くのまりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルや表紙の雰囲気と、読み始めてから出てくる「リムジン弁当」というお店の存在で
勝手な想像すぎますが、主人公はここですぐに働くようになって、そこで起きるハートフルストーリー……みたいな話かなと思っていました。
しかし小鳥の重く暗い過去、介護生活などの描写が続き…
子供は大人の都合や欲望を一方的に押し付けられてしまった時、逃れるのが難しい。理不尽さを感じました。
最終的にはパートナーと一緒に幸せな生活を手に入れてよかった。
しかし理夢人と両想いになるのが早すぎでは??とも感じました。運命的に惹かれあったということでしょうか。
理夢人は作中でわかる通り、かなり人格者であるため小鳥が惹かれるのもわかるのですが
理夢人が小鳥に最初に惹かれた要素がわからずピンと来なかったです。
性的欲求は人を傷つけることもある一方、愛を伴って接することで素晴らしい行為にもなる。
また、働くことは相手に喜んでもらうこと、それを広げていくことが幸せにつながる。
他人に愛を持って接していきたいと思わされる作品でした。
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Posted by ブクログ
癌を患い終末期に入った主人公、雫の視点でストーリーが進行し、徐々に彼女のこれまでの人生が語られる。
同時に、確実に近づいてくる死の足音。
読み始めは、なんかふわふわした文章だなー、と苦手意識があった。表現も独特であまり馴染まなかった。
でもそれで良かったのだと途中で気づいた。
涙腺を決壊させる選手層の厚いことこの上なく、目頭が熱くなること請け合いだったのだが、この独特で馴染みにくい文章のおかげで、何度も涙をギリギリで堪えることができたのだった。
外出先で読んだのは間違いだったと後悔していたのだが、なんとか事なきを得た。…得られていたはず。
要は、常に死を意識した内容であるにも関わらず、重すぎずに仕上がっている、という点が素晴らしいと思ったのだ。
茶化したような感想となったが、感動したのは確かである。
同時に、自身の死が間近に約束されたのならばどのように考えるだろうと、思いも馳せた。
亡くなれば無である。これは私の考えであり、作者さんの伝えたいこととは全然違うかもしれない。
でも、だからこそ今の生が大事なのだ、ということは言わずもがな同じ見解だろう。
本当にいい小説だった。
瀬戸内への旅行を予定しているところに、この小説。
綴られる島の美しい情景は、否応なく、私の「瀬戸内行きたい欲」を昂ぶらせた。
ちなみに私ははじめ、粟鳥洲の名前をアワトリシマと誤読した。
私も彼の期待には応えられない人間のようだ。 -
Posted by ブクログ
主人公の雫は、癌で若くして余命を告げられる。独身、両親はいない、恋人もなし、ペットなし。育ての親は伯父だが、伯父にも病気のことは告げず、彼女が向かったのは瀬戸内海に浮かぶ島。そこには「ライオンの家」と呼ばれるホスピスがあった。そこでは、余命を宣告された人たちが、残りの人生を穏やかに過ごしていた。雫もそこに入り、美味しいお粥を食べ、島を散歩し、新たに人と出会い、飼いたかった犬と一緒に過ごし、充実した幸せな時間を過ごす。しかし、病は身体を蝕み、だんだんと弱っていく。「死にたくない」という恐怖と、「この幸せな時間を生きていたい」という希望が交互に訪れる様子がリアルであった。ホスピスに「おやつのじかん」というのがあり、その人の人生の中で大切なおやつが、エピソードとともに紹介され、みんなでおやつを食べる。色々な人の人生にも触れていく…
実際に読みながら涙がでるくらい感情を揺さぶられる物語。死は案外身近にあり、生は意識しないと遠くにあるのだと思った。物語を通じて、自分が生きて何気なく過ごしている日々が大切なことを学んだ。死と向き合うのは勇気がいる。自分だったら悲観し続けて、こんなに冷静ではいられないかもしれない。 -
Posted by ブクログ
主人公の小鳥さんは、過酷な人生を歩んできたことで、「自分が生きることには意味がない」とさえ感じながら生きています。そんな彼女が出会った人たちとの交流を通して、少しずつ心を取り戻していく物語でした。
印象的だったのは、誰かに救われるのではなく、その出会いをきっかけに自分自身で考え、自ら前へ進む道を選んでいくこと。だからこそ、その変化には大きな説得力があるように感じました。
過去に起きた出来事は決して消えないし、なかったことにもできない。それでも過去を抱えながら生きていくことには確かな価値があり、その姿はとても尊いものなのだと感じさせてくれる作品でした。
ちなみにタイトルの意味は物語の比較的序盤で明かされますが「そういうことだったのか」と感じられたのも印象的でした。 -
Posted by ブクログ
美味しいごはんをその人のためにつくるということは、ちょっと手を伸ばせば手に入る幸せなんだよなぁと改めて思わせてくれるお話だった
コジマさんへのハンドマッサージ、山伏修行に行く理夢人、読んでるだけで涎の垂れそうなごはんの数々。
読んでる自分の感覚が研ぎ澄まされていると、目の前でその様子を見ているみたいにすーっと自分の中に入ってくるのに、心が落ち着かない日はどこか集中できない。そんな風にその日の心を試されているような文章たちだった。
病気と日々向き合う今の自分に必要な一冊だった
プレゼントしてくれた友達の気持ちが温かい。
以下心に残った文章
p187
すごく大きな悲しみとか苦痛とか、そういうものを吸い取ってくれるのは自然しかない気がする。
大自然の中に身を置いて修行してるとみっしりと空間を満たす目に見えないものの存在をありありと感じるし。
p189
とにかく祈って祈って祈りまくるのが山伏の勤め。そういう祈りが確実に世の中を支えている。
祈りって本当にすごいパワーを秘めている。
p259
私の体は常に更新されている。皮膚は毎日再生され、眼の細胞は二日ごと〜骨格細胞は3ヶ月ごとに生まれ変わる。人間の体は37兆もの細胞でできているが、7年ほどで全ての細胞が入れ替わる。
p265
死ぬ瞬間って案外気持ちいいんじゃないかな。
体という檻から解放されて宇宙に素粒子がパーっと広がっていく。 -
Posted by ブクログ
雫さんが終の住処としてレモン島のライオンの家で過ごした大切な時間を私も同じような気持ちで読み進めていました。
それぞれのおやつの物語、これまでの人生の物語、
最期にどうなりたいかと考える時間、
ところで、例のあれは、どんな感じでしたか?
良い旅を!と支えてくれた人、
物語の言葉が優しく穏やかで、死を目前にしている人達が懸命に生きている事に心を打たれました。
死の直前まで変わるチャンスがあると言う事を大切に
私も感謝しながら生きていきたいです。
読み終えてからもずっと
六花、ゆっくりだよ。しーちゃんは、そんなに
早く走れないからね の言葉が何回も心の中で
繰り返されています。
私も心から雫さんお疲れ様でした。ゆっくり休んでください、と思いました。