遠野遥のレビュー一覧

  • 改良

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    ネタバレ

    芥川賞作家のデビュー作。
    直前に同著「破局」を読んだからか、ある意味でテイストの不変さにびっくり。よくもまあここまで同様の文体で、書き切れるもんだと感心。

    よく言えばオリジナリティが確立されてて、悪く言えば驚きに欠ける。

    あらすじは女装を趣味とする主人公の日常。幼少期になし崩し的に同性から性的な虐めのようなものを受け、それとなく歪み、醜形に対して嫌悪を抱く男の物語。最終的にはまた同性からレイプされるのだから救いもない。

    個人的には風俗嬢へクレームの電話を入れるシーンが印象的。誰もが普段はまともな部類であるのに、何かの拍子でタガが外れるかの如く、狂気に満ちるというところがよく描かれている。

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    2025年09月17日
  • 破局

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    文体はすごく好みだった。

    メッセージ性なんてものは特に感じられなくて、
    ただずっと気味が悪かった。
    実際に彼から出力されている行動は善良であり、
    社会的にみて正しいことだが、
    それを決定させる機械的な考えが不気味だった。
    彼は、善悪の判断を全てを
    世間に委ねているように感じた。
    だから、彼は他人から向けられる
    悪意に鈍感なのかもしれない。
    そして自分の軸がないから、
    外部からの揺らぎに耐えられない。

    彼は空っぽなんだと思った。

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    2025年09月11日
  • 浮遊

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    さすが芥川賞受賞作家。すごく読みやすい文章だった。
    この本の目的やテーマが分かりづらくて、何か解決したいのか辿り着きたいものがあるのか分からないのが残念なポイントであり、魅力でもある。
    きっと主人公にとっては自分が幽霊でないことを自覚するのがゴールだったのかな?とちょっと思った。

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    2025年04月19日
  • 改良

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    淡々と描かれる美しさへの執念。
    他者の視線から自己を見つめ直すまでの変遷が見事。
    クソ男によってそれがもたらされたのはムカつくし、殺したくなるが。
    つくねの家へ歩く足取りは、清々しさすら感じた。

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    2025年03月25日
  • 破局

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    読んでいるうちに主人公と自分の中になにか違和感を感じた。それはゲームに出てくるNPCのようで、人間の皮を被った機械のような感じに思えた。
    とても上質な純文学だと思います。

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    2025年02月02日
  • 破局

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    芥川賞私小説シリーズ。
    こういうまったく共感でできない主人公の話を読めるのがシステム化してに本を読むいいところ。まぁ上手くいってるような人でも生きづらさを持っているという典型的な話。

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    2024年09月20日
  • 破局

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    ネタバレ

    社会規範に照らした価値観と行動に、適切な感情。
    主人公がAIのよう。
    AI彼氏の実験的運用とその末路、みたいな。

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    2024年09月17日
  • 破局

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    謎めいた感じの主人公で、感情を描写するのではなく、こうするべきだからこうする。というスタイルでした。
    実際にこういう考えで行動している人もいるのかもしれない、と数人の知り合いを思い浮かべました。感情を排除した小説として心に残りました。好みとしてはそんなに好きではなかったです。

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    2024年07月04日
  • 破局

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    気づいたら読み終えていた。引っかかる箇所があまりなく、深く読めていなかったのかも。
    時間を空けて、改めて読もうと思う。

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    2024年06月07日
  • 改良

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    幼少期の性の芽生えや裸を見られたくないという自意識から物語が始まっていき大学生になると健全に性的嗜好を消費し、美しくなりたいという願望から女装をする。努力をし若く美しい姿へと変われた矢先に理不尽な性暴力を受けるシーンは身も心もへし折られ、淡々とした日常を一気にひっくり返す。単純なルッキズム批判に終わってないところに読み応えがありました。

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    2024年05月11日
  • 改良

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    ネタバレ

    痛い表現を思い出して痛い気持ちのままで感想を書くことになったけれど、平野啓一郎さんの解説で腑に落ちたことが多くあった。自分の中の正義って、中にある分にはいいけど外に出すと誰かを傷付けるよね。あのラストに希望があるのかないのか、読み終わった自分がこの作品を良いと思ってるのか最悪だと思ってるのかも定まってない。とにかくインパクトはあった。他の作品も読んでみたい。

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    2024年04月27日
  • 浮遊

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    この方の作品の感想は本当に何と言っていいのか分からなくなる。特殊な環境でありながら、それでもその人にとっての日常が進んでいる感じというか。1人で喋り続ける女性の言葉とか、頬側の捲れた肉の破片とかよくそんな描写できるな、としみじみ思う。自分はなにも読み取れていないけど、きっと数十年後くらいにこの小説の一場面をふと思い出すのかもしれない。そ

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    2023年12月17日
  • 改良

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    美しくなることだけを求めていたのに…

    彼は、美しくなることだけに努力を払い、美容とデリヘルにのみ費やしていた。自分だけの満足で良かったのに。他人に見てほしい。認めてほしい。と思い始める。

    性をめぐる理不尽な暴力、ただただ追い求めたのは美しさだけなのに。

    淡々と描かれていますが、結構、生々しく、グロいところもあり、純文学ですが、ご注意ください(笑)

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    2023年08月29日
  • 浮遊

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    何が正解なのかも分からない……
    女子高生は会社経営の男の家で、何不自由なく暮らしている。夜な夜なホラーゲームで悪霊たちから逃げ、何がエンディングなのかも分からない。透明になり、誰にも気づいてもらえず、でも幽霊じゃない。現実なのか?ゲームの中の話なのか?

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    2023年08月14日
  • 改良

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    以前見たテレビ番組で、YOUさんが「よく『ありのままの私を愛してほしい』っていう女の人がいるけど、じゃあ畑から掘り出した泥だらけの大根を食べろって言われて食べますか? 手をかけて調理したものを食べたいでしょ? 努力って、大事よ〜。」と言っていたのがずっと心に残っています。どんな自分でありたいか、という方向は人それぞれ。タイトルが『改良』なのですから、良く変わっていく姿を描いているのだと思うのですが、共感できるポイントが見つかりませんでした。ただスリルを味わいたい訳でもなさそうだし… 自分の中の二面性を両方うまくやりたいなんて、幸せな証拠じゃないかな。私は自分ひとりさえ持て余しているのに。

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    2023年08月12日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    遠野さんの作品2冊目。
    めちゃくちゃするする読めた。(内容的にぬるぬる読めたって言いたい奇妙さ)

    生存してるのか死んでるのか、みたいな対比。

    会社経営してる人と付き合ってる女子大生の同棲?の日常、別れていないはずの元カノさんの存在、幽霊になって死ぬ前の記憶を探す「浮遊」ていうゲーム。
    リアルな人間の場面と、幽霊ゲームの場面が交互に描かれてる。全然区別できるけど、だんだん生きてる世界の場面でも「あれ、私の存在ってこの人にとって見えてないんじゃないか?」みたいな感覚に繋がっていて震えた

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    2023年06月18日
  • 浮遊

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    感想も出てこないし、ラストを読んでもだからどうしたのと思ってしまうんだが、なぜか惹き付けられる。
    本書が何を言いたいのかはさておき、内容そのものが楽しめたからだろうか。

    ふうかがやっているホラーゲームは怖いようで怖くないし、どちらかというとふうかの生活の方が怖い気がする。
    碧くんも良い人なんだろうけれど、ふうかの存在を隠しているし、どことなく冷たい印象も受ける。(ふうかの年齢と、碧とふうかの年齢差を考えると仕方がないのだが。)

    悪霊は成仏できないから悪霊と呼ばれるのだろう。ゲームの中では、普通の霊から悪霊へと変化していく設定だったが、これが本当だったとしたら嫌なものだ。ゲームの主人公はこの

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    2023年05月27日
  • 浮遊

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    曖昧な世界を漂い、不安に身を任せる感覚。ふうかと碧との関係性も謎が多く不気味。ゲームの中で生きるYUKIと黒田、序でにマネキンまでも境界線を突破してきそうな恐怖だ。

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    2023年05月20日
  • 浮遊

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    ダヴィンチ・プラチナ本から。色んなことが未解決に終わるから、そういう意味で純文学になるけど、感触としてはホラー。結構エンタメとして楽しめる。ゲームの中なのか現実の中なのか、一瞬見失いそうになる浮遊感が、なかなかクセになる。

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    2023年05月02日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    家出をしている(とはいえ父親と連絡はとっているし時々は帰る)女子高生が、かなり年上の恋人の家に転がり込んでいる。彼女はよなよな日本の東京を舞台にしたホラーゲームをしていて、ゲームで出てきた場所に足を伸ばしてみたりする。

    私はホラーゲームをしないので、そもそもこんな感じなの?というところからはじまる。遊び方がわからない。なんとなく進み、行き当たりばったりで、何度か死んだりしながら試行錯誤する。もう死んでるのに。
    それは彼女の生活そのものなのだろうか。

    ずっとそばにあってどうにもならないマネキンは倒そうにも倒せない敵そのものなのかな。あれをどうにかできたら世界は変わるだろうか。

    そういえば、

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    2023年03月05日