遠野遥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ家出をしている(とはいえ父親と連絡はとっているし時々は帰る)女子高生が、かなり年上の恋人の家に転がり込んでいる。彼女はよなよな日本の東京を舞台にしたホラーゲームをしていて、ゲームで出てきた場所に足を伸ばしてみたりする。
私はホラーゲームをしないので、そもそもこんな感じなの?というところからはじまる。遊び方がわからない。なんとなく進み、行き当たりばったりで、何度か死んだりしながら試行錯誤する。もう死んでるのに。
それは彼女の生活そのものなのだろうか。
ずっとそばにあってどうにもならないマネキンは倒そうにも倒せない敵そのものなのかな。あれをどうにかできたら世界は変わるだろうか。
そういえば、 -
Posted by ブクログ
遠野遥さんの最新作。
およそ10歳年上のIT企業社長と思われる人物・碧くんのマンションに入り浸る女子高生のふうか。彼氏なのかなんなのか、甘やかされてずいぶん幸せそうである。
たまに来る父親の長文LINEからは、彼女が自宅には長らく帰っておらず、また元々ネグレクト気味の母親もいつからかずっと不在であることが窺える。
そんな色々と曖昧でふわふわとしたふうかの日常生活と、ふうかがプレイするホラーゲームの描写が交互に綴られていく。弛緩と緊迫のような対比が案外心地よく、さくさく読み進められる。
しかし碧くんとのクリスマスの福岡旅行で、そんなのんびりラブラブな日々は突然に一変する。「えっ!続き読みたいんだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ学園ハレンチ×超能力×ディストピア、とおもしろ要素を掛け合わせた結果、見事によくわからなくなる著者初長編。
前作「破局」と比べて、あれ、今回の主人公はわりとまともかも…と思わせておいて、じわじわと、読者の感覚から乖離し始め、学校側が用意する「教育」に忠実であるがゆえに、狂気を帯びてくる感じがとても良い。一緒にご飯食べてる女の子の健康のためを思って、むりやり完食させてしまうくだりなんかもう最高。
にしても、催眠部と翻訳部の作中作が長すぎ&不条理すぎて、ちょっとうんざりしてしまった…(演劇部の桜人間バトル劇は、しっかりおもしろく読めたのに) -
購入済み
異常が正常
ストーリーの背景や舞台の説明なしにいきなり衝撃的な話が始まるので、ずいぶんと戸惑った。閉ざされた世界のようであるが物理的な柵はなく、あくまで「教育」で生徒たちを異常が正常な世界に閉じ込めている という話である。一見、ユートピアにも見えるが実際のところどうなのだろうか?題名からテーマを類推すると教育というものの怖さを描き出しているようなのだが、真意は別のところにあるような気がする。