遠野遥のレビュー一覧

  • 破局

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    主人公自身や、度々入ってくる場面描写がどこか奇妙。「何か違和感を感じる」小説は割と数があるけど、遠野さんの世界観は本当に独特で、違和感どころか確信的におかしい。その世界観にハマってしまって一気読みした。
    しかし、物語の一番の事件は、その主人公のおかしさは直接的に関係ない。自他のあくまで普通の感情に翻弄されてしまったという印象だ。
    トラブルというのは、誰かの持ちうるおかしさではなく、ごく普通の感情によって起こるのかもしれない。

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    2024年03月11日
  • 改良

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    ネタバレ

    短くて、話も淡々と進んでいくため一気読みしてしまった。とても面白かった。以前、『破局』を読んだがそれと同じようにですます調で話が進んでいったため、主人公の実際の喋り方とかなり異なり、すこし違和感を覚え
    た。
    つくねの「ブスじゃなかったらする必要なかったんじゃないかって」という言葉は重く響いた。私も日本で暮らしていてルッキズムに支配された国だと感じたことは何度かある。ブスだということが、悪であるかのように思えるこの国は異常だと感じた。
    最後、主人公が強姦まがいのことをされるシーンは、グロテスクだった。なぜあのナンパしてきた男はあそこまで怒っていたのかもわからないし、執着したのかもわからなかった。

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    2024年02月24日
  • 浮遊

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    全体的に、どこからが現実でどこからがそうじゃないのか分からないような不思議な作風なので、好みが分かれそうですが、私はそのふわふわした感じが逆に主人公や結末が気になりサクサク読めました。ちょっと奇妙で引き込まれるところがあるし、共感できる部分もあったので色んな意味で気になる作品でした。遠野遥さんの他の作品も読んでみたいです。

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    2024年02月14日
  • 改良

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    ネタバレ

    めくるページは決して軽くはない。
    気持ちは晴れやかになるどころか反対にどんより重くなるばかりで、主人公が凄惨なシチュエーションに陥るあたりからは特に読み進めるのが、しんどい。
    それは、描写があまりに直截的であり、剥き出しに過ぎるから、ともちろん言えるのだが、決してそれだけでなく、人により濃淡こそあれ、読者それぞれが"我が事"として自らを重ね合わせることになるからだ。
    自分の人生とはまったく関係がない、接点などなさそうな物語に見えたとしても、必ずどこかに自身の生にフックする要素が潜んでいる。
    そして心に引っ掛かってくるその何かは、読む人にとって決してポジティヴなものではなく、

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    2024年02月08日
  • 教育

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    教育=洗脳。自分で考えることを放棄して、命じられていることを淡々と行っていく。疑問を持つと苦しくなり落ちこぼれていく。この世界のわけのわからない設定が面白かった。

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    2023年12月14日
  • 改良

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    たまにいる「なにを考えているかわからない人」が
    どんなふうに見えてどんなふうに感じているのかが
    淡々と描かれている様がある意味でリアル
    誰しもの「自己中心的」で世の中が形成されている

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    2023年12月04日
  • 教育

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    正直、意味不明だけど設定でぶっ飛んでてわりと好きでした。
    続きが気になりすぐ読んでしまった。
    主人公が学校に従順すぎてイラッとしました。笑

    性的描写も淡々と書かれていたので、いやらしい感じはあまりしない。

    こんな学校嫌だ。

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    2023年10月20日
  • 教育

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    2日で読んだ。なんとも言えやん感情になった。
    物語の中に物語が差し込まれていて、一見関係のないように思えるけど、どこかで繋がってるんじゃないかと感じた。
    また感染症が流行していることや世間の声があることなどからは、どこか遠くの世界の話ではなくて、現在私が生きているこの世界とも通じた話なのかなとも思った。
    作者のインタビューも見たけど、なにか物語に直接的に通じるものはなかったけど、でも日常の中に物語に通じるものがまた隠されているんだなと思った。

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    2023年08月24日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    ゲームが現実とリンクしていくけど何の説明も無い。

    LINEが長文の父親。飼い猫を太らせてしまうし、キャットタワーが必要ないことにも気付かない。娘に対してもきっとそう。

    余裕を無くした碧くん、いい気味。

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    2023年06月08日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    20才も年上の恋人碧くんと暮らす高校生のふうか。暮らす部屋に残された前の彼女の作品ソファに寄りかかるマネキンが印象的。表紙絵にもなっている。
    あと主人公がどハマりしているゲーム、記憶を取り戻したい死人(主人公が操作)を襲う悪霊から逃げるゲームが、意味あるのかないのか謎だった。

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    2023年05月07日
  • 浮遊

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    今までで一番面白くないけど一番好き。主人公の悩み事が膝の傷跡くらいしかないし、さらに金銭面の余裕もあるというあたりから、体力を使わずに読むことができた。ストレスを感じることなく読めた。文章を素直に楽しむことができた。この物語の中で主人公は自分自身の未来のことを考えて不安になることがないというか、決して楽観的ではないのだけれどそれを考えることさえ思いついていないような感じがすごくよかった。幼く純粋な描写が淡々と続くのでスルスル読めた。また読む。

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    2023年03月29日
  • 浮遊

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    なんの話やねんとひたすらツッコミ続けるような内容がつらつらと書かれており、よくわからない内容ではあるけれど、面白かった。
    どこが面白いか述べよと言われても、よくわからないが。
    掴みどころのないふわふわとしたもののを表現した作品という意味でいえば、かなり考え抜かれているようにも思うが、いかんせん掴みどころがなさすぎて、狙いなのかどうかもわからず、それもひっくるめて「浮遊」ではないかと(とまとめてみる)。 ★4.0

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    2023年02月28日
  • 浮遊

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    着地点の見えないまま淡々と話が進む。地に足のつかない、まさにふわふわと浮遊する感覚が物語全体を覆う。会話すらも心ここに在らずの様な上辺だけの様な…。これぞ純文学って感じの作品。

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    2023年02月25日
  • 教育 試し読み増量版

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    とにかく特殊

    これは今までにない題材を用いていて、かなり衝撃を受けました。特にかなりオトナなキーワードが序盤から登場しているのと、人間の理想と欲の闘いが生々しく描かれているところは、この作品だからこそ表現できたのではないかと思います。いろいろなことについて問いかけられているような感じさえ覚えました。

    #深い

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    2023年02月01日
  • 浮遊

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    現実とホラーゲーム2つの話を交互に繰り返して物語が進んでいく。中でも抜け落ちた髪の毛について“人間の体のうち、本体から離れてしまったものはゴミになるのだろうか“ という問いが好きで作品の見方が変わる瞬間でもあった。

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    2023年01月28日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    ゲームや他人の状況の対になって、徐々に現実の自分の状態が幽霊に近づいている。

    お父さんは同じようなことばかり言って、まるでゲームの中の悪霊のよう。
    碧くんも最終的には同じ状態になり悪霊になってしまったように見える。

    その他の人にしてもふうかがそこに居ないように扱われ、存在感薄めに生活している。

    人間と霊の境界はなんだろう。
    それでも人間でありたいと思うのはどういうことなんだろう。と考えさせられた。

    理解を深めるために2回読んだが、もっと繰り返し読んで更に納得のいく解釈をしたい。

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    2023年01月28日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    ゲームと現実の世界がリンクして、自分は現実に
    いるのか、ゲームの中にいるのかと、錯覚してしまう、そんな状況になったことがありますか?

    本作は、ホラーゲームの中で、悪霊から逃げる主人公と、そのゲームをしている主人公のふうかが、意外なところでリンクしてしまう物語です。
    本作の主人公ふうかは、高校生なのだが、家出をして、自分より自分の親と年齢が近い会社経営の碧くんと、暮らしている。高級マンションで、柔らかいソファに座り毎夜ホラーゲームに勤しんでいる。
    そのホラーゲームの内容が、悪霊から逃げ続ける
    女性主人公の目線で、進んでいくRPGで、何回も、ゲームオーバーを繰り返しながら、コンテニューで再開して

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    2023年01月22日
  • 教育

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    4.1くらい
    装丁に惹かれて初めて手に取った遠野さんの作品
    初めてのってとこもあるだろうけどこれが1番好きかなあ
    文体が普段触れないタイプなので一瞬驚いたけど淡々とキモいことを書くのキモいな〜って思って個人的には好きだった、単純に読みやすいし
    挿入話も好き

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    2023年01月18日
  • 教育

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    ネタバレ

    私の頭ではこの話をまだ理解することはできなかったけれど、改良と破局よりは没頭できた。4章で20ページ以上にわたって催眠中の話が続いた末に、結局醒めないまま5章に入った時は「何だこれ」と笑ってしまった。

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    2023年01月16日
  • 改良

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    遠野さん、芥川賞作家ということでずっと読みたいと思っていたけど、へそ曲がりなので、代表作ではなく処女作から。
    この作品ではないけど、芥川賞を受賞したことに納得がいく。文学的。
    激しめな描写があるから絶対に無理だけど、国語の授業とかで扱えそうな書き方だなと思う。

    「美しくなりたい」ただそう思っている、男性のお話。
    美しくなるために化粧の勉強をし、自分が美しく見える服を着てウィッグをかぶる。
    淡々と進んでいくけど、最後は余韻とかなく、スパッと終わって解説にいく。
    解説で答えというか、模範解答?を見ている気分になった。何回か読まないと理解しきれないような気がする。

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    2022年10月11日