「インド人口の約四分の一、二億五千万もの人びとが、三千年の昔に生まれたカースト制による差別意識に今も呻吟している。(中略)この人びとの置かれている現実の厳しさを、本書を通して少しでも感じて頂ければ幸いである」(「文庫版まえがき」より)インド観、人間観、世界観を根底から揺さぶる、衝撃の名著。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
インド思想史などを読んでいたのでは、絶対に分からない、これほどに圧倒的な差別の現実を今まで知らなかったという驚き。これほどに情報が発信され受信される世界においても、抑圧される人々が発信の手段すら満足にもたなければ、2億の人々の驚くべき現実がかんたんに遮蔽されてしまうという事実への驚き。ひとつの制度の...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年03月02日
ある女盗賊の本を読む前にこちらから
著者の乗った車が不可触民をひく。(逃げたので生死不明)彼らが非人間として扱われている印象的なくだりからはじまる
アウトカーストな彼らをハリジャン(神の子)とよび、カーストの最下層に組み込もうとする・聖人?ガンジーはブラーミン出身。
争いは否定しても差別はな...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
本当に恐ろしい話だ。人間が別の人間を、「お前は人間ではない」と決めつけるなんて。今だに、数十人の人間が一度に、さしたる理由もなく、生きたまま手足を切断され、灯油をかけられ、焚火にくべられ虐殺される。それを、村の人々がショーのように見物している。そんなことが公然と行われ、社会的にも黙認されている。昨今...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月04日
不可触民という言葉はよく聞くし、理解しているつもりであったが、知らないことが多すぎた。(メディアで紹介されていることだけで知ったつもりになるのは危険だと再認識した)
ヒンドゥー教がカースト制度を生み出していること等初めて知ることが多く、不可触民であればひき逃げをしても許されることに納得ができなかった...続きを読む