遠野遥のレビュー一覧

  • 改良

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    ネタバレ

    追記
    彼はただ美しくなりたかった。だけどそれを性癖だと勘違いされ、女だと勘違いされた。
    うまくいかない、なんかちがう。
    でも確かにメイクは崩れているか、確かに手は汚れているか、そう自分を省みる。
    この不自然さが、彼特有に感じる。


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    ほう、そして改良。
    スピードを上げたまま終わり、タイトルを見て思った。改"良"か。"良"で良かった、その逆でなくて。


    整理しよう。
    幼少期、友人に性器を触られ触らせられた。
    大学生になり、女装を好み、女の子を買って家に呼ぶ生活をしている。
    そして最後。

    バヤシコに言われた自分自身のことについて、驚きつつも納得し、大

    0
    2025年08月12日
  • 改良

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    この感想を、どう文章で表せばいいかわからない。
    内容は重たいのに、面白すぎて眠い目をこすりながら一気読みしてしまった。

    これを男性作家が書いたというのだから衝撃…

    人に見下されることを怖がりながらも、結局他人を見下してしまう。
    自信がついた瞬間、その自信のせいで地獄に堕とされる。

    トランスジェンダーの話だと思い読み進めていると、そんな軽いものでは無いことに気付く。

    0
    2025年01月07日
  • 改良

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    自分の美しい姿に自信を持ちつつも、世間からは認められず自尊心を失っていく主人公。多様性という便利な言葉が流行っているが、結局は世間のレールから外れた時点でルッキズム思想の人間からすれば腫れ物扱い。
    辛いことが起きているはずなのに冷静で淡々と進む物語にゾッとした。

    0
    2024年10月27日
  • 改良

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    一気読み!
    平成生まれの芥川賞作家はやはり天才。
    心理的に、男性?女性?と、悩むようなことも、あまりにも簡単に書き上げている。

    0
    2024年01月20日
  • 教育

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    ネタバレ

    人生そのものを皮肉ってるのかね
    長寿が良いこと、健康が良いことみたいな今の世界の共通思想しかり、あくまでお金を稼いでより良い生活を目指すというルールの中だけで生きてる人に対する憤りを表してるんかね
    けど今の世界じゃ反抗しきったら生きていけないとかそういう感じのことを言いたいのかなと受け取った。
    ⚠︎個人的な解釈ですが

    0
    2024年01月14日
  • 浮遊

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    登場人物それぞれの内面が気になる作品。
    心の暗い部分が見え隠れしていて不安定さがあるものの、全体としては安定感があった。
    そしていつの間にか読み終わっていた。

    0
    2023年12月20日
  • 教育

    奇天烈で面白い

    とにかく奇天烈で不思議な小説で、読んでいくうちに遠野遥の世界にどっぷりと引きずられて行くような感覚になる。不思議な話の構成も自然と受け入れられてしまい、読んだあとには高揚感が残る。彼の作品には読んだ人を惹きつけて離さない魅力がある。

    #ドキドキハラハラ

    0
    2023年04月27日
  • 改良

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    この世の男女は、厳格な「普通」であるためのルールに縛られていて、その上、生まれた時から美醜による強烈なハンデやボーナスを与えられている。
    ルールを押し付ける人たちは、悪気がないことが多く、時として善良でさえある。美しくありたいという思いからは、どうしても逃れられない。
    その違和感や辛さを、特に男性の生きづらさの面から描いている作品なのではないかと思う。

    そういうと重い作品のようだし、実際重いテーマだと思うけど、この作品はどこか軽薄で滑稽なムードがあり、とても現代的だった。
    このどことない気持ち悪さ、ハマりそう。

    0
    2023年04月04日
  • 教育 試し読み増量版

    匿名

    購入済み

    大好きな作家

    面白い。異常な空間でも、異常だとわかるのは外との比較があってこそということを教えてくれる。
    現代のあらゆるニュースを見るときに忘れないでおきたい教訓

    0
    2022年11月24日
  • 破局

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    芥川賞受賞作品というのと、作品名で読もうと思った。
    最初はよく分からなかったが、読み進めていくうちに状況が理解できた。
    ところどころ?と思う文が挟まっている。違和感も覚える。主人公の感情がほとんど書かれていない。解説を読んでようやく主人公の性が分かった。
    彼ほどではないにしても、感情よりも理性を大切にする、男性の心理や特徴をよく捉えているのではないかと思う。

    お笑い芸人を目指す友人のキャラクターが好きだった。

    0
    2025年11月16日
  • 教育

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    えっちでいいとおもいました。
    実際こういう場にいたら自分の好きな子が人としてるのを見て嫉妬したり、彼女を作っても他の人としたくなったりして勉強どころじゃない気がする。
    性的な規範がある環境で良かった。

    0
    2025年11月06日
  • 破局

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    歪で美しい物語
    ベンチ上のくたびれたトートバッグを「疲れきって眠った犬のよう」さらに「二人の飼い犬のよう」と繋げるシミリーにシビれた
    登場人物の描写も細やかでリアリティがある
    作品中に漂う独特の世界観
    これは芥川賞受賞も納得

    後に知ったがBUCK-TICKのボーカル櫻井敦司さんのご子息とのこと
    芸術性のDNA恐るべし

    0
    2025年10月12日
  • 破局

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    ネタバレ

    率直な感想は典型的な芥川賞作品。でも、これは作者の責任というよりは評価する側が「このぐらいの文量で、性について触れて、少し大衆とはかけ離れた感性を持たせた主人公で…」みたいな教科書的な感覚を植え付けてる気がしてならない。

    肝心の内容は色々批判的に書き始めたが割と好み。主人公の陽介はあくまでドライでどこか俯瞰していて、それでいてマジョリティな感性とは少し異なり、どちらかといえばサイコと捉えられるような大学四年生。

    麻衣子という完全無欠な彼女を手放してなんとなく灯を選んだりどこまでも読めない雰囲気がミステリアスで良い。

    ただ、テーマの一つに性欲が中心に据えられてる気がしたのと、ここまで無感情

    0
    2025年09月16日
  • 改良

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    4.0/5.0

    自分に対する性自認が曖昧で、男の女の間で揺れ動く主人公。
    だが、そのことに対して葛藤したり、悩んだりするというよりは、ただ「美しくなりたい」という願望の元、試行錯誤を繰り返す主人公の姿が印象的だった。

    そして、人間における見た目の重要性みたいな部分にメスが入れられていると感じた。
    見た目、という自分ではどうすることも出来ない先天性の要素がここまで人生に大きな影響を及ぼすことに、個人的に疑問や引っ掛かりを感じることが時折ある。だが、自分は男である以上、見た目の良い女性に惹かれるし、女性に好かれるためにカッコよくなりたい、という願望も当然ある。
    そのやるせなさみたいな部分が繊細

    0
    2025年08月04日
  • 改良

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    ネタバレ

    ものすごいものを読んだと思った。
    文庫本を買って2年積んでいたけど、
    日帰り旅行の際に
    荷物が多くならないよう薄くてちょうどいいと
    思ってもってきて新幹線で
    読み始めたら止まらなかった。

    性描写が多くて、それが全く主人公の幸せに繋がっていなくて怖かった。
    凄惨な場面では主人公はいつも被害者だったけど、
    女性といるときの自分の加害性には無頓着で
    それも怖かった。

    ストーカーのような存在に怯える女友達に
    今日は一緒にいようと言って部屋に上がり込む
    図々しさ、
    使うかわからないけど、とコンドームを買う様子に
    腹が立った。
    それでいて自分が被害者の時は被害者然としていて
    多様性ってこういうことなん

    0
    2025年08月02日
  • 破局

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    本人が「気持ち悪い小説」(超意訳)と言ってた意味は分かる各章の繋がりをまだ見いだせてないけどそれでもラストの書き方はすごい実体験なんじゃないのか

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    2025年07月05日
  • 破局

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    ネタバレ

    本当に面白かった。俺が好きなタイプの文章だった。
    人間的であることを意識して、人間的なことを思考している、というふうな文体だった。

    性愛と恋愛は決して違う。灯は恋愛から性愛へと徐々に移行していったということができると思うが、彼の場合はどうだったのか。そもそも恋愛だったのか。でも、おそらく、愛ではあった。

    なぜこれを書いたのだろうか。思うままに書いたのだろうか。

    膝の、真に人間的な、ある種の美しさが彼との対比になっていてそこがとても好きだった。

    想像できないものが「破局」なのだと思うが、彼にとっての破局とはなんだったのか。

    p.105 「悲しむ理由がないということはつまり、悲しくなどな

    0
    2025年06月18日
  • 破局

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    4.2/5.0

    この小説を読み終わった時の第一の感想は「カッコいい」だった。そしてそれはハードボイルド的とも言えるような無骨な文体によるところが大きいと感じた。
    独特の気持ち悪さと掴みどころのなさがこの小説に不穏な空気を纏わせている。
    世の中を冷めた溜息と共に冷笑している感じがなんとも痛快だった。

    0
    2025年05月18日
  • 破局

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    何も考えず、欲のままに生きた結果。
    こういう人、きっとたくさんいると思う。こういうことをして、みんなが破滅するわけではないけど、誰もが破滅の可能性を抱えているのではないか。

    個人的に好きだったところは、ゾンビ映画をホテルで観るところ。映画を見始めないから、映画の人々はゾンビにならずに済んだ的な流れは、これから起こる破滅を防ぐためには、最初から始めなければいいということを伝えている気がした。

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    2025年05月13日
  • 浮遊

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    ゲームの中と現実が入り混じるような描写が好き。主人公ふうかの、大人らしさと子どもらしさの両方を求められて上手くコントロールしようとするところがちょっとしんどかった。

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    2025年05月06日