井上雄彦のレビュー一覧
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11巻は、10巻で溜まった「どうにもならなさ」が、じわっと行動に変わり始める巻。
戸川は相変わらず不器用で、車いすバスケでも結果がすぐ出るわけじゃない。でも、勝ちたい・上手くなりたいって気持ちを隠さなくなっていく。プライドや焦りで空回りしながらも、「もう逃げない」と腹をくくる感じが伝わってくるのがいい。
高橋も過去をなかったことにせず、罪悪感を抱えたまま前に進もうとする。誰かに許されるためじゃなく、自分で自分を続けるために動く姿が苦い。
劇的な救いはないけど、「続ける覚悟」だけが確かに残る巻。リアルって、こういう前進だよなと思わされる。