【感想・ネタバレ】アーリア人のレビュー

あらすじ

スキタイ人・メディア人・ペルシア人・バクトリア人・パルティア人……史上最初の騎馬民族にして壮大なる世界帝国の樹立者。ユーラシア大陸を舞台に興亡を繰り返す諸民族の足跡を、「アーリア性」をキーワードに気鋭のイラン学者がたどる。(講談社選書メチエ)

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Posted by ブクログ

中央アジアのあたりにいた人々。ユーラシア大陸を駆け巡る。遊牧の民。商人。定住化。部族間の抗争、融合。支配者の交替。大陸は広く、文化ははるか遠い時間から紡がれている。思いを巡らせると雄大な気持ちになる。現在のかの地は殺伐とした印象がある。けれども、そこに住む人の胸にこの歴史に対する誇りがあるのだろう。(歴史になってしまうと部族間の駆け引きすらも美化してしまう自分に気づく。)部族間の駆け引きの時代を経て地球に住む人として何とかやっていく仲間になりたい。支配・被支配という関係ではなくうまくやっていた時代もあったようだ。そのやり方は参考になるのではないか。アーリア人であることで高貴な人種であることとしたかった西欧人。西欧人が作り上げた「人種」のからくりがとてもおもしろい。

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2011年11月15日

Posted by ブクログ

「20世紀にジョルジュ・デュメジルが三機能仮説として提唱したインド・ヨーロッパ語族の宗教を,イラン系アーリア人だけに限定し」た本。古代オリエントとイスラーム時代の間の動きについて。

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2021年07月20日

Posted by ブクログ

カザフスタン・キルギスの旅(2016/5)の傍らで読む。

遠く天山山脈を望み、何時間バスを走らせても移動してないように変わらぬ草原の風景を見ながら、3000年前からこの地で馬を駆っていたアーリア系遊牧民の各部族の興亡に思いを馳せる。

この書は、イラン系のアーリア人について遊牧民と定住民に分けて、西から東へなめるように網羅的に入門知識を与えてくれる。

だが、現在の中央アジア5カ国に残るアーリア系はタジク人のみ。他はトルコ系モンゴロイドで親戚のおじさんのような顔が並んでいる。

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2017年09月11日

Posted by ブクログ

ゾロアスター教などの著作もある著者が、イラン系アーリア人を中心に解説をしている本である。

アーリア人というと、ヨーロッパのドイツが戦時中に、アーリア人という言葉を使ったことで有名であるが、本来は、インド・イラン系のアーリア人が正当な使い方であり、20c初頭の言語分類の間違いからアーリア人が適切に使われていない。

イラン系アーリア人として遊牧民型、定住地型に分けて、それぞれを解説しているが多くの民族が出てきていて、途中で混乱することがあり、そのあと本書で確認した。また、巻末の方には簡単ではあるが、インド系アーリア人と、ヨーロッパ系アーリア人が載っている。

とにかく、アーリア人(インド系がメインで)を知りたい人には、格好の入門書だと思う。

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2012年08月24日

Posted by ブクログ

世界史に登場するスキタイ、パルティア、メディア、ペルシャ、大月氏等の異動を簡便にではあるが把握できる。地図も豊富で、内容も多彩。

しかし文体の方は、通常ギリシア語表記であらわすアケメネス朝やダレイオス1世などを本格的な読み方にしたかったのか、わざわざイラン系アーリア語表記に改めてハカーマニシュ朝、ダーラヤワウ1世としているため、その点では読みにくかった。

その点を差し引いても良い本であり、イランや中央アジアの歴史等の本を読んだ後に、またこの本に戻って何度か読み直したいと思う。

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2024年08月22日

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