木原善彦のレビュー一覧

  • ジェイムズ

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    少年の頃、ハックルベリー・フィンや
    トム・ソーヤーの冒険物語には
    心躍らせ楽しみました。
    これは上記作に登場するジムの物語です。

    時はアメリカ南北戦争開戦前夜。
    当時のことは知る由もないのだが
    ジムの心に寄り添えて、
    ドキドキする作品だった。

    「人間はおかしなもんだよ。
    自分の好きな嘘は信じるだけど、
    都合の悪い真実は無視するだ」
    というセリフが
    今でもその通りでハッとした。

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    2025年11月10日
  • ジェイムズ

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    ハックルベリーの冒険を黒人奴隷の視点から眺めて、特に後半は奴隷の逃亡に焦点何あっていた。奴隷の悲惨さがこれでもかっていうぐらい描かれていて読むのが辛い場面が多々あった。

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    2025年11月03日
  • ジェイムズ

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    「ハックルベリーフィンの冒険」を読んでから本を開いた。昨日まで読んでいた話だぞ…?と思っていた冒頭から、おっと目線はそっちになるのか、ほうほうほう…とアナザーストーリーに引き込まれる。

    奴隷を所有する側の話を読んでいたのに対し、本作は奴隷側の話。白人と明確に線引きをして、白人の前と黒人の中では使う言葉を変えたり、読み書きの能力を隠すなど、確かにあのジムもそうだったのかも知れないと思わせる絶妙に隙間を埋める。白人は黒人に劣っていて欲しい、なぜなら満足感を得るためなど。

    しかし何故女の奴隷は2度かそれ以上に殺されなければならないのだろうという疑問が拭えずに、なんだか物語のなかにいることに冷めて

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    2025年10月30日
  • ジェイムズ

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     この本は「ハックルベリー・フィンの冒険」を、黒人奴隷ジムの視点で書かれた小説、と聞いていたので、勝手に同じような児童文学のつもりで読み始めた。
     中盤から、少なくともこれは児童向けの本ではないと気づいたが、読み進めるほどに痛みが増していった。奴隷制の時代における奴隷の立場がどれほど苦しいものであったか、今更のように思い知らされた。
     最終盤、ジムが望んだ通りになったようだが、その後の物語が気になる。とにかく「ハックルベリー〜」とは全く別のストーリーなので、油断しないで読んで欲しい。
     

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    2025年10月22日
  • カーペンターズ・ゴシック

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    地の文でも会話でもナレーション的な説明がされず、読者は情報の断片を拾いながらストーリーを作り上げていくことになるが、それは陰謀論を作り上げるのとそう変わらない行為のようにも思える。作中の各人物は、その人について話している人が誰か、対話の相手が誰かによって印象が揺れ動き、読者にとって信頼できる人物は見当たらない。謎めいた言葉の連なりは、今起きている会話や動作の描写の中に、テレビで流れている映像の描写や作品内外のテキストをシームレスに織り込みながら流れていき、幻惑されるような美しさを感じさせる。言葉そのものが、今起きていることのレイヤーを分裂させ、上塗りし、つぎはぎしていくかのような。説明のなさや

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    2025年06月22日
  • オーバーストーリー

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    ネタバレ

    【木々の描く物語を想像してみる】
    世代を超えて存在する木と森林と生態系と、そこに異なる形で関わることになった人が想像する物語の話。

    人は木材を生産する時、木を守ろうとするとき、木を学問する時、自然に対する自らの視点を示すのかもしれない。

    木にまつわる神話や言い伝え、木材の伐採、森林占拠運動、科学、生物多様性…



    環境保護が欺瞞になる社会。

    この世界で、人間が特別なのは、私たちが人間だから当たり前だと思う。
    自分の家族が自分にとって避けられず特別な人間であること、
    自分の国が自分にとって特別であること、
    自分が自分にとって特別な人間であること。

    それは避けられない。

    けど、

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    2024年03月30日
  • 愚か者同盟

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    60年代ニューオーリンズが舞台らしいけど、高学歴引きニートと捉えれば令和日本でも充分通用するよね。巨漢で話の通じないヤバいヤツとすると空気階段のコントみたいな。オカンと元カノはかたまり2役。

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    2022年11月03日
  • 愚か者同盟

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    ネタバレ

    饒舌や過剰、インチキ臭、うさんくさい笑いを乗り越えたら未来があった。イグネイシャス頑張った!
    この荒唐無稽の内容を読みやすい文にされた翻訳の方スゴい。

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    2023年05月30日
  • オーバーストーリー

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    樹木と何らかの関わりを持ち、樹木をそれぞれのやり方で大事に思うようになる人々個別の物語が最初にある。短編集のようになっている。
    中盤以降は、彼らの物語が一つに絡み合い大きな流れとなっていく。

    木自体ですでに多くの生態系を抱える環境になっており、地球規模の視点で環境を見ても木は重要な役割を果たしている。極端に言ってしまえば人間は邪魔者でしかないが、さすがにそこまで言わずとも、そのことを認識しながらもっと謙虚な生き方を人間はすべきだろうと考える。
    木になったつもりで、木の視点で世界を見てみる。千年生きる木の時間からすれば、その周りを動き回る人間など、人間の周りで目にも留まらぬ速さで動き回る小虫の

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    2021年02月22日
  • オーバーストーリー

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    読みごたえあった。7月から約半年かかって読んだ。総じて言えば木と人間の話。壮大。壮大すぎて理解不能な文章が並ぶ。聖書のよう。よくもまぁこんなに脈略があるのかないのかわからない文章をツラツラ書けるな。しかし脈略がないようであるのが木で、あるようでないのが人間、なのかもしれない。

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    2020年12月30日
  • オーバーストーリー

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    圧倒された。また時を経て読み返したい。読んだ後の世界が違って見えると訳者の後書きにも出ていたが、本当にそんな感じ。情報量も揺さぶられる感情の量も多い。じっくり噛み締めて咀嚼したい。

    ‪I felt a difference of 2 cultures. Due to Shintoism, Japanese find a divinity in nature. We have certain respect for old big trees. ‬Although with this religion originated in Japan, we cut many trees, destr

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    2020年02月08日
  • オーバーストーリー

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    まず、ジャケットが出色。巨木の根元に陽が指している写真の上にゴールドで大きく書かれた原語のタイトルがまるで洋書のよう。角度を変えるとタイトル文字だけが浮かび上がる。最近目にした本の中では最高の出来である。表紙、背、裏表紙を広げるとカリフォルニアの朝の森にいるような気がしてくる。そうなると、バーコードの白抜き部分が邪魔だ。折り返し部分に印字するとか、帯に印刷するとか。他に方法はないものだろうか。

    前置きはこれくらいにして中身に入ろう。カバーの写真が直截に示す通り、木の話である。写真にある木はおそらくレッドウッド(セコイア)。樹齢二千年を超えるものもある、ウディ・ガスリーの『わが祖国 This

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    2019年11月29日
  • オーバーストーリー

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    なんらかの社会的な問題を小説で扱おうとすると、えてして、説明的になったり啓蒙になったり説教臭くなったりして、物語やうねりやスピードをそがれることが多い気がするが、これは始めの、木を巡る8人のストーリーからして面白く、ぐいぐい来る。
    環境問題、森林伐採、エコロジーの運動などを取り込んで、こんな小説が出来るとは!

    パトリシアについては、あ、これペーター・ヴォールレーベン『樹木たちの知られざる生活』じゃ…?と思って読んでいたら、やっぱりそうだよね、訳者後書きにて言及されていた。

    分厚いけど、どんどん読めた。面白かった。
    ジョン・ミューアやソローも読みたくなる。

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    2019年11月25日
  • JR

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    机の上に両足を上げ、椅子の背をいっぱいに倒し、太腿のあたりで本を開いて読んだ。手許にある書見台では厚すぎてページ押さえがきかないのだ。画像では実際の量感がつかみにくかろうが、菊版二段組940ページ、厚さは表紙部分を別にしても約5センチある。比喩でも誇張でもなく、読み終えた後、背表紙を支えていた右手が凝りで痛くなっていた。言葉を換えて言えば、持つ手が痛くなるまで、読んでいられるだけの面白さを持っているということだ。

    70年代のニュー・ヨークが主な舞台。見開き二枚の舞台地図、八ページに及ぶ登場人物一覧が付されているが、時間的にはたかだか数カ月程度、入れ代わり立ち代わり顔を出す人間の数は多いが、主

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    2019年03月18日
  • オルフェオ

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    主に20世紀の音楽の変容を感じることができます。この小説の翻訳を引き受けた新潮社の勇気には感謝しますが、これは売れないでしょう。読む人に相当な努力を要求する小説です。リチャード・パワーズですもんね、毎度ですよね。すごく読み応えのある本でした。YouTubeのおかげで登場する知らない音楽の多くを知ることができる、そんな時代だからこそ生まれた本なのかもしれません。

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    2015年12月29日
  • オルフェオ

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    愛犬フィデリオの異変にあわてたピーター・エルズは緊急サービスに電話した。それが事をややこしくしてしまった。やってきた二人組の刑事は、大量の本やCDで埋まった書棚、犬の死体、素人には不似合いな化学実験器具から何かを察知したのか、翌日別の二人組が現れ、実験器具やありふれた細菌である培養中のセラチナなどが没収される。帰宅途中、自宅に立ち入り禁止のテープが巻かれているのを車から見たエルズはとっさにその場を離れた。どうやらエルズにバイオ・テロの疑いがかけられたらしい。

    引退した音楽教師であるエルズは、もともと化学専攻だった。不眠症対策も兼ねてネットで購入した実験器具や試薬を使いDNAの塩基配列を操作す

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    2015年09月16日
  • オルフェオ

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    バイオテロ、過剰警戒な社会、冤罪、このあたりはとても現代的なというか、パワーズエラいこと流行りに乗ったな、という印象は否めない。まぁ別に現代的なテーマで流行りに乗った小説やからアカンってことはないけども。で、オイラに音楽の素養というか教養というか知識がないので、そういうのがあればもっと色々ピンと来るんだろうな、という残念感もあり。音楽ではないけれども、作中にドイツ農民戦争の際のミュンスターのヤンの話が出てきて「これ、「Q」に出てきた話か!」とつながってスゴい楽しかったので、たぶんもっと色々な仕掛けを(特に音楽中心に)オイラの知識の無さで見落としてるんだろうな、という…

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    2015年09月01日
  • ジェイムズ

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    マーク・トゥエインのハックルベリー・フィンの冒険は、アメリカ文学の代表作のひとつに数えられるが、ハックルベリー・フィンの物語には重要な登場人物として、逃亡奴隷のジムが描かれている。
    本書は、そのジム(ジェイムス)の視点から、書き直したハックルベリー・フィンの冒険。

    貧しい南部の少年ハックルベリー・フィンは、貧しいと言っても白人。貧しいと言っても、人間として生きている。
    しかし、当時の黒人はモノ。
    白人の所有物であり、時には売買取引の対象となる。
    ひとりで道を歩いていても、お前は誰のモノだ?ということになる。
    無知で傲慢な貧しい白人や奴隷監督の目をすり抜けながら、生き延び、自由を模索するジムの

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    2026年01月14日
  • ジェイムズ

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    トム・ソーヤもハックルベリー・フィンも
    アニメでチラッと見たことある程度で
    話はほぼ知らない
    どっかで話題になってると聞いたので
    読んでみた

    原作?元ネタ?を知らないので
    こんな見方したことなかった…とか
    全くわかんなかった
    ただジムが主役のハックルベリー・フィンはこうなのね
    ってとても素直に読んだだけ

    海外作品だけど
    とっても読みやすかった
    あんまり「わかんないなぁ」って
    文化の違いで首をかしげることもなかったし
    なんだ、このよくわからん詩的な表現は?
    なんてこともなかったし
    とてもよかった

    ただ今の自分には
    あまり響かなかった
    サラーっと読んでしまって
    何も考えたりしなかった

    星は

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    2025年12月05日
  • アイロニーはなぜ伝わるのか?

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    求めていた日常会話やジョークのようなものは少なめで、文学メインの高尚なアイロニーが多めだった。
    表題に対してもやっとして終わったので微妙かな。

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    2025年11月14日