あらすじ
前世らしき記憶を持つ、辺境の寒村に暮らす少年アッシュ。
豊かな生活の記憶を持つアッシュにとって、内燃機関すら存在しない中世暗黒時代並みの今世の生活は耐え難いものだった。
記憶にあるような理想の暮らしを送るためには、現状の最上級ではまったく足りない、今ここに存在しない最低限が必要だった。
アッシュが目指すのは、整備された上下水道や衛生的な住居、馬より速い移動手段で世界を繋いだという文明の再生!
そのためには、遙か昔に発達していたという、古代文明の知識が記された本を読む必要があった。
識字の教育機関を兼ねる教会すら形骸化しつつある中で、アッシュは文字を覚えて本を読み、知識を得る。
さらには、村長家の令嬢マイカをはじめとした、周囲の人々からの協力を得ながら、手始めに自らの住む村で養蜂業の再興を行い、村の発展を目指していく――!
理想の暮らしを手にするため、世界に変革をもたらす少年の軌跡を紡いだ文明復旧譚、開幕!
感情タグBEST3
良かった
最近の転生物かなっと思って読んでいたら思ったより内容があり、チート能力ではなく本人の努力で物語が始まっていて読み応えがありました。
また続刊も読みたいと思いました。
評価が難しい
転生者であるアッシュが、転生先の世界の本から、前世の様な文明社会の文化技術に繋がる記述を探し、実現していく話。
知識チートで様々な製品や技術を生み出したり、生活を豊かにしていくのがとても好き。
ただ、話しが、他人目線語りで重複するのがちょっとうざい。
Posted by ブクログ
本好き主人公が本を好き放題読める環境(または快適な現代文明の恩恵に預かれる環境)を目指して頑張るファンタジー物語である。
ネット小説の書籍化作であり、ちなみにネット版はすでに完結している。
辺境の寒村に生まれたアッシュは前世での豊かな生活を覚えていて、豊かな生活を復興させるために古代文明の再生を目指し、まずは村の教会で本を読み、村の生活を豊かにすることを企てる。
その村での生活が描かれたのがこの一巻であり、火の玉小僧のアッシュの大暴れに村の人々が巻き込まれ、徐々に豊かになっていくさまが描かれている。
物語世界には魔物が存在するファンタジーな舞台であり、この巻も含めて度々戦闘も描かれる。
内政で得た産物を用いて立ち向かう様は、正しく内政チート的であり、小賢しい口の上手さなども含めてこの物語ジャンルにふさわしい体裁が整えられている。
シンプルに良作と言っていい作品だろう。書籍化にあたって【横顔 マイカの角度】という形で別視点を加えている点でも、加筆はかなりの量である。
ただ、この辺の視点変更は、物語のテンポをやや重くする部分はあるので、好みは分かれるかもしれない。
一方で、終盤に村を離れることになった彼の墓標を前にした別れの挨拶は一見の価値のある加筆である。
巻末に描かれたヒロインの母・ユイカの視点である【横顔 ユイカの角度】もまた味わい深い。
個人的には寒村暮らしの主人公のキャラグラ(主に服飾面)に疑問も残ったので、星半個差し引いて星四つ半相当と評価している。
イラストについては、これはもうライトノベルとしての華が重視された形だろうが、やや世界観的にはアンマッチだった印象ではある。