清水幾太郎のレビュー一覧

  • 論文の書き方
    この本は論文の書き方を親切に手ほどきする本ではない。基本的に著者の経験やエピソードを通して、文章を書くいくつかの原則を挙げていったものである。そのためどちらかと言えば読み物としての性格が強く、この一冊だけで文章がうまくなるとは思えない。あくまで文章をテーマにした話集である。
    しかしその内容がとても面...続きを読む
  • 本はどう読むか
    まず全体として、書き方が自伝的なので、帯に昭和を代表する知識人と書かれるような人物でも、このように数々の試行錯誤を泥臭くやってきたのだな、というのが分かって、とても面白かった。

    読書論の部分では、以下の二点が印象に残った。
    一つは読み方のスピードについての部分。
    「そばを食べるように」「相当なスピ...続きを読む
  • 本はどう読むか
    教養書なんて読む必要があるものではないけれど、
    「立派に」生き、「立派に」死ぬために読むのだとする。
    この「立派に」というのが、どういうことなのか。
    というのは、それこそ読書を通して自分で定義づけることなのかな、と解釈した。

    それから本を読んだら、当たり前かもしれないが「考える」ことが大事。
    読ん...続きを読む
  • 本はどう読むか
    今や古典的読書論だが、江戸っ子気質からかその言葉は、どこまでも潔く雄々しい。どきりとする言葉があちらこちらに転がっている。
  • 歴史とは何か
    古い本であっても、中身に古臭さは感じない。
    歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、現代と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのである。
    僕たちが「歴史家を通じて」観測できる「歴史」は相対的なものであり、歴史そのものはダイナミックなものである、と理解。
  • 論文の書き方
    [ 内容 ]
    論文やリポートは、なかなか書けないものである。
    もとより「いかに考えるべきか」を離れて「いかに書くか」は存在しえない。
    著者は当代一流の文章家。
    その文体の明晰暢達はひろく知られている。
    読者は、著者の多年にわたる執筆経験に即しながら、文章というものの秘密を教えられ、文章構成の基本的ル...続きを読む
  • 論文の書き方
    昭和34年以来、増刷を続ける文書作法の名著。
    第二章「「が」に警戒しよう」はまさに慧眼だった。
    私が所有するのは第二版、というのがプチ自慢。
  • 論文の書き方
    「が」に警戒しよう、という章があるのですが…そうなんですよ、この「あるのです『が』」が厄介なんです。否定なのか順接なのか何なのか。この「が」に注意するだけでも、いい感じに文章が書けるように思います。多分。
  • 歴史とは何か
    歴史とは、過去から続いて未来へ向かう時間の動的な動きの中で、ある目的に関連し且つ重要と思われる出来事を前後の関係性と共に並べた物であり、すべての事実が歴史になるわけではなく、また無闇に抜き出した事実が歴史になるわけでもない、というのが本書の主旨だと思うが、いやー、冗長。
    この講演がなされた時は新奇な...続きを読む
  • 歴史とは何か
    歴史とは、歴史家と事実との相互作用の不断の過程であると説く本。
    今の歴史観は今の社会感を反映している。現代文の問題っぽい。
  • 歴史とは何か
    ここに書かれている内容が歴史を勉強するうえで大事なのはなんとなく分かりますが、自分がまだそのレベルにいきついていないこともはっきりしました。
    結果的に読破するまでには至りませんでした。
    これからも歴史関係の本を中心に多くの本を読み、再度この本の読破に挑戦したいですし、読破するだけでなくより多くのもの...続きを読む
  • 日本語の技術 私の文章作法
    大学の講義を聴いているような感覚。とても読みやすかった。文章は建築物と一緒。最初の骨組みが大切。あと順番も重要。家を建てるのに、初めから瓦を置いてしまったら柱が立てられない。
    この本も再読必須。
  • 日本語の技術 私の文章作法
    普段読んでいる文章術の本とは違った。エッセイのような感覚だった。いや、エッセイというより、講義を聞いているような感じ。

    自分には難しかったな。
    でも、段落ごとに小見出しがあったので、読み進めやすかった。

    文章に対する好き嫌いがある人は、立派な文章を書ける素質のある人。
    なんでかというと、それを真...続きを読む
  • 論文の書き方
    文章の書き方指南本で、名著としてしばしばあげられる一冊。

    「小さい魔物である」と熱く語られる「が」に関しては、あまり意識したことはなかったが、いわれてみれば確かにそうだ。

    「が」の前後で反対の意味のこともあれば、並列だったりもする。「殆ど無数の意味がある」のである。

    著者流の書き方に、おおむね...続きを読む
  • 歴史とは何か
    歴史認識を記載している内容となっております。少し翻訳的にわかりづらいところがありますが一体歴史とはどう捉えるべきなのかということを哲学的に考察することができます。歴史を考えるにあたっては勉強にはなりますが難解な書物でもあります。歴史と言うものは見る人によって捉え方、考え方が違い、歴史を考える方のフィ...続きを読む
  • 歴史とは何か
    描かれた当時に、イギリスの歴史家がこのような歴史観を持っていたことは驚異的である。現在のイギリスの状況を見ると、彼の危惧は少なからず当たっており、その慧眼に驚かされる。

    一方、少し日本人(少なくとも僕)には馴染みのないイギリスの歴史的事件、歴史家が多く登場し、少しフワフワしてしまったのと、今読むと...続きを読む
  • 論文の書き方
    文章の書き方について言及した本。

    「が」の用法に注意する、日本語を外国語のように数学的に理解できると文章の構造が分かる、難しい言葉を乱用しすぎないなど細かな点で役に立つノウハウがあった。
    実際、文章の書き方というよりは「日本語」についての記述が多かったので若干肩透かしをくらった気分。抽象的で理解が...続きを読む
  • 本はどう読むか
    みなさんは蕎麦は好きですか? 僕は好きです。駅中でよくみる立ち食い蕎麦のお店によく行きます。忙しくて時間がないときでも、出てくるの速いし、完食するのにも時間がかからないし時短になりますよね。そんな蕎麦が読書と似てるらしいです。

    その意味で、読書は、蕎麦を食うのに少し似ている。蕎麦というものは、クチ...続きを読む
  • 歴史とは何か
    読むのに時間がかかった。
    読み手の力量不足なのかね。

    内容は、まあ、漠然と思ってる様な「当たり前のこと」への裏書きって感じかな。
    整理はされたけど、特に目新しい概念ってのは無かった様に思う。

    あるいは、理解できなかっただけかもなw
  • 歴史とは何か
    ・われわれが読んでいる歴史は、確かに事実に基づいているけれども、厳密に言うと、決して事実ではなく、むしろ、広く認められている幾つかの判断である
    ・歴史が過去と未来との間に一貫した関係を打ち樹てる時にのみ、歴史は意味と客観性とを持つことになる