舩山むつみのレビュー一覧
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浙江省東部の海岸に建つ三階建ての客桟。それが幽霊客桟だった。亡くなった女優の田園から託された木匣を幽霊客桟に持っていくことになった小説家の周旋は浙江省K市西冷鎮行の長距離バスに乗った。田園からの電話は途中で途切れて「幽霊客桟に持って行ってほしいの。場所は…。」だけで、場所も住所も分からなかったが、周旋は古い友達の警察官の葉䔥にその場所を探してくれるように頼んだ。そして今は幽霊客桟のある西冷鎮行のバスに座っている。これからどんなことが待っているか分からないのに…。幽霊客桟についた周旋は毎日友達の葉䔥に手紙を書いた。その中にこの悲劇が綴られていた。
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愛情と狂気の深淵に飲み込まれる。親友が訪れた幽霊客桟から手紙が届くのだが… #幽霊ホテルからの手紙
■あらすじ
警察官の葉䔥(イエシャオ)に自宅に、かつての親友である周旋(ジョウシュエン)が訪ねてくる。彼は美しい女性と出会った逸話を話しだす。その彼女から木箱を預かり、木箱を幽霊客桟に届けてほしいとお願いされたのだ。
幽霊旅館がどこにあるか不明だったが、葉䔥が調べあげることに成功。周旋は木箱を届けるために、幽霊客桟に旅立ったのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
めっちゃ濃厚!
プロットもストーリーも人間関係もねばっこく、じっくりと味わえる良作です。
世界観としてはド真ん中ホラーで、つねに生死の間を漂っているかのようで不気味。それでいて愛に対しては純粋すぎて、その背景にある人間の業があまりにも怖い。
美しい描写が多く、また文中に様々な文学作品の引用やエピソードがちりばめられていて、ストーリーにも厚みが増す。日本の作品からの引用は、文学への恵愛と尊敬に溢れていて、同じ本を愛する者として、大変優しい気持ちになりました。
本書のメインは「第二章 幽霊客桟からの手紙」ですが、これはちょっとスゴイ。まさに周旋から葉䔥に宛てた手紙を読んでいくことになるのですが、幽霊客桟やその土地の歴史や謎、利用客の面々の描写がめっちゃ力強いです。
特に上手なのは小道具の使い方。木箱、蓄音機、写真、お墓、彫像など… 過去の人間の歴史を暗示する仕掛けが不安さを煽る。現実なのか幻なのか、本当なのか嘘なのか、生きているのか死んでるのかすらよくわからない。不気味さのなかにある混乱が、より読者を怖がらせ、でも熱中して読み続けてしまうんです。
そして謎解きとしても、おそらくよくミステリーを読んでいる人こそ唸らせる内容。そういうことだったんだ~と言う、からりとしたトリックではありません。作者のねばっこい、たくらみといった仕掛けで、ただ読み終わった後は胸にじんわりとくるものになっています。
海外ミステリーを読むたびに、いつも世界は広いなぁと感じますが、本作も例外ではありません。あきらかに本や文学、物語を愛している作家先生と分かる作品で、読んでいて嬉しくなりましたね。中国文学や文化を知るきっかけにもなるし、読んでよかったと思える作品でした。
■ぜっさん推しポイント
第二章後半の手紙。こんなに純粋な愛情表現は、久しぶりに読んだ気がします。情愛と狂気、そして憎しみや業が入り交じり、人間の底知れぬ部分が丸裸になっていく。
私はここまで情熱をもって生きたことがあっただろうか…
年を取ると安定やバランスばかり求めてしまいますが、力強く生きることの大切さは忘れずにいたいですね。 -
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怒りは価値判断の誤り。怒るほど重大なことではない。傷つけられたプライドは、遠くから見ればたいしたものではない。
怒りは加減するのではなく、最初から入ってこないようにする。
怒りは強い心からは生まれない。心安らかでなければ、偉大とはいえない。
怒りの始まり、の原因と戦う=時間を置く。
怒る、ことを先延ばしする。一度に追い払おうとしない。
双方で衝突が起きたら、先に退いたほうが勝ち。
怒ったら鏡を見る=自分の姿を見れば驚愕する。
怒りの原因から遠ざかる。争い始めてから抜け出すより、最初から距離を置く。
怒りが面に出ようとしたら、その反対の様子を演じる。
毎日寝るときに、その日の自分の気持ちを問いただす。毎日審判を受けると知っていれば、その日に悪いことはだんだん少なくなるはず。
朝、一日を始めるときに、自分には我慢しなければならないことがたくさんある、と覚悟を決めておく。今日は、一歩下がる、と決める。覚悟しておいたことに対しては心は強くいられる。
日々は使い放題ではない。無駄にする時間などない。怒っている時間はない。残された時間を大切にして、静かに穏やかに過ごそう。
人間は必ず死ぬ。だから、怒りの相手も必ず死ぬと心得る。どうせそうなるのだから、必死にそれを祈るのは無駄。
怒りは一種の狂気。なぜなら価値のないことに莫大な代償を払っているから。
怒りは「価値判断の誤り」
相手の行為は、それほど重大なことか。
一歩下がれば笑える。相手の行為はたいしたことではない、それに対する反応が重要。
セネカは、ローマのカリグラの残虐さから学んだ。
怒りの衝動は、「人に罰を与えたいという欲望」である。
人は誰でも、カリグラとソクラテスの中間にいる。
その中で人を許す気持ちを育てる。
怒っている人は、精神が錯乱している人と同じように醜い。
怒りをコントロールするくらいなら、最初から締め出す。その方が楽。
怒りは復讐を求めるが、復讐は正しいからすること。怒りはふさわしくない。
感情を手なずけられる人はいない。曽倉でも、冷静になるまで行動を待った。
どんなものであれ、心安ら過でなければ偉大とはいえない。
恵まれているものほど怒りやすくなる。
時間をおく。1日たてば真実がわかる。安易に腹の立つことを本気にしない。
罰を与えてから取り消すことはできない。
私たちの誰一人として、罪のない者はいない。憤りは、自分が正しいという観念から生まれるが、それは間違い。
最良の治療法は、先延ばしにすること。
怒りっぽいのは、無知あるいは傲慢だから。
罰は、過去の為ではなく、未来を考えて与えるもの。過去の結果を罰するのではない。
怒りは嫉妬よりも罪深い。贅沢は自分の楽しみだが、怒りは他人の苦しみを望むものだから。
重すぎる荷物を持ってはいけない。自制心を失えば平穏を失い、重りをもつことになる。
怒りの原因に近づかない。穏やかな人に囲まれて暮らす。敵がいなければ喧嘩はできない。 -
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イギリスの階級調査報告。
大半のお金持ちは成功者ではなく、
長期間にわたって資産形成してる人達。
格差はさらに広がる。
年収1,350万円以上の人達は親も専門的
エキスパート。
お金持ちは文化的教養に興味があり、
自分の趣味に自信がある。
貧乏人は自分の趣味が偏った趣味で
あると自覚していて自信が持てない。
お金持ちはお金に困ってないから
行動基準はやりたい事。
貧乏人はお金がないから何かというと
お金が無いからなどお金の話題。
などなど。
目新しい事があるわけではないが、
改めて統計的手法によって社会法則が
導き出されている。
好きな人にはたまらない一冊。 -
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劇作家で大学教授でもあった主人公。若い頃から鬱病やパニック障害に悩んでいたのだが、酒の席での失敗をきっかけに職を辞し、台北の裏路地に引っ越して私立探偵の看板を掲げることに。しかし、時期を同じくして発生した連続殺人の容疑者となってしまい、真犯人を捕えるべく奮闘するというストーリー。いろいろやらかしている主人公だが、家族がずっと味方だったり、近所に助けてくれる人がいたり、酷い状況のなかにも救いがあってよかった。ハードボイルドを読み慣れていないので、犯人らしき人物が挙がったあたりで、ん?この人だれだっけ?となったけど、最後のスピード感が楽しめた。
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ネタバレ一番驚いたのは、結婚の幸福感は2年間しかもたないということ、
そして離婚によるマイナスな影響は、最終的に基本ラインには戻らないということだった。
今私はシングルだが、この事実を知るまではとりあえず結婚して、うまくいかなければ離婚すればいいや〜という考えを持っていた。
というのも、「結婚しなければらない」という社会的・心理的なプレッシャーがある年齢を境に強くなってきたからだ。
でも、離婚によるデメリットを考えると妥協してまで結婚することが果たして幸せなのかと考てしまう。
また、これも驚いたことの一つとして、結婚している人たちと結婚していない人たちの間の孤独と幸福の差は小さいということだった。
確かに結婚している友人の話や芸能ニュースを見ても、
結婚後、不倫やDVなど様々な悩みや問題を抱えるケースを聞く。
こう考えると、結婚は妥協してするものではない!!と思えるようになった。
現在は脱物質主義の価値観が強く、各自の願望(自由や楽しみなど)を重要視している傾向があるという。
私もその一面があり、個人の趣味や仕事、勉強に楽しみや充実感を覚える事が多い。
※人といるより自己実現のために時間を費やしているかも。
まだ結婚を諦めきれていない状態ではあるが、
今後独身で生きていくことも視野に入れて、いろいろなコミュニティへの参加や
恋愛以外の楽しみを十分に持っておこうと思う!
シングルとして生きていくうえで、
この本に登場する、自らシングルの道を選択した人たちのように
自律性をもって自分の人生を楽しんでいけたらいいなと思う。 -
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ネタバレ・あらすじ
大学の演劇学部で教授をしていた脚本家、呉誠はある騒動を起こし演劇界から引退。
その後、台北臥龍街の路地裏で私立探偵を始めたが、引越し直後に連続殺人事件が起こる。
連続殺人事件の唯一の接点が呉誠と判明したことで、否応もなく巻き込まれた事件の真相を解明するために台北中を捜査する。
・感想
主人公である呉誠はうつやパニック障害持ちで精神的に不安定で人間不信。
人間関係をすべて精算し、社会から背をむけ路地裏に逃げ込んできた人間が、事件を通して自分を見つめ直していくことで社会と繋がっていく勇気を取り戻す的な話でもあった。
陳さんとの最後のやり取りが好きだった。
仏教的な思想とか、ちょくちょく日本のことも話題にでてくるからそういう面でも面白かった。
ただ会話がチグハグというかいわゆる「外国語訳の日本語」的な不自然さをちょっと感じたかも……。
地の文には感じなかったんだけど。
続編があるらしいけどあらすじ読んだら引っ越してるらしくて「あんな良い感じに仲間ができたのに?!」って驚いたw