遠野遥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ短くて、話も淡々と進んでいくため一気読みしてしまった。とても面白かった。以前、『破局』を読んだがそれと同じようにですます調で話が進んでいったため、主人公の実際の喋り方とかなり異なり、すこし違和感を覚え
た。
つくねの「ブスじゃなかったらする必要なかったんじゃないかって」という言葉は重く響いた。私も日本で暮らしていてルッキズムに支配された国だと感じたことは何度かある。ブスだということが、悪であるかのように思えるこの国は異常だと感じた。
最後、主人公が強姦まがいのことをされるシーンは、グロテスクだった。なぜあのナンパしてきた男はあそこまで怒っていたのかもわからないし、執着したのかもわからなかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレめくるページは決して軽くはない。
気持ちは晴れやかになるどころか反対にどんより重くなるばかりで、主人公が凄惨なシチュエーションに陥るあたりからは特に読み進めるのが、しんどい。
それは、描写があまりに直截的であり、剥き出しに過ぎるから、ともちろん言えるのだが、決してそれだけでなく、人により濃淡こそあれ、読者それぞれが"我が事"として自らを重ね合わせることになるからだ。
自分の人生とはまったく関係がない、接点などなさそうな物語に見えたとしても、必ずどこかに自身の生にフックする要素が潜んでいる。
そして心に引っ掛かってくるその何かは、読む人にとって決してポジティヴなものではなく、 -
匿名
ネタバレ 購入済みとにかく特殊
これは今までにない題材を用いていて、かなり衝撃を受けました。特にかなりオトナなキーワードが序盤から登場しているのと、人間の理想と欲の闘いが生々しく描かれているところは、この作品だからこそ表現できたのではないかと思います。いろいろなことについて問いかけられているような感じさえ覚えました。
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Posted by ブクログ
ネタバレゲームと現実の世界がリンクして、自分は現実に
いるのか、ゲームの中にいるのかと、錯覚してしまう、そんな状況になったことがありますか?
本作は、ホラーゲームの中で、悪霊から逃げる主人公と、そのゲームをしている主人公のふうかが、意外なところでリンクしてしまう物語です。
本作の主人公ふうかは、高校生なのだが、家出をして、自分より自分の親と年齢が近い会社経営の碧くんと、暮らしている。高級マンションで、柔らかいソファに座り毎夜ホラーゲームに勤しんでいる。
そのホラーゲームの内容が、悪霊から逃げ続ける
女性主人公の目線で、進んでいくRPGで、何回も、ゲームオーバーを繰り返しながら、コンテニューで再開して -
Posted by ブクログ
遠野さん、芥川賞作家ということでずっと読みたいと思っていたけど、へそ曲がりなので、代表作ではなく処女作から。
この作品ではないけど、芥川賞を受賞したことに納得がいく。文学的。
激しめな描写があるから絶対に無理だけど、国語の授業とかで扱えそうな書き方だなと思う。
「美しくなりたい」ただそう思っている、男性のお話。
美しくなるために化粧の勉強をし、自分が美しく見える服を着てウィッグをかぶる。
淡々と進んでいくけど、最後は余韻とかなく、スパッと終わって解説にいく。
解説で答えというか、模範解答?を見ている気分になった。何回か読まないと理解しきれないような気がする。