清水幾太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ訳が微妙。新訳版を作ってほしい…。
いや,原著を読めという話なんだけど。
内容は,歴史というよりは,歴史学あるいは歴史学者の話が中心。
歴史と事実の関係,自然科学者との対比等々。
「大文字の社会」という比喩がよくわからなかった。
「科学者,社会科学者,歴史家は,いずれも同じ研究の異なった部門に属しているのです。つまり,どれも人間とその環境との研究であって,あるものは環境に対する人間の作用の研究であり,他のものは人間に対する環境の作用の研究なのです。」(125頁)
「すべて文明社会というものは,まだ生まれぬ世代のためを思って,現存の世代に犠牲を押しつけるものです。」(177頁) -
Posted by ブクログ
1950年代に刊行された本である事、そして学部生のリポート作成などを念頭においている事をなどを前もって知っておく必要はあるものの、「論文を書く際の心構え」的なものを教えるという点では、それなりの意味を持っていると思う。
ただ、それは言わば観念論に近く、技術論に関わる部分は少ないし、論文の定型などというものが学会などで固定する以前の話なので、論文の組み立てや立論や議論の展開などについて何か得られるかと言えば・・・ほとんどなし。まあ、この本にそういうものは期待して読む人は少ないと思うので、50年前に出された本としての役目は十分に果たしていると思う。 -
Posted by ブクログ
論文が完成するまでの過程
1.テーマが決まる
何について書くか、そのテーマが決まらなければ、そもそも、出発することが不可能である。テーマは問題と言い換えてもよい
2.問題が決まるときの、答えようとすることのイメージを書き留める
問題が決まるときは、答えようとすることのイメージ(方向)が生まれるもの。この最初のイメージや方向を大切にしなければいけない。
3.イメージが浮かぶのと同時に閃く観念や思いつきをとことん大切にし、紙に書き留める。
イメージを精神に現れる全体的な姿というほどの意味に使うとすれば、イメージが浮かぶのと同時に、いくつかの観念・思いつきがパッパッと閃くものである。それを大切