無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
Posted by ブクログ 2023年12月18日
現代史の扱いは難しい。何故なら出来事に利害や未練を有する人たちがまだいるからである。
歴史を決定論として捉える説、偶然の連鎖として捉える説がある。いずれにせよ歴史家康とは因果経過を選択し価値観に基づき体系化する。
過去に対する建設的意見を持たぬ者は、神秘主義かニヒリズムに陥いる。
進歩史観は幻想であ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月28日
20世紀のイギリスを代表する歴史家の1人であるE・H・カー氏が1961年の1月~3月にかけてケンブリッジ大学で行った連続講義「歴史とはなにか」が書籍になったものです。本書を読んだ私の理解は、一貫して「相対性」「相互性」が強調されていることかなと思いました。例えば過去と現在、未来の相対性。個人と社会の...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月02日
歴史は、過去の経験を糧にしながら未来をよりよく照らすための学問である、とぼんやり思っていた私の考えを大きく変えてくれた。
歴史は単に事実の集積ではない。歴史における解釈はいつでも価値判断と結びついている。過去とは、現在の光に照らして初めて私たちに理解ができる。歴史は直線的ではなく、逸脱や後退、明瞭な...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月15日
初めて手に取ったのは、大学生時代(1990年代)での最初の概論でのテキストにて、
確か、1961年のカー氏の、ケンブリッジ大学での講演録を基調にしていて、
日本での初版が1962年ですから、訳語としての言い回しはやや古めで、
正直とっつきにくい部分もありますが、内容としてはよくまとまっているかと。...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月23日
ビジネス本の読書会にて
「 歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのであります。」
深い言葉だ。歴史的事実一つをとっても「現在の歴史家」というフィルタを通してみるしかなく、歴史家の数だけ事実が存在し得る。
実はこの本、昭和30年台に父...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月12日
「事実は神聖であり、意見は勝手である」
→これはガーディアン紙の編集長だったチャールズ・プレストウィッチ・スコットの言葉。事実を正確に把握することは難しいけど、そのたったひとつしかない事実へと辿り着くことが歴史の使命。たったひとつしかないがゆえに、事実は神聖なんだ。意見はひとそれぞれ自由に持てばいい...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年01月26日
英国の歴史家E.H.カーが、1961年にケンブリッジ大学で行った講演「歴史とは何か」を全訳したもので、今や「歴史哲学」を論じた古典の一つとも言える一冊である。
本書の中で繰り返される「歴史とは現在と過去との対話である」というフレーズは、その後本邦で発表された歴史学を始めとする数々の書籍でも引用されて...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月08日
クラシックな名著であり、読み下すのにはちょっと労力がいりました。
序盤にまず、「歴史とは何か」についての著者としての最初の答えが示されます。歴史とは、現在と過去の対話である、と。相互的なのです。今が変われば、過去も変わるし、そうやって過去が変わると、今にも影響が出てくる。そういうインタラクティブな...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年10月10日
はしがきで「歴史とは現在と過去との対話である」というフレーズが登場するが、繰り返し述べられるこの一文に本書の大部分が表されていると思う。
ここでいう「歴史」とは過去に起こった事象そのものではなく、「歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程」と著者は定義している。
私たちが学校や書物で学んだ歴史は、歴...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。