ジョン・ケネディ・トゥールの作品一覧
「ジョン・ケネディ・トゥール」の「愚か者同盟」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ジョン・ケネディ・トゥール」の「愚か者同盟」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ピューリツァー賞受賞作品であり、デヴィッド・ボウイの愛読書でもある。看板に偽りはなく、最初の3ページだけでも既にかなり面白い。
舞台は60年代のアメリカ南部。傍若無人で高学歴で子供部屋に住む無職の巨漢イグネイシャスがついに就職活動を始める。彼が巻き起こす騒動を軸に珍妙なミステリーと風変りなラブストーリーと演劇的な群像劇が絡み合う。イグネイシャスは作中で資本主義のシステムに滔々と文句を垂れているし、不純な動機からでも社会運動を始めようとするあたりプロレタリア文学の要素も入っているかもしれない。すべてが不思議なバランスと巧みなストリーで成り立ち、風刺も効いている。
ミルトンを気取って社会から
Posted by ブクログ
60年代のアメリカ社会を鋭く切り取ってる。
個性的で、自分ではどうしようもない受難に耐えながら必死に生きている人たち。会話がいちいち全部面白い。
ぶっ飛んだ会話のなかから、その人がなぜ今の考えや境遇に至ったかがしっかり読む側に伝わってくる。辛い境遇も笑い飛ばせば良い、と言うけれどそんな問題じゃない。どうしようもない絶望がここにはある。
僕らは変えられないものを受け入れるしかない。
これは不当な社会に置かれた正しい人間の苦難だ。
でもわたしはイグネイシャス他、それぞれの登場人物をそんな世界の中でもやっぱり応援せずにいられない。
世界という永遠のなかで、1人の人生はあまりにも短い。儚い人生だか