアンらしく、言葉選びが秀悦であった。
◯モーガンをグリーンゲイブルズへ招く時の話。グリーンピースを調理しているとき、マリラ、アン、ダイアナ、みんな大さじ1杯の砂糖を入れて、激甘グリーピースを作る部分
◯こだま荘の話。様々なことが重なり、過去に別れたラベンダーとステファンが出会い、結婚する話。この話を聞くと運命というものは存在するのかなと思ってしまう。
赤毛のアンは、和やかな日常を描いている物語で、一見平和的で物足りなさを感じる。しかし、その一瞬一瞬の積み重ねが、アンの人物像や他の人物を作り上げ、その情報が自身の頭の中にも蓄積される。これは長編の醍醐味ではあるのだが、この点において、読んでいて飽きさせないのかなと思う。
残り、8巻もあるのだが、アンの人生を最後まで追い続けたいと思う。
アンとギルバートの関係はもどかしい限り!
【以下読書メモ】
145 アン
人間って自分を必要としている人を1番好きになるんじゃないかしら
473 ハリソン
何かが変わるということは、楽しいものではないが、大事なことでもあるんだ
➡︎変わることで失うものもあるかもしれないが、その失ったものよりも得られるものが多いのかもしれない。現在地に留まり続けるということは、得ることができたものを放棄し、失い続ける何かに気づくこともできないのかなと思う。自身の確信の部分は変わることなく、変わり続けることが必要かなと思う。
Posted by ブクログ
アンが先生として働く2年間の様子。まず16歳で先生をやることにびっくり。
マリラとアンの家にまさかの双子の子供がやってきたり、身近な人物が結婚したりダイアナが婚約したり…
最後はアンが大学に通い始める直前、彼女にもロマンスの予感を漂わせながら終わる。
Posted by ブクログ
赤毛のアンシリーズ2冊目。16歳で学校の教師として働き、双子の世話をやき、村の改善運動を行う。マシューと突然の死やマリラの眼病があり、学校の教師の道を選択したアンの2年間を
描いている。ハリソンさんやミス・ラベンダー、ダイアナの話など、少し成長したアンは未来の夫のことも少し頭に浮かんだりしてる。
周辺環境が変わり、大学にも行けることになり、アンの夢はますます広がっていくのですね
Posted by ブクログ
アンが心身ともに成長していた。
双子や生徒への接し方に、時折迷いながらも信念と落ち着きがあった。ギルバートとの今後がすごく気になる。
Posted by ブクログ
八月のある日の午後遅く、プリンスエドワード島にある農家の玄関先の赤い砂岩の階段に、やせて背の高い"十六歳半”の少女が腰をおろしていた。
アンが少し、おねえさんになる。
アンのおっちょこちょいが減った代わりに双子のかたわれ、デイビーがいろいろしでかしてくれる。
あとは素敵な友達が増えて、止まっていたように見えた運命が巡りくる。はっきり言って続きが読みたくなる第2巻。
Posted by ブクログ
少女時代とかわらぬアンの想像力に、
女性らしい優しさや知識が加わり、ますますアンが魅力的に描かれていた。アンに心を動かされる人間がたくさんいる中で、私もその中の1人になってしまった。ギルバートとのこの先が気になる…
Posted by ブクログ
アンの子ども時代の友達との楽しい時間をうらやましく
思って読んだ。無邪気だが自分のことをしっかり守れる
人だったのかと、改めて思った。
私の子どもの頃に読んでいればもっと違った
ものの見方が出来たかもしれないと反省ばかりだった。
Posted by ブクログ
昨年末、モンゴメリが書いたクリスマスにまつわるお話集を読んでから、アン熱が再燃しまして。私は短大の卒業論文で『赤毛のアン』を取り上げたぐらい、小さい頃からアン好き。論文の為に『赤毛のアン』はもう何十回と色んな人の訳で読んでいるのですが、実はその後続いてるシリーズには全然手をつけていなかったのです。綾辻さんのところでも書きましたが、好きな作品程読み進めるのがもったいないと思ってしまう為、2作目に取り掛かるまでに何年もかかりました(笑)。いやー、それにしても、期待を裏切らなかったわー、2作目。アンは1作目よりはオトナになったけれど、でも空想癖や肝心なところでやらかしてしまうところは相変わらずだし、語り口や行動も、やっぱり変わらずにアンなんですよねー。先が気になるとかどういう風に終わるんだろうとか、普通の小説は読みながらそういう事考えがちなのですが、アンシリーズに限ってはそういう事は一切関係なくって、もう純粋に読んでるのが楽しい!という感じ。読書を楽しむってきっとこういう事なんだろうなあ、という感じです。そしてやはり、訳は村岡花子が一番だ!もう浮気はしません。誓います。
Posted by ブクログ
アボンリーの学校の教師になった16歳のアン。ギルバートや親友ダイアナたちと始めた村のささやかな改善運動や、家で預かることになった双子の世話にも追われる毎日。けれども「想像が開く王国」で心を遊ばせることは忘れない。生徒たちに教える中で、決して鞭を使わないと決めていたアンだったが、ある時かっとなって使ってしまう。意気投合したミス・ラベンダーの元婚約者の話を聞いて、アンはあることを計画する。
ギルバートと結構いい感じになるのかなと思ってたけど、それはまだ先の巻だった。まだ女の子同士の友情が中心。プリシアいい子だなー。1巻だとダイアナがほとんどですが、成長するにつれてちょっとだけ距離があいた感じ。ミス・ラベンダーがかわいいなあと、もう後半はニヤニヤしっぱなしでした。モンゴメリの描く女性たちは様々だけど、みんな生き生きしてて好き。現代のように自由な生き方が認められていたわけではなかったと思うのですが、自分にぴったりの居場所を見つけられたアンは幸せだろうなと思います。こんな風に想像力豊かなままでいられたら素敵。