あらすじ
邦訳版もミステリー文学賞をダブル受賞!
劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。
にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれる。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。
監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は?
探偵VS犯人のスリリングなストーリー展開と、ハードボイルド小説から受け継いだシニカルなモノローグ、台湾らしい丁々発止の会話。
台湾を代表する劇作家が満を持して放った初めての小説は台湾で話題を呼び、台北国際ブックフェア大賞などを受賞。フランス、イタリア、トルコ、韓国、タイ、中国語簡体字版が刊行された。
2021年に邦訳が刊行されると日本でも話題を呼び、2022年には第13回翻訳ミステリー大賞とファルコン賞(マルタの鷹協会日本支部主催)のダブル受賞を果たした。
※この電子書籍は2021年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最高。楽しかった。呉誠と長い間一緒に捜査した気分。
インテリウーチェンのながーい御託を聞きながら、臥龍街に思いを馳せ、パニック障害に共感し、
わけのわからない事件に目を白黒させ…
パニック障害と付き合いながらなんとかやっているウーチェンの心理描写、台湾社会の鋭い観察、台湾人論もお見事。もちろん連続殺人鬼のねじれに捩れて暗く病みきった心理も!
コージーミステリーな要素も多分にあり、
事件は面白いし、とても好み。
将来、ウーチェンみたいな生活も悪くないかも。
台北が好きなのでタイトルでなんとなく手に取った本だったけど大正解。第二巻、早く文庫本求む!!
Posted by ブクログ
訳者の後書きまで含めて面白かった。
台湾への悪口(?)が山盛りでクスッと笑える部分があった。
途中で、「巧妙な犯罪が起こる社会は……」みたいなくだりがあったと思うが、こんな犯罪が起こる台湾は、主人公が愚痴っていた台湾から変わっているんじゃないかと少し思った。
Posted by ブクログ
劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。
にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれる。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。
監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は?
華文ミステリにも、少しずつ慣れてきた。文庫化されたので読んでみた。適度なユーモアが楽しい。
Posted by ブクログ
だめな中年男性のファンタジー。できすぎな気もしないではないが面白かった。台北の湿気や臭いがする。登場人物のやりとりや、ジンクスまわりは、昔の日本を思い起こさせるのかもしれない。
Posted by ブクログ
台湾は遊びに行きたかったけど機会無く終わりそう。台北歩き経験有りにとって本作は臨場感満載になると、行ったことがないのにそう思えてしまう。自分語りのストーリーだけど、なんか読みやすいし軽い文体に惹きつけられて一気に読み終えた。私立探偵の旗揚げ物語に少しだけハードボイルド要素や台湾独自の宗教観が加わり、警察との協力関係で事件解決に臨んでいく展開。私立探偵っぽさがあまり出てないのも好感。華文ミステリが気になり揃えたうちで1作目の着手だが、第一印章として華文で一括りにできない幅の広さを感じている。最近文庫化され、また続刊も出て早速入手、文庫化になるまでに読みたい(いつもそう思う)。
Posted by ブクログ
主人公を含め、登場する人々のキャラクターが強烈。台湾のお話だけれど、香港あたりのアクションコメディ映画を連想した。彼らの引き起こすドタバタには笑ってしまう。狭義のハードボイルドとはひと味もふた味も違うが、これはこれで立派なハードボイルドでしょうね、やっぱり。
Posted by ブクログ
独特なユーモアのある語り口が癖になる。
物語の構成も普通じゃなく、これからどうなるのか想像がつきづらくていい。
とにかく長く、少しずつ読み進めてやっと終わったが、続編も読んでみたい。
台湾の空気をしっかり感じた。
Posted by ブクログ
・あらすじ
大学の演劇学部で教授をしていた脚本家、呉誠はある騒動を起こし演劇界から引退。
その後、台北臥龍街の路地裏で私立探偵を始めたが、引越し直後に連続殺人事件が起こる。
連続殺人事件の唯一の接点が呉誠と判明したことで、否応もなく巻き込まれた事件の真相を解明するために台北中を捜査する。
・感想
主人公である呉誠はうつやパニック障害持ちで精神的に不安定で人間不信。
人間関係をすべて精算し、社会から背をむけ路地裏に逃げ込んできた人間が、事件を通して自分を見つめ直していくことで社会と繋がっていく勇気を取り戻す的な話でもあった。
陳さんとの最後のやり取りが好きだった。
仏教的な思想とか、ちょくちょく日本のことも話題にでてくるからそういう面でも面白かった。
ただ会話がチグハグというかいわゆる「外国語訳の日本語」的な不自然さをちょっと感じたかも……。
地の文には感じなかったんだけど。
続編があるらしいけどあらすじ読んだら引っ越してるらしくて「あんな良い感じに仲間ができたのに?!」って驚いたw
Posted by ブクログ
前半はグダグダでしたが、後半になって探偵小説になってきました。台北市内の地理が物語の肝にもなるのだが、いかんせん全く知らない土地なので推理についていけなかったのが残念。
Posted by ブクログ
2冊分のボリュームがあり、
前半の事件だけでお腹いっぱいだったけど、後半からスピードアップして
グイグイ読めた。
ただ、ちょっと物足りなかったかも。
台湾の雰囲気の分かる描写だったのがよかった。