くのまりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
死がこういう感じなら、少し怖くないかも。
あたりまえだけど一つ一つのかけがえのない人生があって、自分もそのひとつを生きていることを思い出した。
人生はろうそくといっしょで、火がついたら消えるまで燃えるしかないと、マドンナさんが言ってた言葉が胸に残った。
自分にとって忘れられないおやつは何かなぁ。美味しいお菓子もケーキも山ほど食べてきたはずだけど、受験の日のあとに母が焼いていてくれた素朴なりんごケーキを思い出した。
そばで寝ていた娘をうんと愛おしく感じた。
命があること、毎日ご飯を食べて、歩き、おしゃべりして笑えることは本当に、ありがたいことだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ涙が止まらなかった。人間誰しも孤独だが、彼女の事を大切に思っている人が必ずいた。1年前におじいちゃんを亡くした私にこの本はとても刺さった。何となくこの1年間思い出しては悲しくなったことが何回もあった。人間死ぬことが悲しいこと、良くないことと取られがちであり、私や雫さんも経験からそう思っていた。マドンナの「いい旅を!」の部分で、天国でも故人が好きなように楽しく過ごせていて欲しいと心から思うことが出来た。
「生きることは誰かの光になること。自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。そうやってお互いを照らしあっているのですね」孤独で悲しい人生を送っていると思っていた雫だが、父や娘、六花、タヒチ君に見守られていることが単純に嬉しかった。そして、雫は光となって大好きな景色だったブドウ畑を明るく照らしていて欲しいそう願いました。 -
Posted by ブクログ
若くしてガンに侵され余命を告げられた主人公の女性・海野 雫(33歳)が、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、死に向き合いながらも、今生きている瞬間の大切さを感じつつ、優しい人たちに見守られながら穏やかにろうそくの火を燃やし尽くす、という感動的な物語でした。
この「ろうそくの火を燃やし尽くす」という表現は、小説の中に綴られた一節で、「人生というのは、つくづく、一本のろうそくに似ていると思います。ろうそく自身は自分で火をつけられないし、自ら火を消すこともできません。一度火が灯ったら、自然の流れに逆らわず、燃え尽きて消えるのを待つしかないんです。」という、ある登場人物の言葉を使わせてもらったものです。
私は妹を48歳の若さでガンで亡くしています。妹とは地理的に離れて生活しており、顔を会わせるのも年に一度か二度程度。そんなこともあってか、今思うと症状はかなり進行していたと思うのですが、詳しい症状を知らされることもなく、不覚にも知ろうとすることもなく、妹はホスピスではなく病院でしたが、私からすると急に逝ってしまいました。優しい言葉をかけることも出来ず、今だに後悔してばかりです。
妹もこの小説の主人公のような想いをしながら、残された一日一日を過ごしていたのかと想像し、胸が詰まる想いで読みました。
主人公の雫が最後の時間を過ごしたホスピス「ライオンの家」では、入居者が亡くなると、24時間、エントランスのろうそくに明かりが灯されることになっているそうで、(ネタバレになってしまいますが)雫が最期を迎えた時の描写が、「風の強い晩であったにも関わらず、死を弔うためのろうそくの火は決して消えることなく燃え尽きて、そして最後には、すーっと、静かに息を引き取るように消えて、煙が空に吸い込まれていった」とあり、雫が最期のその時まで精一杯「生きる」を全うしたことを、比喩的に描かれていました。
自らの病と残された時間を知りながら「生きる」を燃やし尽くした主人公と、おそらく同じような想いで最期の数ヶ月を過ごしたであろう私の妹と重なって、落涙するのを堪えながら読み終えました。 -
Posted by ブクログ
余命宣告をされた海野雫が瀬戸内のレモン島にあるライオンハウスに入居し、スタッフに『人生のさいごに食べたいおやつは何ですか』と聞かれる。生きる事を諦めていた雫はそのおやつを通じて、自分はまだ生きたいと言う本当の気持ちに気付く。私は小学三年生の娘がある朝、『学校に行きたくない』とダダをこねたシーンを思い出した。前日に友達の家で友達のお母さんが作ってくれたおやつをたべてからの様子がおかしい。娘は母親の私が自分の為におやつを作ってくれるのかと言う疑問の気持ちで、一杯になったのだろう。登校拒否は私のへの試しの行動だと感じた。私は娘の気持ちを受け止めるのは今しかないと決断した。仕事を休む。私はおやつを作らねばならない。何を作れば良いのか、いや、何が作れるのか、娘は何を欲しているのか。私はおやつの本を見ながら、気付いた。娘がおやつの種類ではなく、『私が娘の為におやつを作ること』コレを1番願っていると。頑張って作ったおやつが何だったかは忘れたが、美味しいと笑顔で口いっぱいに詰め込んでいる姿にチョッピリ泣けた。物語の切なさと自分の思い出の切なさを味わった私にとって忘れたくない、忘れてはならない1冊だ。