雨川水海のレビュー一覧
-
購入済み
最終巻です
この作品はどういう着地をするのかと思っていましたが、ありきたりな「めでたしめでたし」とは違う、不思議な感動を覚えました。最後の方は少し強引な決着とも思えましたが、最終的な感動を損なう事はなく、むしろ作者、いや神かな?の世界観に心地よい読了を報じる事が出来ました。
やや奇妙な感想ですが、ワタクシもかの図書館に拝観したい気持ちです。
この拝観、変換ミスではないですよ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文明復旧を目指す転生少年の物語、コミカライズシリーズの第二巻である。
転んでもただは起きぬどころか、周りの薬草を全部引っこ抜く勢いの主人公・アッシュが織りなす物語は、森での遭難という非常事態から新たな薬の開発へと進め、さらにそこから養蜂という失われた技術へ……と物語は進行している。
そしてその中核にあるのが「本」の存在であるのは、今巻の新キャラ・フィルターニャとの対話からも明らかだろう。
派手な展開の仕方はしていないが、「本」によって確かに受け継がれた物語の描写にはグッとくるものがあった。
コミカライズとしての特色を見ると、原典版(ネット小説)の一人称型よりも編纂版(書籍版)の三人称型に近いスタイルである。
この二巻ではその特色がよく出ていて、村長夫人のユイカやその娘のマイカの視点もふんだんに描かれている。
あるいは原作ではチョイ役の母親もまた描写され、文中で現れなかった存在が視覚的に見えてくるのは、原作読者にとっても楽しいことである。
加えて、今巻で改めて思うのが
「テキスト量が多いよなあ……」
という実感である。
丁寧に描かれた物語であればこそ、テキスト量が多い。
そしてそれを丁寧にコミカライズしているからこそ、会話文・地の文の両面でテキスト量が多くなっている作品である。
それをここまでコンパクトに、ストーリーの流れを壊さず描出しているのは、率直に言って剛腕という他ない。
それも、薬を扱うモルモット周りの描写や自分で実験する様など、マッド科学者的な主人公像といった情報も目に見えてわかる形で描かれている。
アッシュに反感を持つ少年・ジキルとの対立構造なども、コミカライズで鮮明になっているポイントだろう。
原典版の一人称では容赦なく割愛される敵役であったし(この辺、原典版はマジで無情である)、こうした点はコミカライズの特色と言っていいかもしれない。
というわけで、今巻も良質なコミカライズを楽しませていただいた。
今巻も星五つで評価したい一巻である。
ストーリー的には派手ではなく、また原典版・編纂版読者の感想となってしまって恐縮だが、シンプルに「漫画が上手いなあ」と思ったのも事実なので、そこは正直に評価を置いておきたい。 -
Posted by ブクログ
武芸王杯大会をクライマックスに据えた5巻である。
この巻は、事実上のマイカ回と言っていいだろう。
彼女の状況が序盤の加筆部で整い、アッシュと向かい合った前半のスクナ子爵領での挫折、そして後半の武芸王杯大会での逆転劇。
彼女の両親の物語を踏まえつつ、帯にあるように「伝説の再演」が描かれた一巻であった。
その一方で、後半は王都編でもあって、フォルケ神官やアーサー氏との再会もあった。
フォルケ神官の同僚であるトリス、ルススの両氏の登場、そして彼らを後援するアリシア王女殿下との対面などもトピックになるだろう。
明らかにマイカ回なのに、それでも食い込んでくるアリシア王女殿下、強いです……!
この巻もまた一巻での読み応えがある、骨太な構成が光った一巻であった。
表紙も含めてイラストは麗しく、加筆も豊富で、書き下ろしペーパーの「ライノが見たサキュラ魂」なども、外部から見た彼ら一族の異質性がわかる内容で大変面白い。
今回も文句なしに星五つで評価したい一巻である。
成長著しい彼らがイラストで描かれているのもまた見応えがあった。
温泉での一幕を描いたカラー絵、R-15指定しなくて大丈夫ですかね……?(笑) -
Posted by ブクログ
滅びゆく村の復興に領地改革推進室が全力で立ち向かうシリーズ4巻である。
粘り強く生きる辺境にあっても、村によって状況も変われば対策も変わる。
獣害に遭いながらも適切な対応で村を立て直すアデレ村。
長らく不作になりながら無為無策のアジョル村。
この二つが物語の舞台となって、今回の物語は転がっていくことになる。
主演は推進室所属のレンゲと、アデレ村村長代理のスイレンの二人。
二人の横顔が描かれる加筆は多く、物語の骨子はこの二人の関係に据えられている印象だ。
加えて、アデレ村との連絡役を務めることになるグレンも主役に加えていいだろう。
彼については、ケジメを付けるかのような告白シーンがこの巻の冒頭に置かれていて、彼を陰の主役と思って一巻を眺めることもできる構成になっている。
加筆部を今少しみると、軍子会同期のケイや、新たな(アッシュらの出身である)ノスキュラ村からの留学生・ルカなども巻の前半に新登場している。
ただ、彼女らはあくまで顔見世であり、物語の本編には全く絡んでこない。
彼女らの活躍の場は、おそらく後々に用意されているのだろう。編纂版(書籍版)での活躍に期待したい。
前述したように、物語としてはやはりレンゲ&スイレンの関係が色濃い。
表紙、カラーイラスト、挿絵のすべてにおいて二人の登場は目覚ましく、物語における中心線がわかりやすいところだ。
それゆえに、一巻での物語の充実度も(原典版に比べて)増していて、読み応えがある一巻になっている。
若干気になるのは、原典版以上にヒロイン度が高まっている感のあるレンゲ。
彼女の扱いは原典とはまた異なることもあるのだろうか?
期待を込めつつ、多少気になった箇所ではあった。
一冊としての充実度、後半におけるド派手な展開、物語の主題、諸々を加味して星五つで評価したい一冊である。
この巻の主題はおそらく
「善意ある援助者が罪悪感を抱え、支援を受けた者が逆恨みから被害者ぶる」
という構図にノーを突き付けるものだろう。
文中でも「被害者ぶっている無自覚の加害者」「弱者という棍棒を振り回す乱暴者」(P.140)といった記述があり、その批判的姿勢は明らかである。
物語的な整理が為されつつ、この主題を抉ったこの一巻は、物語の面白さだけでない内実も含まれているだろう。
その意味でも興味深い一巻である。 -
Posted by ブクログ
超ハイテクな古代文明が大昔に崩壊した後の、中世レベルまで落ち込んだ世界で寒村で生まれた本好き少年・アッシュが文明復古を夢見て駆け出す物語シリーズの一巻である。
転生者として前世の快適な暮らしを知っているだけに、現生の絶望的なひもじさをなおさら理解していた主人公。
彼はそんな世界に絶望しながら、あるきっかけから夢に一直線に駆け出すことになる。
この一巻では、そんな彼の寒村・ノスキュラ村での彼の奮闘ぶりが描かれている。
こまっしゃくれた主人公と、そんな主人公と関わることになる人物が次々に姿を見せる。
寒村へ飛ばされた神官フォルケ。
地方であこぎな(それもケチ臭い)行商を行う商人クイド。
彼に希望を灯してくれた村長夫人・ユイカと、その娘のマイカ。
彼らがどのように彼に翻弄され、人生を変えていくかは以降を乞うご期待、と言うべきだろう。
ネット小説の書籍化、のコミカライズという立ち位置になる本作だが、おそらく最高品質になるだろうコミカライズだ。
原典の物語とキャラクター造形をよく読み込み、書籍版の大熊まいさんの美麗なイラストをきちんと踏まえて、漫画として読みやすく整理された形で物語を描き出してくれている。
正直、この作品をこれ以上のクォリティでコミカライズすることは、ちょっと想像できない。
それくらいのレベルのコミカライズである。唸らされた。
原作未読読者も、既読読者も楽しめる良質なコミカライズである。
単体でも文句なしに星五つ。コミカライズとしてみるともう二つくらい加算したいくらい素晴らしい作品だ。
次巻以降の刊行も楽しみに待ちたい。 -
購入済み
良かった
最近の転生物かなっと思って読んでいたら思ったより内容があり、チート能力ではなく本人の努力で物語が始まっていて読み応えがありました。
また続刊も読みたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
軍子会生活に終わりを告げる3巻である。
飛行機に憧れるヘルメスが中心となる前半の“不死鳥の羽”号開発と、アーサーの事情にひとまずの終止符が打たれる後半が収録され、巻末には「誰にも誘われてないんで、村に帰ろうかと」とこぼしたアッシュのために策謀するとある少女の謀略が置かれて締められた形だ。
これまでと違って(自然生物との)命がけの戦闘シーンが含まれないため、やや地味な巻ではあるだろう。そこは次巻に期待である。
(戦闘シーンは含まれるが、その内容はどちらかというと狩猟の類である)
今回もまた加筆が多く、前半ではヘルメス(とレイナ)の、後半ではアーサーの視線が多く描かれている。
少し評価に迷ったのが、前半部におけるヘルメスの視点が物語的に重複する部分が多く、物語のテンポを重めにしていた点だ。
彼の思いを描くために必要な描写ではあるが、一度読んだ物語をもう一度読む負担は気になるところだった。
他方でアーサーの視線については、前巻から続く形で彼の人の物語を完結させるものであり、非常に上質。
最後の日に、紡いだ縁を辿るように描かれる一日の物語は素晴らしい内容だった。
少し評価に悩んだ部分もあったが、今回も星五つで評価したい。
個人的にユイカ夫人が好きなので、冒頭に彼女の視線が置かれているのも評価の足しになっているかもしれない。その点は付記しておく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレサキュラ辺境伯領の領都に留学し、いよいよ文明復興の道筋を走り始めた2巻である。
大都会と一文目から述べつつも、一方で次のページでは各種要素の不足を見て取ってスリーアウトのゲームセットを宣言。
しかしそれによってむしろ開発への意欲を高め、ますます意気軒高となるアッシュは、さすがとしか言えない火の玉小僧っぷりである。
この二巻の主題はそうした序盤で説明されているように、共に進む仲間を増やしていくところにある。
特別ページが割かれているのは、秘すべき事情があるのだろうアーサー少年。
小さく縮こまっていた彼の人が、アッシュの手によって心を溶かされ、我慢して笑う姿を心底嫌うマイカによって強引に掬い上げられる様は見どころだろう。
特にマイカとの加筆エピソードは、三人称視点が加えられた書籍版(編纂版)であればこその特筆すべき魅力であり、この書籍版の持つエモさ倍増状態を象徴するシーンだと思う。
本筋は食糧事情の改良でありつつも、終盤での戦闘などは実にファンタジーファンタジーした相手が出現。物語の展開に大きく角度を生じさせている。
加えて、上述したような仲間を増やす側面でも、この書籍版ではより踏み込んで多くの人物が描かれていくだろうことが示唆されている。
原典版(ネット版)を読んでいる側にとっても、惹かれる部分の多い書籍化だろう。
総じて質の高い書籍化である。シンプルに楽しませていただいた。
今回も星五つで評価したい。 -
購入済み
地図づくり
アーサーくんによる楽しい地図づくり。これまでアッシュくんが先頭切って色々やっていましたが、今回はサポートに専念。しかしさすが僕らのアッシュくん。良い仕事します。距離の規格作りとか用具作りとか、測定方法の提案とか。さすがすぎます。地図づくりにまるまる一冊。じわじわと開拓していくスローライフファンタジーって感じがとても良いです。でももっとスピードアップしても良いですよ?
-
購入済み
相変わらずのアッシュくん
周りを巻き込んでいろいろと画策し、いろんなことに手を出すアッシュくん。いろいろ健在で相変わらず面白いです。アーサーくんかわいいですね。性別バレが楽しみです。
-
購入済み
マイカさん
全力でアッシュくんを落としに行くマイカさんとそのお母さん。マイカさんなんかは健気であると感じると同時に、この年齢からあの手この手で近づこうとする強かな感じがとても良いなと思いました。
-
購入済み
温かな雰囲気がよい
画が全体的に明るく作品全体の雰囲気があたたかい印象を受けます。主人公の思考ののち即実行という行動様式は見ていてとても気持ちの良いもので、このままの雰囲気で続いてくれればと思います。
-
ネタバレ 購入済み
祝最終巻
ちょっと急ぎ足で終わらせた感じ。
選抜武闘会とか、結婚式の様子や、子供の事とか、読みたかった。
説教臭い文章とか、くどく何度も同じことを繰り返し書いてるところとか、削って。
最後にちょっと意味不明だった所の謎解きが有って、最後の最後で、腑に落ちた。