遠野遥のレビュー一覧

  • 破局

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    どこかでチラ見したこの本の感想に惹かれて一気に読んだ。いわゆる今の日本のいい大学の学生なんて大体こんなものだと思う。社会の一員として、自分がどう自分の頭で考え生き抜いていくのかを訓練されない日本だからこそ、こんな若者が量産され、日本は取り残されるのだ。それにしても、人生の破局っぷりが、脳天文字通りぶっ放されすぎる展開でした。

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    2024年09月13日
  • 改良

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    文体がとても美しい。水が滞りなく流れるような、そんなイメージ。最後の章は一気読み。暴行シーンもとても美しく感じたのは、この物語を語る主人公が「美しさ」だけを求めていたからか?
    平野啓一郎氏の解説もセットで読むべし、と思った。「納得」の文章世界を体験できた。

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    2024年08月31日
  • 改良

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    ネタバレ

    人はそれぞれに描き出したルールを持つ。それを自分自身や相手に強制することで納得させ、日々を送る。世の中には強制させられたらそれを受け入れてしまう人がいる。(私自身がそうであるように)これは社会的に問題視されるルッキズムや”普通”に対する考えにも通ずるところがある。世間一般的に言われる”普通は”という思想は人によって異なることがある。それを理解していながらも私たちはその普通を知らないうちに強制していたり受け入れてしまっていたりする。だからこそ、どこに自分があるのかが分からなくなってしまうのだと思う。 するべきはまず、自分の”本当”を知り、改良していくことなのかもしれない。 

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    2024年06月23日
  • 改良

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    『破局』に続いて二作目。
    こちらも大変面白かった。人に対する世間の外見の評価、とりわけ女性に対するそれは本当に厳しくそれが生きづらさに繋がるのは女性である私も私も身をもって体験するところである。
    美醜=人間の価値 に囚われていた主人公だが、その価値観から脱却できるのだろうか。

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    2024年06月05日
  • 改良

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    遠野遥さんの本を初めて読みましたが、とんでもなく
    引き込まれました。


    ものの2時間で読める軽さなのにまるで主人公の人生をすべて追体験したかのような読後感。本当に感動すら覚えました。


    ゆるやかに絶望しながら生きる大学生「私」の納得して生きる部分と、理不尽に納得させられる様を追っていく物語。


    男性であっても女装したい、美しくなりたいと願う「私」。それによる他者からの決めつけや性的暴行に抗えない「私」。その姿をみて我々、読者がなにを思うのか。

    それを静かに強く問われているような作品でした。

    まじでオススメです!

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    2024年05月25日
  • 改良

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    ネタバレ

    短くて、話も淡々と進んでいくため一気読みしてしまった。とても面白かった。以前、『破局』を読んだがそれと同じようにですます調で話が進んでいったため、主人公の実際の喋り方とかなり異なり、すこし違和感を覚え
    た。
    つくねの「ブスじゃなかったらする必要なかったんじゃないかって」という言葉は重く響いた。私も日本で暮らしていてルッキズムに支配された国だと感じたことは何度かある。ブスだということが、悪であるかのように思えるこの国は異常だと感じた。
    最後、主人公が強姦まがいのことをされるシーンは、グロテスクだった。なぜあのナンパしてきた男はあそこまで怒っていたのかもわからないし、執着したのかもわからなかった。

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    2024年02月24日
  • 浮遊

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    全体的に、どこからが現実でどこからがそうじゃないのか分からないような不思議な作風なので、好みが分かれそうですが、私はそのふわふわした感じが逆に主人公や結末が気になりサクサク読めました。ちょっと奇妙で引き込まれるところがあるし、共感できる部分もあったので色んな意味で気になる作品でした。遠野遥さんの他の作品も読んでみたいです。

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    2024年02月14日
  • 改良

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    ネタバレ

    めくるページは決して軽くはない。
    気持ちは晴れやかになるどころか反対にどんより重くなるばかりで、主人公が凄惨なシチュエーションに陥るあたりからは特に読み進めるのが、しんどい。
    それは、描写があまりに直截的であり、剥き出しに過ぎるから、ともちろん言えるのだが、決してそれだけでなく、人により濃淡こそあれ、読者それぞれが"我が事"として自らを重ね合わせることになるからだ。
    自分の人生とはまったく関係がない、接点などなさそうな物語に見えたとしても、必ずどこかに自身の生にフックする要素が潜んでいる。
    そして心に引っ掛かってくるその何かは、読む人にとって決してポジティヴなものではなく、

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    2024年02月08日
  • 改良

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    たまにいる「なにを考えているかわからない人」が
    どんなふうに見えてどんなふうに感じているのかが
    淡々と描かれている様がある意味でリアル
    誰しもの「自己中心的」で世の中が形成されている

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    2023年12月04日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    ゲームが現実とリンクしていくけど何の説明も無い。

    LINEが長文の父親。飼い猫を太らせてしまうし、キャットタワーが必要ないことにも気付かない。娘に対してもきっとそう。

    余裕を無くした碧くん、いい気味。

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    2023年06月08日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    20才も年上の恋人碧くんと暮らす高校生のふうか。暮らす部屋に残された前の彼女の作品ソファに寄りかかるマネキンが印象的。表紙絵にもなっている。
    あと主人公がどハマりしているゲーム、記憶を取り戻したい死人(主人公が操作)を襲う悪霊から逃げるゲームが、意味あるのかないのか謎だった。

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    2023年05月07日
  • 浮遊

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    今までで一番面白くないけど一番好き。主人公の悩み事が膝の傷跡くらいしかないし、さらに金銭面の余裕もあるというあたりから、体力を使わずに読むことができた。ストレスを感じることなく読めた。文章を素直に楽しむことができた。この物語の中で主人公は自分自身の未来のことを考えて不安になることがないというか、決して楽観的ではないのだけれどそれを考えることさえ思いついていないような感じがすごくよかった。幼く純粋な描写が淡々と続くのでスルスル読めた。また読む。

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    2023年03月29日
  • 浮遊

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    なんの話やねんとひたすらツッコミ続けるような内容がつらつらと書かれており、よくわからない内容ではあるけれど、面白かった。
    どこが面白いか述べよと言われても、よくわからないが。
    掴みどころのないふわふわとしたもののを表現した作品という意味でいえば、かなり考え抜かれているようにも思うが、いかんせん掴みどころがなさすぎて、狙いなのかどうかもわからず、それもひっくるめて「浮遊」ではないかと(とまとめてみる)。 ★4.0

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    2023年02月28日
  • 浮遊

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    着地点の見えないまま淡々と話が進む。地に足のつかない、まさにふわふわと浮遊する感覚が物語全体を覆う。会話すらも心ここに在らずの様な上辺だけの様な…。これぞ純文学って感じの作品。

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    2023年02月25日
  • 浮遊

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    現実とホラーゲーム2つの話を交互に繰り返して物語が進んでいく。中でも抜け落ちた髪の毛について“人間の体のうち、本体から離れてしまったものはゴミになるのだろうか“ という問いが好きで作品の見方が変わる瞬間でもあった。

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    2023年01月28日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    ゲームや他人の状況の対になって、徐々に現実の自分の状態が幽霊に近づいている。

    お父さんは同じようなことばかり言って、まるでゲームの中の悪霊のよう。
    碧くんも最終的には同じ状態になり悪霊になってしまったように見える。

    その他の人にしてもふうかがそこに居ないように扱われ、存在感薄めに生活している。

    人間と霊の境界はなんだろう。
    それでも人間でありたいと思うのはどういうことなんだろう。と考えさせられた。

    理解を深めるために2回読んだが、もっと繰り返し読んで更に納得のいく解釈をしたい。

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    2023年01月28日
  • 改良

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    ネタバレ

    3.8

    p62 美しくないことによって、人生のあらゆる局面で、死ぬまでずっと損をし続けるのだと思った。

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    2024年12月21日
  • 浮遊

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    ネタバレ

    ゲームと現実の世界がリンクして、自分は現実に
    いるのか、ゲームの中にいるのかと、錯覚してしまう、そんな状況になったことがありますか?

    本作は、ホラーゲームの中で、悪霊から逃げる主人公と、そのゲームをしている主人公のふうかが、意外なところでリンクしてしまう物語です。
    本作の主人公ふうかは、高校生なのだが、家出をして、自分より自分の親と年齢が近い会社経営の碧くんと、暮らしている。高級マンションで、柔らかいソファに座り毎夜ホラーゲームに勤しんでいる。
    そのホラーゲームの内容が、悪霊から逃げ続ける
    女性主人公の目線で、進んでいくRPGで、何回も、ゲームオーバーを繰り返しながら、コンテニューで再開して

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    2023年01月22日
  • 改良

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    死にたい時ってこう言う思考回路が形成されていると思う。自分のルールにそぐわないから端的に言って嫌になる。そしてある時は強制を受け入れようと努める。そこにあるのは感情ではなくこの状況を自分が受け入れるためだけの理由。また、それだけという訳ではなくて固定観念に縛られた偏った認識のために起こりうる判断による納得。
    難しい。

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    2025年12月08日
  • 改良

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    性の問題をここまで静かで逃げ場のない距離感で描く小説は珍しく感じました。
    主人公の“改良”への執着は禁欲的に見えて、その裏には性欲や異性装へのこだわり、承認欲求が濃く揺れています。
    バイト先と自室だけの狭い世界で、誰にも見られないまま自分を磨き続ける姿は痛々しく、羨望と空虚さが入り混じりました。
    完璧を求めるほど自分を見失っていく若さの“痛み”が乾いた文体に刻まれていて、読後に静かで重たい余韻が残る一冊です。

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    2026年07月28日