山際素男のレビュー一覧
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最初『不可触民と現代インド』読んでよく分からなくて挫折したんだけど、『アンベードカルの生涯』⇒『マハーバーラタ』読んだら分かるようになった。日本史YouTuberもこの本勧めてたし、この本は現代インドの明るい部分と暗い部分が均等に書かれてて良いと思った。
山際素男
1929年三重県生まれ。作家。’98年、古代インドの大叙事詩『マハーバーラタ』の翻訳で第34回日本翻訳出版文化賞を受賞
一九二〇年前後から一九四〇年代始めにかけての独立運動時代、ヒンズーの支配体制、カースト制の強固な擁護者であり、〝神〟のごとく 崇められていたマハートマ・ガンジー(一八六九~一九四八)は、自分の偽善性 -
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多分この本が無かったらマハーバーラタ読もうってならなかったからよかった。今のインド映画って多分マハーバーラタの焼き直しだろうなと思う。これ読むとインド世界追体験出来て楽しい。
『マハーバーラタ』は、サンスクリット原典で全18巻、10万詩節、1200章、20万行を超える世界最大の叙事詩である。これはギリシャの2大神話『イーリアス』『オデュッセイア』を合わせたものの約8倍、聖書の約3倍半の長さに相当する。
山際素男 (翻訳)
1929年生まれ。古代インドの大叙事詩『マハーバーラタ』の翻訳で第34回日本翻訳出版文化賞を受賞
『マハーバーラタ』
『ラーマーヤナ』と並ぶ古代インドの二大 -
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インドで仏教を広める佐々井 秀嶺の伝記
さまざまな経緯からインドに来て修行した後、日本に帰国しょうとする前夜に
「我は龍樹なり。汝速やかに南天竜宮へ行け。汝の法城は我が法城。我が法城は汝が法城なり。南天鉄塔もまたそこに在り。」と白髪白髯の老人が現れ、佐々井上人に告げていったという。
横紙やぶりというか、怒髪天をつくような、佐々井 上人の生き様は、迫力をもって我々に迫ってくる。インド仏教界の頂点に立つのが実は日本人だと言うのは、もっと知られても良いことだと思った。
渾身の一作。アドバンスト マテリアル ジャパン社長の中村繁夫が「男は人生で何度、佐々井上人のような人間に出会えるかで、価値が変わ -
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今の騒がれているインドとは似ても似つかぬ
その物語の深さ。
神々は彼らのことをどう見ているのでしょうかね。
きっと苦々しい顔で見ていることでしょう。
異国の物語なので
違和感ありありかな、と思ったら
そうでもなく、結構人が生きるうえでの
心理をついているのです。
それに世の中の末という代物も
描かれているもので。
そこに関しては恐らく目を覆いたくなると思います。
まさに今の私たちの住んでいる世界でないの、と。
寓話的なものが多いですが
最後のある部分だけ、
何かが違います。
そう、女性はどういうものかを知ることができます。
ただし、刺激超強め。
面白かったです。 -
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いままでのインドのいろんなイメージを壊された。
インドの侵略者であるアーリア人が自分たちの地位を確固とするためだけに作られたヒンズー教、そしてカースト制度。
インドの人々がこんなに辛い生活を送っているなんてショックだった。
マハトマガンジーにしてみても、わたしはてっきりインドのヒーローだとばかり思っていたが、彼も結局はカースト支持者だったのだ。
10億近くの人口のインド。
カースト別人口はブラーミン(僧侶など)5%、クシャトリヤ(軍人等)7%、ヴァイシャ(商人等)3%、シュードラ(前上位3カーストに奉仕するカースト)約60%、残りの25%がカーストにも属せない「不可触民」らし -
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[ 内容 ]
「もし私が、私がそこに生れ育った階級が呻吟する、忌わしい奴隷制と非人間的不正をやっつけることができなかったら、頭に弾丸をぶちこんで死んでみせる」この国、いや外国においてすら、アンベードカルほど波瀾に富み、刺激的でロマンチックな人間は稀であろう。
牛糞にまみれた不可触民の子として生れ、不治の病のように忌み嫌われた少年時代を送り、床屋、宿屋、寄宿舎、車、寺院、役所といった社会の総てから疎外され、飲水、食物すら拒否される人生を歩まされ、やがて世界的最高学府で学位を取りながら、その一歩一歩を徒手空拳、血と汗を流し一つ一つ取ってゆかねばならなかった。
六五歳という短い生涯の中で、これほどま -
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インドの仏教指導者・の半生を描いたこの本、読み始めてたちまち夢中になった。佐々井秀嶺については、山際素男の『不可触民の道―インド民衆のなかへ (知恵の森文庫』などに紹介されているのを呼んで、強い関心をもった。同じ著者に『破天』があるのは知っていたが、絶版となっており、なかなか手に入らなかった。それが最近、新書版で復刊されたのだ。
読み始めると止められないほどだ。若き日の懊悩と何度かの自殺の試み、その果ての師との出会い、激しい修行、乗鞍山頂での「覚醒」、タイでの修行と失敗、そしてインドへ、と夢中で読みすすむ。ある程度は知っていた経緯だが、若き日の懊悩がこれほど深く、それが故に文字どうり死をも厭 -
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インド思想史などを読んでいたのでは、絶対に分からない、これほどに圧倒的な差別の現実を今まで知らなかったという驚き。これほどに情報が発信され受信される世界においても、抑圧される人々が発信の手段すら満足にもたなければ、2億の人々の驚くべき現実がかんたんに遮蔽されてしまうという事実への驚き。ひとつの制度の中で甘い生活を許されてしまった人間は、他者をどんなに苦しめようと、その生活を守っていこうとするのが現実なのだということの、大規模なレベルでの確認。
今後私は、不可触民の視点を意識せずにインドの精神世界に接することはできないだろう。インドの不可触民問題は、たんにインド一国における差別問題なのではない -
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著者が冒頭で語るインドでの体験――同乗する自動車のひき逃げ事件は、著者の衝撃的な「原体験」であり、それ以来、インド不可触民をはじめ最底辺民衆に関心を持つようになったという。
この本からこれまで知らなかった多くの事実を学んだ。インドのカースト制度は有名だが、では現代インドでカーストが現実にどのように働き、政治的、経済的にどのような意味をもっているのかなど、よく見えていなかった。この本では、不可触民の側からカースト制によるインドの支配と被支配の実態が明らかにされる。
ブラーミン、クシャトリア、ヴァイシャの上位三カーストで人口の15パーセント、指定カースト、その他後進階層85パーセントと言われる -
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同著者の『不可触民・もうひとつのインド』は、著者が1977年にインドを再訪したときの見聞をもとに、最初は1981年に三一書房から出版されている。本書は、著者が1980年から81年にインドを訪れたときの体験を元にしている。前著にもまして凄まじい不可触民差別に接して唖然としてしまう。
インドにおけるカースト的な差別と暴力が、どれほどに広く深く社会の底辺に巣食っているのかということが、読めば読むほどに分かってくる。同時に、一部の不可触民が、そのような抑圧から目覚め、組織的な抵抗を試み、大きな変化を巻き起こし始めていることも分かる。とくにアンベードカルが50万不可触民とともに仏教に改宗した都市、ナグ -
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インドにはヒンズー教、イスラム教のほか、様々な宗教が混在している国であり、人々は今もってカースト制の中で暮らしている。カーストに組み込まれいない不可蝕民も存在する。
不可蝕民解放の父としてインド憲法制定の時に法務大臣だったアンベードカルは、その死の直前に仏教に帰依した。インドはブッダ生誕の国であるが、インド仏教徒はほかの宗教から迫害され瀕死の状況であった。
この本は、アンベードカルの意志を継ぎインドで不可蝕民解放と仏教復興運動に命を捧げている日本人僧佐々井秀嶺の一代記だ。
現在インドの仏教徒は一億五千万人とも言われるが、佐々井師はその不屈な精神と無私のこころで仏教を広めてきた。それは破天荒な生 -
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正直、インドほどよく判らない国はそうそう無い。学生時代は世界史を専攻していたので、インド史は覚えづらい人命やら王朝がわんさか出てきて苦労したのをよく覚えている。漠然と記憶しているインドとはヒンドゥー教の国である事、それによるカースト制度が存在する事、長らくイギリスの植民地支配下にあり東インド会社を中心に世界の貿易拠点となっていた?事ぐらい。人命ならマハトマ・ガンディー、初代首相のネール(ネルー)、チャンドラ・ボースにパール判事あたりだろうか。私はインドカレー好きだから周りにインド人も沢山いるが、彼らの国がどんなものか気にした事も無かった。近年は著名なIT企業(グローバル)の社長や役員に必ずイン
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不可植民の出身。カーストの外。触れてはいけないもの、近寄ってはいけないもの、視てはいけないもの。職業は便所掃除、ゴミ集め、靴職人、獣の皮剥ぎ、皮なめし、竹・ラタン(籐)細工、草刈り。夏の激しい渇き、労働後の渇きを癒すため、腐った溜まり水や汚水をすくって飲む。
国家社会主義を目指したい。基幹産業は国が所有すべき。保険、農業も国家の事業とすべき。土地は国の所有とし、カースト・信条に関係なく、農民に貸し与え、地主も小作人もいない国にしたい。▼インド新憲法。いかなる不可触民制も廃止する。不可触民への差別は罪とみなす。
仏教に改宗。クリシュナは神の中の神。イエスは神の子。ムハンマドは神の最後の預言者