遠野遥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「それはきっと私たちが強く結びついてる証だと言った」
本来なら愛の言葉だ。
ここではネガティブな感情を処理してしまうための言葉になっている。これが1番好きな一文だ。
前情報として知っていたのは、芥川賞を取った作品だということくらいだった。
ストーリーだけで読めば、おもしろくない。人生なんてそうそう面白いことばかりではないし、この小説は人が生きることそのものを書いているのだと思えたので、楽に読めた。
字面と文は違う。私に感情はあったかもしれない。それは欲望や規範、行動、比喩によって次々に処理されていく。泣いても、感情として受け取ることができない。私は感情がないに等しい。
冷たい飲み物、ゾンビ、ワ -
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ネタバレ追記
彼はただ美しくなりたかった。だけどそれを性癖だと勘違いされ、女だと勘違いされた。
うまくいかない、なんかちがう。
でも確かにメイクは崩れているか、確かに手は汚れているか、そう自分を省みる。
この不自然さが、彼特有に感じる。
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ほう、そして改良。
スピードを上げたまま終わり、タイトルを見て思った。改"良"か。"良"で良かった、その逆でなくて。
整理しよう。
幼少期、友人に性器を触られ触らせられた。
大学生になり、女装を好み、女の子を買って家に呼ぶ生活をしている。
そして最後。
バヤシコに言われた自分自身のことについて、驚きつつも納得し、大 -
Posted by ブクログ
ネタバレかなり癖が強く、けれど考えさせられるディストピア作品だった。
時代背景は同じ日本でありながら、高所得男性によって女性や低所得層が搾取される並行世界のような設定。
恐ろしいほど歪んだ社会でありながら、視点を変えれば現代に通じる風刺として読めるのが特徴的。
女性は異常な美白信仰と極端なルッキズムに支配され、男性は高所得であることが全て。低所得男性は結婚すら難しい構造の中で、2人の男女の視点が交互に描かれている。
タイトル「吸血鬼」の意味も秀逸で、女性が男性に完全に依存して生きる様と、男性が若く美しい女性を消費・搾取する様の双方を指しているように感じた。
特に男性主人公・白井の「良い夫であろうとす -
Posted by ブクログ
女性が、中学生の時点から若さと美しさによって公的にランク付され、そのランクがそのまま人生に反映されてしまう、男尊女卑極まれりの世界。しかも経済格差も大きい世界だ。
主に中学生の有紗と、有紗が校外学習先で出会ったアナウンサー美優の夫・白井の語りによって構成される。
まあ読んでいて不快なほど女性に人権がない。
中学を卒業する時点で結婚し、高校などに通えるかも、経済力も何もかも夫次第。そして夫に意見したり逆らってはいけない。選挙権などもない。
筋肉のついていない色白が美人と定義されているらしく、読みながらこの世界の男性は褐色肌の女性に興味がないんだろうか、と思っていたのだが…
こんな世界大げさだなあ -
Posted by ブクログ
すごく面白くて、このかたの作品を読んでいきたいと思った。
まずこの作品の特色とも言えるのは、実際に起きていることは平凡すぎるくらいの大学生の日常に過ぎない範囲なのに、醸し出している不穏さや不安定さは完全にはみ出しているところ。
主人公が平凡だと言いたいのではなくて、実際に起きている事象、つまり出来事がちっぽけすぎる。
それなのにこの不穏さである。
なんというか、嵐の前の静けさを呼んでいるみたいな感覚になった。だってこの主人公は遅かれ早かれ何かはしでかすだろう。
今回の作品の中に出てきたような出来事とは比べ物にならないような猟奇的なことをしでかしてしまいそうなぐらい、主人公が怖い。
でもその「怖