遠野遥のレビュー一覧

  • 吸血鬼

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    この世界とは社会システムがずれているけど微妙に同じところもある、すぐ隣の並行世界の話を読んでいるようだった。
    強烈な格差社会で女性は商品のように扱われていた。「おひつじ」が最上位ランクで、12星座の順にランクが下がるシステム。自分は「うお」かな、と思う。

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    2026年05月13日
  • 吸血鬼

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    ネタバレ

    著者の今までの作品は現代日本の普通の社会を舞台としていたのに、どうしてディストピアを描こうと思ったのか知りたい。
    白井先生は多分取っ替え引っ替えせずに一人の妻を大切にするタイプっぽいから有紗は幸せに(物質的には不自由なく)暮らせそう。

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    2026年05月08日
  • 吸血鬼

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    ネタバレ

    ​① 女たちが吸血鬼のような暮らしをさせられる。
    ​日光(紫外線) → 真実を白日の元にさらすことを意味する
    分厚いカーテンや日傘によって女性は真実を見えなくされている。
    美の基準がかわって日光を少し浴びた方がよいとされるが、日を浴びすぎると皮膚ガンやランク落ちの危険がある。
    (真実を知りすぎることは生命にかかわる。)
    ​② 男たちが吸血鬼のように生きている。
    ​「美しさ」「弱いものを守る」「社会の平和」「秩序」などと言いながら、恵まれた男たちが女性たちの「自尊心」や「時間」を吸血している。
    ​③ 最も悪質な吸血鬼「白井先生」
    ​一見、理解があるように思える白井先生。
    「自覚なき差別」と「無知

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    2026年05月06日
  • 破局

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    正しすぎて狂っている陽介の主観は、少し誇張しすぎで現実離れしているように思えたが、読み進めているうちに気持ち悪さに慣れてきて面白くなってくる。
    2人の女性が淡々と話をする場面が濱口竜介の映画みたいで良かった。

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    2026年04月28日
  • 破局

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    ネタバレ

    「悲しむ理由がなかった。悲しむ理由がないということはつまり、悲しくなどないということだ。」
    この1行があったから読んで良かった。

    不気味にはじまりそのまま終わり、不気味だと思えることに安堵した一冊。

    でも自衛のために規範にあてはめて考えて自分が相対的に幸福であると感じて胸を撫で下ろすことはわたしも何度もしてきた。
    「客観視できる」といえばそれはいいことかのようだけど、いきすぎた客観視の末路がこの物語なんだろうな。

    じゃあどう生きればいいんだろう。
    感じたままに好き勝手生きていいわけない。
    瞬時に「そんなわけない」と思うこれは、わたしが見事に社会化させてもらえて、生きやすくいられていること

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    2026年06月11日
  • 破局

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    第163回芥川賞受賞作。ふとしたきっかけで、この作品を知ることとなり、久しぶりに芥川賞作品の小説を読んだ。芥川賞の作品を読みまくっているわけではないのだが、なんか芥川賞っぽいというか、取るべくして取った作品な気がします。
    表向きには現代社会に適応しているまともな人間に見えるが、実は社会に適応していように演じている、ちょっとまともでない今風の現代的な人間を描いているって感じ。今の時代の純文学ってこんな感じなんだろうなと思いました。作者は、平成生まれではじめて芥川賞を受賞した人だそうです。
    純文学系の作品って、あまり小説的なストーリー展開はないのだけど、それでも小説として成り立たせてしまうのはつく

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    2026年03月21日
  • 破局

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    芥川賞受賞作品というのと、作品名で読もうと思った。
    最初はよく分からなかったが、読み進めていくうちに状況が理解できた。
    ところどころ?と思う文が挟まっている。違和感も覚える。主人公の感情がほとんど書かれていない。解説を読んでようやく主人公の性が分かった。
    彼ほどではないにしても、感情よりも理性を大切にする、男性の心理や特徴をよく捉えているのではないかと思う。

    お笑い芸人を目指す友人のキャラクターが好きだった。

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    2025年11月16日
  • 破局

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    歪で美しい物語
    ベンチ上のくたびれたトートバッグを「疲れきって眠った犬のよう」さらに「二人の飼い犬のよう」と繋げるシミリーにシビれた
    登場人物の描写も細やかでリアリティがある
    作品中に漂う独特の世界観
    これは芥川賞受賞も納得

    後に知ったがBUCK-TICKのボーカル櫻井敦司さんのご子息とのこと
    芸術性のDNA恐るべし

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    2025年10月12日
  • 破局

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    ネタバレ

    率直な感想は典型的な芥川賞作品。でも、これは作者の責任というよりは評価する側が「このぐらいの文量で、性について触れて、少し大衆とはかけ離れた感性を持たせた主人公で…」みたいな教科書的な感覚を植え付けてる気がしてならない。

    肝心の内容は色々批判的に書き始めたが割と好み。主人公の陽介はあくまでドライでどこか俯瞰していて、それでいてマジョリティな感性とは少し異なり、どちらかといえばサイコと捉えられるような大学四年生。

    麻衣子という完全無欠な彼女を手放してなんとなく灯を選んだりどこまでも読めない雰囲気がミステリアスで良い。

    ただ、テーマの一つに性欲が中心に据えられてる気がしたのと、ここまで無感情

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    2025年09月16日
  • 改良

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    ネタバレ

    ものすごいものを読んだと思った。
    文庫本を買って2年積んでいたけど、
    日帰り旅行の際に
    荷物が多くならないよう薄くてちょうどいいと
    思ってもってきて新幹線で
    読み始めたら止まらなかった。

    性描写が多くて、それが全く主人公の幸せに繋がっていなくて怖かった。
    凄惨な場面では主人公はいつも被害者だったけど、
    女性といるときの自分の加害性には無頓着で
    それも怖かった。

    ストーカーのような存在に怯える女友達に
    今日は一緒にいようと言って部屋に上がり込む
    図々しさ、
    使うかわからないけど、とコンドームを買う様子に
    腹が立った。
    それでいて自分が被害者の時は被害者然としていて
    多様性ってこういうことなん

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    2025年08月02日
  • 破局

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    本人が「気持ち悪い小説」(超意訳)と言ってた意味は分かる各章の繋がりをまだ見いだせてないけどそれでもラストの書き方はすごい実体験なんじゃないのか

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    2025年07月05日
  • 破局

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    ネタバレ

    本当に面白かった。俺が好きなタイプの文章だった。
    人間的であることを意識して、人間的なことを思考している、というふうな文体だった。

    性愛と恋愛は決して違う。灯は恋愛から性愛へと徐々に移行していったということができると思うが、彼の場合はどうだったのか。そもそも恋愛だったのか。でも、おそらく、愛ではあった。

    なぜこれを書いたのだろうか。思うままに書いたのだろうか。

    膝の、真に人間的な、ある種の美しさが彼との対比になっていてそこがとても好きだった。

    想像できないものが「破局」なのだと思うが、彼にとっての破局とはなんだったのか。

    p.105 「悲しむ理由がないということはつまり、悲しくなどな

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    2025年06月18日
  • 破局

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    何も考えず、欲のままに生きた結果。
    こういう人、きっとたくさんいると思う。こういうことをして、みんなが破滅するわけではないけど、誰もが破滅の可能性を抱えているのではないか。

    個人的に好きだったところは、ゾンビ映画をホテルで観るところ。映画を見始めないから、映画の人々はゾンビにならずに済んだ的な流れは、これから起こる破滅を防ぐためには、最初から始めなければいいということを伝えている気がした。

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    2025年05月13日
  • 浮遊

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    ゲームの中と現実が入り混じるような描写が好き。主人公ふうかの、大人らしさと子どもらしさの両方を求められて上手くコントロールしようとするところがちょっとしんどかった。

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    2025年05月06日
  • 浮遊

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    会社のCEOの彼氏がいながら、埋められない年齢差を嘆き、寂しさを誤魔化すようにゲームに没頭する高校生のふうか。ゲーム実況のような内容と、現実が混ぜこぜに描かれていて、現実味のない物語になっている。悪霊に取り憑かれ、何度もコンティニューすることで、ゲーム内のアバターの寿命が短くなっていくという設定だ。ゲーム内の彼女の家族は幸せそのものだった。しかし、父親の業績悪化で、一気に運命の歯車は狂い始める。曲のリズム、音程が崩れて不穏な空気になる感じ。ふうかに母親がいないのも、母親を求める記述があるのも、母親が自殺してしまったのだろうかと考えられる。Tシャツの太った男、黒田の痴漢の過去、ゲーム内で行われて

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    2025年03月28日
  • 破局

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    ネタバレ

    この作品は「現代の若者とは」という問へのひとつの解答であると感じる。語り手のシステマチックすぎる語り口に見え隠れする不安が、まるまる語り手と同世代の自分に重なると感じた。実存主義が形を変え文学として再び表出する作品がトレンドであるように感じるが、この作品は特にそれが色濃く出ているように思う。
    腹を満たすだったり、性欲を発散するという単純な3大欲求には正直なくせして、その他の複雑な欲求を理性や社会規範、また自らの肉体を檻とすることで抑制する姿は、自律的で厳しくあるように見えながら、思考停止で生きてゆけるように自分の能力不足を何かのせいにしがちな現代の若者を見事に表していると感じた。ただ、この小説

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    2025年02月28日
  • 破局

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    内面を晒さず感情に向き合わない代わりに、法律や規範にはどこまでも従う。
    他人と感情を共有することを避ける代わりに、身体の交わりには能動的。

    そういう在り方が「ハイスペック」な男性性をレプリゼントしてしまうのは、ちょっと病的なんだなと思う。

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    2025年01月05日
  • 改良

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    自己肯定感は誰の中にも存在するし、それを蔑ろにする想いも存在する。
    見た目?性質?価値観?倫理?
    他者に関係ない。
    改良する意義があると思うなら、すればいいし、周りの思惑なんてクソ喰らえだ。
    本来の姿がどんな姿だったのか。
    それは、己の中で決めればいいし、決めたら他者の納得に納得しないで貫けよ。
    改良と願望なんて誰だってあるぜ。

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    2024年11月10日
  • 破局

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    おもしろかった
    芥川賞をとった作品ということで身構えてしまったが全然読みやすかった。
    人間味のない感じに逆に人間味を感じた。

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    2024年11月08日
  • 破局

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    下品、下品すぎる笑笑
    クソ真面目な顔して下ネタぶっぱなしてるのなんなん、読んでて気が狂いそう笑
    誰かの視線を感じる描写が下ネタと同等に多かった
    登場人物全員マトモじゃない

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    2024年09月14日