青木健のレビュー一覧

  • ゾロアスター教
    [ツァラトゥストラは「実は」かく語りき]イスラームの流入によりかつての隆盛は失ったものの、ササン朝では国教的な役割を果たし、特に欧州においては神秘的イメージを持って語られることがあるゾロアスター教。多くの日本人にとっては馴染みが薄いであろうこの宗教を、第一次資料などを用いながら丹念に研究した作品です...続きを読む
  • アーリア人
    中央アジアのあたりにいた人々。ユーラシア大陸を駆け巡る。遊牧の民。商人。定住化。部族間の抗争、融合。支配者の交替。大陸は広く、文化ははるか遠い時間から紡がれている。思いを巡らせると雄大な気持ちになる。現在のかの地は殺伐とした印象がある。けれども、そこに住む人の胸にこの歴史に対する誇りがあるのだろう。...続きを読む
  • ペルシア帝国
    大変面白かったが、読むのに苦労した。
    何故なら、人名、王朝名がペルシャ語記述だったからで、私たちが知る名はギリシャ語(ヨーロッパからの名称)なので、アケメネス朝ペルシャがハカーマニシュ朝ペルシャになったり、読み進んでいくうちに「あぁ、これはダリウス、これはクセルクセスか。」と後でわかることが多かった...続きを読む
  • マニ教
    世界三大宗教に大きな影響を与えたゾロアスター教、
    キリスト教、仏教の思想を結合したマニ教。
    ある意味パクリとも捉えられしまう程、他宗教の思想を吸収し、神格を変化させてしまう不思議なマニ教。

    現代では完全消滅し、日本では布教されていない宗教の為に馴染みが無い。しかし、本書は軽妙な語り口が功を成し
    ...続きを読む
  • アーリア人
    カザフスタン・キルギスの旅(2016/5)の傍らで読む。

    遠く天山山脈を望み、何時間バスを走らせても移動してないように変わらぬ草原の風景を見ながら、3000年前からこの地で馬を駆っていたアーリア系遊牧民の各部族の興亡に思いを馳せる。

    この書は、イラン系のアーリア人について遊牧民と定住民に分けて、...続きを読む
  • マニ教
    軽妙な筆致で、マニ教文献の再現過程、マーニーの生涯とその思想、マーニー後の歴史等がつづられる。特にマーニーの生涯と思想の件(くだり)は、筆者の目線によるツッコミが随所にちりばめられ、読みながらフイてしまうこともしばしば。たしかに時代も文化背景も違う現代のわれわれからは、古い宗教的要素は珍妙に見えるこ...続きを読む
  • 古代オリエントの宗教
    キリスト教やイスラム教に代表される活発な現代宗教が、かつて隆盛を極めたゾロアスター教などのいかにとて変わったのか、シーア派(イスマイール派)とスンニ派の違いはどこで生まれたのかなど、読みごたえのある本。イエスの誕生時に尋ねたとされる当方の三博士が、ゾロアスター教の司祭だとは思ってもみなかった。いわゆ...続きを読む
  • 古代オリエントの宗教
    読んでいてとてもワクワクした。

    マンダ教の存在を初めて知った。
    地理的にも情勢的にも過酷な中、離散しつつも現存している(らしい)のが凄い。

    なんだかとってもロマンである。
  • 古代オリエントの宗教
    古代オリエントは、多神教の世界である。
    その中で、ほぼ唯一、一神教なのが、ユダヤ教。
    (イクナートンの宗教改革は突然変異として除外)
    なぜ、ユダヤ教が一神教なのか。
    説明しようとすれば、それなりに説得力があるものもひねり出せるのであろうが、相手は宗教である。
    信じるか否かは、理性で説明しようとする一...続きを読む
  • 古代オリエントの宗教
    旧約聖書と新約聖書をセットとして聖書ストーリー(後にクルアーンも加わる)と名付け、この聖書ストーリーの伝搬が古代オリエントの宗教にどのようなインパクトを与えたかを描いている。オリエント諸民族の土着の神々と聖書ストーリーの影響下に生まれた異端の神が消えていき、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教に収斂され...続きを読む
  • アーリア人
    ゾロアスター教などの著作もある著者が、イラン系アーリア人を中心に解説をしている本である。

    アーリア人というと、ヨーロッパのドイツが戦時中に、アーリア人という言葉を使ったことで有名であるが、本来は、インド・イラン系のアーリア人が正当な使い方であり、20c初頭の言語分類の間違いからアーリア人が適切に使...続きを読む
  • マニ教
    アウグスティヌスが若いころに入信していたとは聞くが、なかなかその全貌が分かりにくマニ教についての本。なかなかここまで全体像を解説した本も少ないのではないだろうか。

    内容は、マニ教の史料の発見史、マーニーの生涯を追い、その教理を説明するととともに、さまざまな宗教を飲み込みながら成立し、人工の宗教とい...続きを読む
  • 古代オリエントの宗教
    「古代オリエントの宗教」とはあるが、時代的には、2~3世紀から、旧約聖書・新約聖書の世界が、それまでにあった土着のオリエントの宗教世界に広がっていく10世紀程度のまでの様子を概説している本である。

    なかなか難解な専門用語が多く、1つ1つの定義等がわからないことから概観を知ることしかできなかった。そ...続きを読む
  • 古代オリエントの宗教
     西アジアにおいてユダヤ教・キリスト教がイスラム教へと変遷する過程を「聖書ストーリー」を軸に解説している。本書で扱われているのはマンダ教、マーニー教、ゾロアスター教、ミトラ信仰、イスマイール派。それぞれ「聖書ストーリー」を取り込もうとしたり、逆に取り込まれてしまったり、あるいは完全に拒絶したりと反応...続きを読む
  • マニ教
    アウグスティヌスの「告白」を読んで以来、マニ教については気になっていたが、無精して辞典を引いた程度にしか調べなかった。

    今回、入門書として本書を購入し、一読。マニ教の教義をはじめ、開祖マーニー・ハイイェーの生涯、マニ教教会の歴史と各地への伝播の様子を知ることができた。

    マニ教が、この世界を「光と...続きを読む
  • ペルシア帝国
    大部分は読み進めるのが大変だったが、ホスロー二世の治世になって、がぜん面白くなった(当時の人にとっては、堪ったものではないが)。
    ビザンティン帝国と戦端を開き、相手の首都をお互いが同時に攻撃するという、聞いたことがない状況。「どうなっちゃうの、これ!?」というドキドキ感。
    4軍すべて投入し、よく他か...続きを読む
  • ペルシア帝国
     本書は、イラン高原南西部のペルシア州を拠点として、ペルシア人が建てた2つの帝国、ハカーマニシュ朝(ギリシア語名アケメネス朝)とサーサーン朝の興亡を描いた一冊である。

     通読しての感想の一つは、後継を巡っての争いの血腥さである。継承がルール化されていないとそうなりがちなのであろうが、それにしても厳...続きを読む
  • ゾロアスター教
    よくまとまっており、特にパールシーの生活に関する記述が興味深かった。
    彼らがインドで共同体を保てたのはヒンドゥー教が「カースト」という閉じたコミュニティの集合として成り立っていたことが大きな要因であるというのにとても納得した。
    と、ともにそこに溶け込むためにヒンドゥー教徒やイスラーム教徒に配慮したパ...続きを読む
  • 古代オリエントの宗教
    イスラームが出来る前に聖書物語は複数発展したと。
    原典に継ぎ足す形で、どんどん指導者の作ったストーリーが生み出されて、淘汰され、イスラームに吸収されていく過程を描く。
    なんでユダヤ人の民族史がここまで世界の歴史に取って代わったのか、伝播力を持ったのか。そこは筆者も疑問に思っていたが答えが出せないよう...続きを読む
  • 古代オリエントの宗教
    聖書ストーリーというキーワードを元に古代オリエントにおける宗教の伝播と興亡を描く
    それにしても、なぜユダヤ人のローカルな世界観から始まった一つのストーリーがこうも世界宗教へと広がって行ったのには驚きを覚える。
    その影には多くの諸民族の固有のストーリーが消え去っていったのであり、聖書ストーリーに組み込...続きを読む