草凪みずほのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最終巻にして明かされるポンペイ最後の日。それはシリクスにとって大切な人も場所も何もかも守れず自分を許せなくなってしまった日でもあったのか。
これだけの後悔を抱えたままシリクスは死んでしまったから、冴木敬大として生まれ変わってもシリクスだった頃の記憶を忘れることが出来ず、また現世での新たな繋がりも肯定出来なくなってしまったのか
スミルナの記憶を持つ凌なら兎に角、現世で敬大と楽しい思い出を幾つも重ねてきた裕真達にとって、現世を蔑ろにするような敬大の姿勢は堪らないもの。
今の敬大は前世の記憶に縛られているようにしか見えない。だから敬大にキツイ言葉を投げかけてしまったとしてもそれを責めるのは酷というもの
でも、裕真の言葉は今の敬大にとって致命傷になってしまうのが何とも……
このタイミングで敬大がシリクスの視点では無く、幽霊のような視点でポンペイ最後の日を見ることになる展開は驚き。
シリクスは何も守れないまま、ディロスに裏切られて死んだと思っていた。けれどシリクスでは知り得なかった視点から見る景色は必ずしも後悔だけを示しては居なかったし、何も託されずに終わったというわけではなかった
だからこそ、敬大の意識を持ったままシリクスとなった後も敬大はシリクスが選んだ道を壊すようなことはせず、シリクスを後悔ばかりの運命へ送り出すことが出来る
きっとこの瞬間にシリクスと冴木敬大は分離してようやく別の人間となれたのかもしれないね
一人で死んだと思われていたセレナがシリクスの傍に来ていたと判明する優しいラスト。これも敬大がシリクスの記憶とは別の光景を見なければ知れなかったものだね
そして前世の記憶に整理をつけた敬大は改めて芹沢にアタックするのだけど……
あんた性格変わりすぎじゃないかい?以前のヘタレ敬大が嘘のように少女漫画のヒーローの如く言動してますよ?
これにはセレナに夢中になっていた敬大が好きだったのだと思っていた芹沢も抵抗の余地なくあっさりと…
思えばこれまでの敬大って前世の記憶を持っているために人格が小規模な混乱状態に有ったのかも知れないなぁ。だから前世の記憶に整理がつき現世と向き合えるようになれば本来持っていたスペックを余すこと無く使えるようになると
敬大を翻弄することが多かった芹沢が敬大のアタックに為す術なくあたふたし赤面する様はあまりに可愛らしいね
早くもバカップルっぷりを見せつけるこの二人にはお幸せに、としか言いようがないね(笑)
前世の記憶を持っている、なんてそこまで突飛ではない設定で始まった本作が読んでいるこちらの心をここまで動かす作品として成立するなんて読み始めた当初は全く想像していなかったな。
恐るべし作者の腕前ですよ -
Posted by ブクログ
作者が柱で言及しているようにこの巻はそれぞれの話が独立したものばかりのため、短編連作のような形になっているね
それでも、第40話のラストにはとんでもない展開が待っていた訳だが……
前巻で深影と朱奈は無事に結ばれた。という事は深影に片思いしていた麗奈へのフォローが必要になるわけで。気を回して麗奈を違和感なく遊びに誘い出した上で楽しませようとする敬大は色んな意味でイケメンですな。スポーツも万能だし。
後はポンペイやセレナが関わっての変態行動さえ無ければ完璧なのに……
第38話は珍しくも秀吾と蓮香の話。そういやこの二人もポンペイ関係者なのに記憶が無いせいであまり話に関わってこなかったっけ
収穫として、昔の秀吾はどうやらポンペイの記憶を持っていたらしいことが判明。また、敬大が初期から不思議がっていた「何故ラウルとアリアが結婚したのか?」という点も実はポンペイ時代にフラグが有ったことも判明
現在では全く記憶を引き継いでいない二人だけど、それでも魂が覚えていたものが有ったようだね
……というか秀吾(ラウル)の行動が女たらし過ぎませんかね……
第39話では敬大と芹沢の馴れ初めが初めて描かれる
今は大親友のような距離感を必死に保とうとしている二人もこういう初々しい時代があったのか
出会ってすぐに芹沢に男友達としての関係を求める敬大。敬大が求めてくる距離感に戸惑い、戸惑っている内に「親友」では許されない感情を抱いてしまった芹沢。
出会った当初から想いが擦れ違ってしまっている二人だけど、それでも「親友」になれたのは敬大の真っ直ぐすぎる想いと芹沢の敬大の傍に居たいという思いが合わさった結果なのだろうな
そういった馴れ初めを見せられたからこそ、第40話から登場する琴宮が敬大と芹沢の関係に巻き起こす波乱がどうなってしまうのか気になってしまう
ポンペイでの繋がりを持っていたから親友になった敬大と芹沢。そんな二人の前に現れたのは芹沢と現世の繋がりを持つ琴宮。前世にこだわってきた敬大が今回の一件を通してついに現世での繋がりを意識し始めるようになるのだろうか?
それにしても前世編は……思った以上にハードでしたね…
それでも奴隷だったロレイウスと剣闘士のシリクスがどのようにして身分や立場を超えた親友として繋がりを持っていったかを知るには充分過ぎる話
ポンペイ編はまだまだ気になるエピソードが多いだけに今回みたいな読み切りはもっと読みたいね -
Posted by ブクログ
芹沢にロレイウスの面影を見る敬大は芹沢に友情を求める。敬大の傍に居るためにはどうすれば良いか知っている芹沢は敬大の前で親友の顔をする
でも、端から二人はどう見たって恋人にしか見えないわけで。他人からどう見られているかも、そして自分達が相手をどう思っているかもちらほら見え隠れしている二人もいい加減親友で居ることに無理が生じ始めているように思える
その無理が破綻し掛けたのがミラーハウスでの芹沢の発言なんだろうなぁ。敬大相手にここまで明確に言葉にしてしまうとは思わなんだ
でも芹沢以上の無理を抱えているのが敬大。過去と現在の境が判らず、友情と愛情の境に苦しんでいる。そんな苦難の中で更に極からのプレッシャーに耐えかねた敬大が、譲れない一線として芹沢に求めている関係性を明確にしたのは良かったと言えるのかな?
考えてみれば、死を経験した記憶を持つ敬大が「死ぬほど大事」と言い切るのは相当な覚悟を持っている証だよね
そうして敬大と芹沢の関係性が一旦落ち着いた後の第32話から始まるのは深影と朱奈の話だね
アグライヤとディロスという前世、そしてディロスの裏切りの記憶と消えたアグライヤの記憶。それらが複雑に絡み合い、アグライヤの影を求められた朱奈が反発したためにもう解決しようがない事態に思えたけど、終わってみればこの二人が一番少女漫画らしい恋愛をしてたんじゃないか?と思えてしまう不思議
前世の時点でアグライヤに特別な感情を抱いていたディロス。そして深影となった後も彼は朱奈の中にアグライヤを求めてしまう
が、アグライヤとしての記憶を失った朱奈はそうはいかない。深影が自分を求めるのは自分の中にアグライヤを見ているからだろうとしか思えない。そこに二人の齟齬が生じてしまう
だから、結局は御影が求めているのがアグライヤだけという訳でもなく朱奈であったも構わないと気付くまでが二人の問題になるというわけだね。そこまでの遠回りが長いこと長いこと
この巻の最後には朱奈が記憶を失った際のシーンがようやく描かれる。それを見るに「ポンペイの記憶は必要ない、遠い昔のことだ」と思えるようになることが前世の記憶を失う条件なのかな?
だとすれば、前世のあれこれに囚われ続ける敬大や凌、深影が記憶を保ち続けているのは納得だし、逆にロレイウスやセレナが現世に記憶を引き継がなかったのも納得できる
少しずつこの物語の着地点が見えてきたように思える巻だった -
Posted by ブクログ
この巻でも敬大の周りにはポンペイ関係者がどんどん増えていく。なら、敬大はそれに応じて楽しそうなのかといえば……
ここに来てとんでもない可能性が提示されたね。前世の記憶を現世においても保ち続けている方がおかしいと言われれば、確かにその通りなのだけどポンペイの記憶を何よりも大事にしている敬大にとってはとんでもなくショックな展開である
また、ポンペイの記憶を失っていると思われる朱奈がその記憶を取り戻したがっていないというのも敬大にとっては辛い話。これまでも芹沢にロレイウスだった頃の記憶を取り戻して欲しくて色々してきた敬大からすればかなりギャップのある考え
でも、朱奈がしたであろう「現代が幸せだから過去を手放せた」というのは敬大にも起こりうる考え方。芹沢や裕真が前世の記憶を思い出せなくても楽しく日々を過ごせている敬大にだって朱奈と同じことは充分起こり得ること
今の敬大は過去と現在がせめぎ合う場所で必死に足掻いているように見える
だからこそ、そんな敬大の傍に居続ける芹沢の姿が健気で悲しくて……
自分に親友ロレイウスの姿を求めている敬大の傍に居る為に芹沢はあくまで親友として振る舞うしか無い。でも物語の序盤から敬大に特別な想いを持っていることは何度も示されてきており、最近の敬大も芹沢に親友に向ける以外の目をするようになってきた
そういった意味では第21話は二人にとって分岐点と成り得たものだったのだろうな。求められる親友としての立ち位置につい涙を流してしまった芹沢、それを見て思わず抱きしめた敬大。「今の敬大」にとって何が大事かを考えればそのまま進んでもよかっただろうに、敬大は「昔のシリクス」にとって大切なものを優先してしまう…
あのシーンは色々と辛かったですよ……
過去の記憶を持つ者や持たない者が様々なスタンスを示すことで益々物語に深みが出てきたね -
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何時まで経ってもセレナを求めてしまう敬大はセレナ顔の裕真にドギマギするのがいつもの流れなのだけど、本当にセレナそっくりの女の子が現れただと……!?
やはりポンペイ関係なの?と思いきやそう単純ではないのかな?
前世や運命という言葉を嫌う彼女はそれに囚われたままの敬大とは完全に相性が悪そうだね。今回は顔見せ程度の登場だったけど、あの発言も有るし重要ポジションとして再登場しそう
第2巻に引き続き芹沢への想いに変化が見える敬大。15話では挑発されたからって芹沢相手にママゴトのつもりとはいえ口説くような真似をしましたよ?だというのに簡単に口説き文句が言えないと葛藤する敬大の中ではもう芹沢への想いは固まりつつ有るんじゃなかろうか?
それでも敬大が芹沢への想いを認められない理由が幾つも描かれていて、敬大が自分の中の想いに向き合う難しさが伝わってくるようになっているね
セレナの魂を受け継ぐ裕真を傷つけたくないとか、芹沢と友達であることを否定したらセレナもロレイウスも消えてしまうという恐怖心
この恐怖心はきっと敬大以外には理解できないモノ。なら、周囲を困らせたとしても敬大がゆっくりと向き合い解決しなければならない想いなのだろうね
それはそれとして裕真とセレナですよ!夢の中とはいえ二人が出会う事態が有るとは!
セレナから巡り逢いの運命と言葉を託された裕真。この巻で芹沢に告白をしなければならない羽目になりかけてあたふたしていた彼は、セレナの言葉を契機として自分が何を一番大切にしているか思い出せたようだね
色んな想いが錯綜したままなんだけど、やはり敬大と裕真と芹沢の三人で騒いでいるのが一番似合っているよね -
Posted by ブクログ
セレナ一直線だった敬大の想いのベクトルに変化が見え始めるとともにポンペイの記憶を持った人物が新たに登場する第2巻
敬大は前世の妻であるセレナを今も愛していて同じ顔をしている裕真には事ある毎にドギマギしてしまう。また親友ロレイウスに似ている芹沢には今も親友としての立ち位置を求めてしまう。
裕真はそんな敬大の想いは知らないからいつもの調子で関わり続ければ良いのだけど、敬大の想いを知っている芹沢はそうは行かない。霊に取り憑かれて身体が思い通りに動かなくなったって敬大の望む関係性を壊しかねない言葉だけは言わせない。
そんな覚悟を抱く芹沢は本当にいじらしいね
敬大と同じようにポンペイの記憶を持つ凌。前世での関係性を思えば敬大と仲良くなるなんて絶対にありえない関係性。それでも同じ記憶を共有していることが判れば、ポンペイに関する記憶が本物であると判れば相手が誰であっても歓喜の涙は流れてしまう。
けど、スミルナの記憶を受け継ぐ凌は敬大のようにただ喜ぶ気にはなれない。セレナを独りにしたロレイウスを赦すことを出来ない凌はやはり敬大を仲間と感じることは出来ない
でも、そんな感情を誰にも打ち明けられなかった凌にとって、敵のような存在であっても打ち明けられる敬大が現れれば多少の安心は有るわけで。それこそ「厄介な記憶」のようなもの
芹沢への気持ちが変わり始めたことに敬大は気付くのだけど、それが許されないかのように裕真とセレナの顔は被ってしまって……
うん、本当に敬大がパニクる様子は何時見ても飽きないね(笑) -
ネタバレ 購入済み
ストーリーパターン化してきたが
ヨナとハクが離ればなれになる→ヨナが大変な目にあう→ハクと4龍が助ける→ヨナとハクの初々しい恋愛イベント···というパターンが何回か続いているが、あきない。ヨナの成長、思いの成長、国々とのやりとり等、ストーリーの根幹も進行しているからと思う。この巻でヨナとハクの思いはほぼ通じ合うが、次の巻でまた二人は引き離され、陰謀によって親の敵であるスウォンとヨナがくっつけられそうになる。確かにヨナのカリスマはスウォン勢力にとって魅力だろう。目が離せない。
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購入済み
面白いと思う
昔から大好きで何度も読み返してる漫画「天は赤い河のほとり」に所々似てるシーンが出てくるので最初見たときはオリジナリティがないなーと思ったんですが、この手の話ってやっぱり似てしまうものですかね。
ヒロインの恋愛話が少ない所は良いです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ情報屋を通してスウォンとの接触を図ったものの、交渉の場に引き摺り出すことはできなかったヨナたち。
なんとしても開戦を避けたいヨナは、真国との交戦にあたる部族の進軍を阻止するため、ハクと二手に分かれて奔走し…それぞれ見事、空の部族軍,風の部族軍の足止めに成功する。
さらにヨナはスウォンの考えの先を読み、水の部族軍の動向を見守っていた。そして、そこで水の部族軍と合流するためにやって来たスウォンと遭遇し――!?
えぇぇー!この緊迫した状況下でラブ展開に持ってっちゃうの!?…まあ一瞬だったけどさw
私にとっちゃ、戦争よりこっちのが一大事なんだけどなあ♥-(ˇεˇ〃人)
後生大事に持ってるつもりかしら?と思われた簪も、あっさり情報屋への依頼料に化けて手放したし…もう本当に(恋愛感情としての)未練はないんだなあ。強くなったね、ヨナ!
今回のことで、スウォンは国をうまく纏め上げているように見えて、実はそうでもないんだなと思った。σ( ̄へ ̄)
だって、王命を退けてまで従う相手がいるって…そうさせるだけの(ヨナとハクの)魅力というか、絆があるってことは、王にとって脅威じゃない?
スウォンも、強くなったヨナと対峙したら思うことあるんじゃないかね、きっと。
次巻、交渉人ヨナの真骨頂…!