青木健のレビュー一覧
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ラーメンは怖くない。
延々と蘊蓄を語るようなオタクのいるジャンルは怖い。ラーメンなんて長い蘊蓄を語る怖い人のいそうなジャンルなのに(偏見)この本は怖くなくて、むしろ面白い。
カップ麺をよく食べる人もラーメン食べ歩きが好きな人も中性脂肪や血圧が怖い人も、ラーメンについて何も語ることがない人はいないのではないか。好きなラーメンは何かと聞かれて、どれくらい語るかは別として、何も言えない人はいないのではないだろうか。そんな全然オタクではない「軽い」ラーメン好きが読んで楽しい本である。
歴史や地域色、箸や丼、店、ビジネスとして。様々に語られるラーメン。どこか控えめで、でもそこ知れない情熱を感じる。思ったよりもあっさりで、しかし深みを感じた。まるでどこかのラーメンのように。 -
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大部分は読み進めるのが大変だったが、ホスロー二世の治世になって、がぜん面白くなった(当時の人にとっては、堪ったものではないが)。
ビザンティン帝国と戦端を開き、相手の首都をお互いが同時に攻撃するという、聞いたことがない状況。「どうなっちゃうの、これ!?」というドキドキ感。
4軍すべて投入し、よく他から攻められなかったと思う。まあ、他にいなかったから投入できたのだろう。
全体を通して、名前と地名が覚えられなくて苦しんだ。同じ名前の人が何度も出てくる。当時は「二世」「三世」が付かなかったとのことで、もっと大変だったのだろう。
欧米の名前では入らないようなところに長音が入るのも要因かしら。
王の後継者争いは、常に血なまぐさい。協力するということがなかったのかと思う。親兄弟で切った切られたをやっている。マキャベリを地で行っている。古代ローマ帝国より酷い。
王の配偶者は近親婚が主のように感じた。酷いのは父娘婚まである。これでよく健康上で問題にならなかったと思う。
意外と言っては失礼かもしれないが、都市構築の能力はとても高かったというのに驚いた。単にチグリス・ユーフラテス川の恩恵だけではなかった。
本書に出てきた古代ローマ共和国・帝国では次の人々。『ローマ人の物語』で読んだのが懐かしい。
可哀想なクラッスス(敗死)
ゴルディアヌス3世(戦死)
フィリップス(撤退)
ヴァレリアヌス(捕虜)
ディオクレティアヌス(ナルセフ一世の敗退)
コンスタンティヌス大帝(内戦で忙しい)
ユリアヌス(戦死)
序盤で偽造された碑文の話が出てくる。
ペルシアの各帝国では全体的にほとんど文献が残っていない。3世紀までは、岩に刻んだレリーフと墓、碑文、あとギリシャの文献くらい。4世紀からは碑文もなくなる。なので、ねつ造が比較的やりやすそう(真贋のチェックがしづらい)。炭素同位体年代測定が重要だと思う。
貨幣考古学というものをしった。一時期に貨幣を鋳造していなかったら、その地域はその期間は他国に占領されていた、など、面白い。 -
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本書は、イラン高原南西部のペルシア州を拠点として、ペルシア人が建てた2つの帝国、ハカーマニシュ朝(ギリシア語名アケメネス朝)とサーサーン朝の興亡を描いた一冊である。
通読しての感想の一つは、後継を巡っての争いの血腥さである。継承がルール化されていないとそうなりがちなのであろうが、それにしても厳しい。
そして、特にハカーマニシュ朝についてそうなのだが、ペルシア戦役、アレクサンダー大王東征と、西方側から見てしまう見方が染み付いているということである。パルティアであればローマ帝国と、サーサーン朝であればビザンティン帝国との争いが続いていたが、やはりローマであり、ビザンツ側から見てしまう。
また、ホスロー一世時代の税制改革により、イスラーム期にハラージュ(地租)とジズヤ(人頭税)として継承されたこと、宗教面について、単純にゾロアスター教がずっと国教として信仰されていたものではなく、教義等の推移があること、など本書で初めて知ることができた。
特に印象に残ったのは、ホスロー二世の世界大戦の章である。彼の政策に巻き込まれて、国内の大貴族やビザンティン帝国始めオリエント世界全体が運命を狂わされたと著者は言う。そして、疲弊しきったペルシアは、イスラームに席捲され世界史の舞台から退場し、一方ビザンティン帝国はシリアとエジプトを奪われ、何とかコンサタンティノープルは死守したが、国力はだいぶ衰えてしまった。
なかなか馴染みのないペルシア帝国について、新書という手に取りやすい形でまとめてもらえてありがたいし、随所に著者の率直な見解が差し挟まれているところが、大変面白かった。 -
Posted by ブクログ
世界史などで名前は知っているが、その教理や教会史はほとんど知られていないゾロアスター教をコンパクトにまとめた本。
世界史(ヨーロッパ史)的には、サーサーン朝ペルシアの国教ともなったゾロアスター教が、ヨーロッパに伝わったときに、善悪二元論と呪術的な面が強く伝わったために、そのようなイメージができていることが分かったのが一番よかった。本来はアーリア人(イランなどに住む民族でドイツなどのヨーロッパ的なものではない)の民族的な面と教祖 ザラスシュトラ・スピターマの教えが時代や場所によって変遷していったものだとわかった。また、やはりペルシアで国教となった点が大きい。
本書では、時代の流れの中で、教祖と経典の誕生、周辺の古代アーリア人の状況や宗教、国教となる上での変遷、ペルシア帝国の滅亡、ヨーロッパにおけるゾロアスター教幻想なども書いてある。
古代オリエントの宗教に興味のある人は、マニ教、イスラム教、コプト教などを含めて、読んでみてはよいのではないだろうか。