舩山むつみのレビュー一覧
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シリーズ2作目。主人公は呉誠と言う中年を過ぎた私立探偵。台北の北、淡水に越した彼がDV8と言うクラブを舞台に、安安と言う女性の依頼を受け、過去に接点をもつ人物探しから始まるハードボイルド系ミステリー。気の良いクラブの常連や元刑事達と連携して連鎖的に謎を解いていく。プロセスもしっかりしていて、台北近辺の街もリアルに描いている。何よりあちこちに散りばめた蘊蓄も程よく読ませてくれる。海外や、日本では横山秀夫氏、島田荘司の作家の名も出てくるし、まさか、シンセ奏者の喜多郎氏も、、。事件に関係ない所でも読ませてくれた。ミステリーとしても上出来と思った。
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ネタバレ台湾は遊びに行きたかったけど機会無く終わりそう。台北歩き経験有りにとって本作は臨場感満載になると、行ったことがないのにそう思えてしまう。自分語りのストーリーだけど、なんか読みやすいし軽い文体に惹きつけられて一気に読み終えた。私立探偵の旗揚げ物語に少しだけハードボイルド要素や台湾独自の宗教観が加わり、警察との協力関係で事件解決に臨んでいく展開。私立探偵っぽさがあまり出てないのも好感。華文ミステリが気になり揃えたうちで1作目の着手だが、第一印章として華文で一括りにできない幅の広さを感じている。最近文庫化され、また続刊も出て早速入手、文庫化になるまでに読みたい(いつもそう思う)。
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著者は<中国のスティーヴン・キング>と呼ばれるベストセラー作家らしい。
バスで隣り合わせた女性から預かった謎の箱を幽霊客桟に届けに行った作家、周旋から毎日届く長文の手紙。そこに描かれる幽霊客桟は不気味な雰囲気に満ちており、宿泊客も謎めいていた。手紙は日に日に現実離れした話になっていき、ついに…
本筋とは関係ないが、そんな辺鄙なホテルに行くときに周旋が持って行った本が森村誠一の『野生の証明』なのがちょっと笑った。
全体として少々冗長な気もするが、ゴシックホラーめいた幽霊客桟の雰囲気がよかった。ホラーとミステリの融合もなかなかいい感じ。
続編もあるようで、引き続き翻訳を期待したい。 -
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幸せな人生を送るためには結婚はマストであるという固定概念と、シングルに対するスティグマが未だに根強く残っていることを解説し、選択的シングルの可能性を提示している。
シングルが増えている要因として、第一に考えられるのは離婚のリスクが高いこと。離婚は人の幸福を危うくする一方、結婚はそれほど幸福を約束してくれるわけではないことに現代の人々は気づいている。
人々を結婚へ駆り立てるのは、1人で年老いていくことへの恐怖、死ぬ時に枕元にいてくれる人が誰もいないことに対する恐怖であるが、結婚は必ず死別や離婚
と言う結末になるので、人生の不安を解消する解決策にはならない。
私たちはシングルで生きることを、 -
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ネタバレ・あらすじ
インドの大都市ムンバイが舞台。
心臓疾患のため警察を退職することになったチョプラの退職当日に青年の死体が発見される。
警察では事故死と判断されるがチョプラは死の真相を暴くため独自に捜査を開始する。
そんなチョプラ警部の相棒は叔父さんから贈与された子象のガネーシャ。
不正、賄賂、汚職と貧困が蔓延るインド社会の問題とそんなごちゃまぜで発展途中の都市で騒々しくも逞しく生きる人々、踏みつけられる人々などインド社会が垣間見える作品。
・感想
インドではショッピングモールに象が侵入しても追い出されない…のか?!とか日本人的にこれ有りなの?と倫理観や捜査方法、生活習慣などなど疑問と驚きが多々あ -
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読むボリウッド映画!RRRを皮切りに昨年は10本程度のボリウッド作品を見ましたが、そんな経験を元にこの小説を読むと脳内でボリウッド映画として再生されました。前半の象がアパートにやってきたシーンでダンスが入ってタイトルコールなんかがいいんじゃないかと妄想できました。内容で好きなところは、主人公は早期退職したおじさん(髭が万歳の形をした紳士)で、日常ミステリかと思わせておいてインド全土を巻き込んでいくギャングや政治家の賄賂が絡む社会派に発展していくという壮大なところ。間に挟まる奥さんサイドのストーリーはラブコメで、これも面白い。シリーズもののようなので、次回作以降も日本語で読めるといいなぁ。
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浙江省東部の海岸に建つ三階建ての客桟。それが幽霊客桟だった。亡くなった女優の田園から託された木匣を幽霊客桟に持っていくことになった小説家の周旋は浙江省K市西冷鎮行の長距離バスに乗った。田園からの電話は途中で途切れて「幽霊客桟に持って行ってほしいの。場所は…。」だけで、場所も住所も分からなかったが、周旋は古い友達の警察官の葉䔥にその場所を探してくれるように頼んだ。そして今は幽霊客桟のある西冷鎮行のバスに座っている。これからどんなことが待っているか分からないのに…。幽霊客桟についた周旋は毎日友達の葉䔥に手紙を書いた。その中にこの悲劇が綴られていた。
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愛情と狂気の深淵に飲み込まれる。親友が訪れた幽霊客桟から手紙が届くのだが… #幽霊ホテルからの手紙
■あらすじ
警察官の葉䔥(イエシャオ)に自宅に、かつての親友である周旋(ジョウシュエン)が訪ねてくる。彼は美しい女性と出会った逸話を話しだす。その彼女から木箱を預かり、木箱を幽霊客桟に届けてほしいとお願いされたのだ。
幽霊旅館がどこにあるか不明だったが、葉䔥が調べあげることに成功。周旋は木箱を届けるために、幽霊客桟に旅立ったのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
めっちゃ濃厚!
プロットもストーリーも人間関係もねばっこく、じっくりと味わえる良作です。
世界観としてはド真ん中ホラーで、つねに -
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怒りは価値判断の誤り。怒るほど重大なことではない。傷つけられたプライドは、遠くから見ればたいしたものではない。
怒りは加減するのではなく、最初から入ってこないようにする。
怒りは強い心からは生まれない。心安らかでなければ、偉大とはいえない。
怒りの始まり、の原因と戦う=時間を置く。
怒る、ことを先延ばしする。一度に追い払おうとしない。
双方で衝突が起きたら、先に退いたほうが勝ち。
怒ったら鏡を見る=自分の姿を見れば驚愕する。
怒りの原因から遠ざかる。争い始めてから抜け出すより、最初から距離を置く。
怒りが面に出ようとしたら、その反対の様子を演じる。
毎日寝るときに、その日の自分の気 -
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イギリスの階級調査報告。
大半のお金持ちは成功者ではなく、
長期間にわたって資産形成してる人達。
格差はさらに広がる。
年収1,350万円以上の人達は親も専門的
エキスパート。
お金持ちは文化的教養に興味があり、
自分の趣味に自信がある。
貧乏人は自分の趣味が偏った趣味で
あると自覚していて自信が持てない。
お金持ちはお金に困ってないから
行動基準はやりたい事。
貧乏人はお金がないから何かというと
お金が無いからなどお金の話題。
などなど。
目新しい事があるわけではないが、
改めて統計的手法によって社会法則が
導き出されている。
好きな人にはたまらない一冊。