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Posted by ブクログ
軽妙な筆致で、マニ教文献の再現過程、マーニーの生涯とその思想、マーニー後の歴史等がつづられる。特にマーニーの生涯と思想の件(くだり)は、筆者の目線によるツッコミが随所にちりばめられ、読みながらフイてしまうこともしばしば。たしかに時代も文化背景も違う現代のわれわれからは、古い宗教的要素は珍妙に見えることもあるものだが。
だが、マニ教の神話などは現代人の目から見ても興味深く、壮大なファンタジー物語のようだ。というよりたぶん、現代人の思い描くファンタジー物語にも、その根底に古い時代からの宗教的イメージと同じものが流れているのであろう。
若きマーニーの孤独と苦悩から発せられるメッセージは、世界から疎外されたように感じている現代のわれわれに差し込む、一条の光のようである。
Posted by ブクログ
アウグスティヌスの「告白」を読んで以来、マニ教については気になっていたが、無精して辞典を引いた程度にしか調べなかった。
今回、入門書として本書を購入し、一読。マニ教の教義をはじめ、開祖マーニー・ハイイェーの生涯、マニ教教会の歴史と各地への伝播の様子を知ることができた。
マニ教が、この世界を「光と闇の闘争の歴史」として描いたのは知っていたが、その神話の内容がこれほど面白いとは思わなかった。
「闇の勢力」が〝光の要素〟を取り込み、その回収を図った「光の勢力」その闇を封じ込めるため、この宇宙を創造。光の勢力が差し向けた神々たちが、封じ込められた闇に迫り、はき出されたのが、いま存在する人間を含めた生物たちだという。したがって肉体という闇の要素が滅ぶことで、光の要素が回収されるという、ペシミスティックな筋書きが内蔵されている。
教祖マーニーはこういった神話を独力で完成し、人々に説いただけでなく、自ら数々の聖典を執筆。最終的な預言者を意味する〝預言者の封印〟を自称した。弟子たちはそれら聖典を書写し、世界各地の文化や地域性にあわせ内容を改変し、教えを広めていった。キリスト教圏では当然ながら異端扱いされ、イスラーム教とも相容れず、迫害の憂き目にあう。ウイグル国では国教とされるも、遠く中国で細々と命脈を保った信者も16世紀には完全にいなくなり、滅亡する。
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