遠野遥のレビュー一覧

  • 改良
    一気読み!
    平成生まれの芥川賞作家はやはり天才。
    心理的に、男性?女性?と、悩むようなことも、あまりにも簡単に書き上げている。
  • 教育
    人生そのものを皮肉ってるのかね
    長寿が良いこと、健康が良いことみたいな今の世界の共通思想しかり、あくまでお金を稼いでより良い生活を目指すというルールの中だけで生きてる人に対する憤りを表してるんかね
    けど今の世界じゃ反抗しきったら生きていけないとかそういう感じのことを言いたいのかなと受け取った。
    ⚠︎...続きを読む
  • 浮遊
    登場人物それぞれの内面が気になる作品。
    心の暗い部分が見え隠れしていて不安定さがあるものの、全体としては安定感があった。
    そしていつの間にか読み終わっていた。
  • 破局
    冷めた目線で自分の行動、感情をまるで他人事のように事細かに綴る主人公には気持ち悪さすら感じる。まるで別人格が自分の行動を観察しているかのよう。
  • 教育

    奇天烈で面白い

    とにかく奇天烈で不思議な小説で、読んでいくうちに遠野遥の世界にどっぷりと引きずられて行くような感覚になる。不思議な話の構成も自然と受け入れられてしまい、読んだあとには高揚感が残る。彼の作品には読んだ人を惹きつけて離さない魅力がある。
  • 改良
    この世の男女は、厳格な「普通」であるためのルールに縛られていて、その上、生まれた時から美醜による強烈なハンデやボーナスを与えられている。
    ルールを押し付ける人たちは、悪気がないことが多く、時として善良でさえある。美しくありたいという思いからは、どうしても逃れられない。
    その違和感や辛さを、特に男性の...続きを読む
  • 教育 試し読み増量版

    大好きな作家

    面白い。異常な空間でも、異常だとわかるのは外との比較があってこそということを教えてくれる。
    現代のあらゆるニュースを見るときに忘れないでおきたい教訓
  • 教育
    あまりの地獄絵図にギョエ〜と声を発しながら、それでものめり込んで一晩で読み終えた。時間が経てば経つほど、私にとっての今年の一冊はこれしかないと思う。
    社会に疑問を持った人を眼差す主人公の冷たい視線と、規範を疑わず、むしろ権力に積極的に寄与しようとする虚しい姿。『改良』を読んだ際も虚しさがグサグサと刺...続きを読む
  • 改良
    「私だって自分の鼻のかたちが好きだったわけではないけれど、それでもこれはほかの誰でもない私の鼻であって、私以外の人間にそれをどうこうしていい権利などなかった。」p122
  • 改良
    遠野遥さんの本を初めて読みましたが、とんでもなく
    引き込まれました。


    ものの2時間で読める軽さなのにまるで主人公の人生をすべて追体験したかのような読後感。本当に感動すら覚えました。


    ゆるやかに絶望しながら生きる大学生「私」の納得して生きる部分と、理不尽に納得させられる様を追っていく物語。

    ...続きを読む
  • 破局
    かなり好きだった。芥川賞の作品が好きな人向け

    最後の方まで人間の皮を被ったクローンの思考を内側からのぞいているような気持ち悪さがあった
    気になる表現は色々あるが、友人や恋人の話が無駄に冗長な辺りも同じ空間にいながらも違う次元から物事を捉えているようで気持ち悪さが素晴らしかった
  • 破局
    なんとも独特な世界観
    読んでいるうちに何故か不安な気持ちになってくる
    それがまたクセになるから面白い
    性描写や自慰のシーンでは生々しくて少しウッときたけれど、あれが24歳の若さなのかしらと、昔むかしを思い起こされた

    ラストシーンは不条理な結末で
    あーーーっなんでーー!!??!!?
    と思わず声が出そ...続きを読む
  • 破局
    書き出しから、安定して不安定さが醸し出される。
    大事件が起きるでもなく、ある大学生男子の何気ない日常が淡々と綴られていくだけ…? いやでも何かがおかしいぞ、決定的に何かがずれている…と、読者は正体不明の不安に襲われ、ぞわぞわする胸騒ぎを抱えることになる。

    道徳や倫理の観念が専ら自己の外側にしか見出...続きを読む
  • 破局
    主人公自身や、度々入ってくる場面描写がどこか奇妙。「何か違和感を感じる」小説は割と数があるけど、遠野さんの世界観は本当に独特で、違和感どころか確信的におかしい。その世界観にハマってしまって一気読みした。
    しかし、物語の一番の事件は、その主人公のおかしさは直接的に関係ない。自他のあくまで普通の感情に翻...続きを読む
  • 改良
    短くて、話も淡々と進んでいくため一気読みしてしまった。とても面白かった。以前、『破局』を読んだがそれと同じようにですます調で話が進んでいったため、主人公の実際の喋り方とかなり異なり、すこし違和感を覚え
    た。
    つくねの「ブスじゃなかったらする必要なかったんじゃないかって」という言葉は重く響いた。私も日...続きを読む
  • 浮遊
    全体的に、どこからが現実でどこからがそうじゃないのか分からないような不思議な作風なので、好みが分かれそうですが、私はそのふわふわした感じが逆に主人公や結末が気になりサクサク読めました。ちょっと奇妙で引き込まれるところがあるし、共感できる部分もあったので色んな意味で気になる作品でした。遠野遥さんの他の...続きを読む
  • 改良
    めくるページは決して軽くはない。
    気持ちは晴れやかになるどころか反対にどんより重くなるばかりで、主人公が凄惨なシチュエーションに陥るあたりからは特に読み進めるのが、しんどい。
    それは、描写があまりに直截的であり、剥き出しに過ぎるから、ともちろん言えるのだが、決してそれだけでなく、人により濃淡こそあれ...続きを読む
  • 破局
    なんだかわけがわからなかった。
    なにか事件が起こるわけでもなく、ただ陽介が送る日々が綴られているだけなのにどこががおかしくて気持ち悪かった。陽介が語っているような文体なのに、実際の陽介の喋り方や性格と全く違っているのも怖かった。
    1番面白かったのは麻衣子の小学生時代の話だ。たぶん男は小児性愛者で前々...続きを読む
  • 破局
    自分のことなのに他人事みたいに捉えていて不思議、そしてなんだか哀れ 女性へのマナーとか、パッと見たらよくできた人間なのに中身はすっからかんでそこに惹かれた女性も狂ってゆく いつもあとがき読まないけど読んだ オチの後味の悪さもよかった
  • 教育
    教育=洗脳。自分で考えることを放棄して、命じられていることを淡々と行っていく。疑問を持つと苦しくなり落ちこぼれていく。この世界のわけのわからない設定が面白かった。