陸秋槎のレビュー一覧

  • 元年春之祭

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    ネタバレ

    天漢元年春、楚の祭儀を執り行う貴族で山中に隠れ住む観一族のもとに長安から探偵役の四書五経に通じた斉の巫女が訪れる。4年前の一家惨殺事件に続き、連続殺人事件が起こる。楚辞、詩経、春秋左氏伝、易経、論語等が縦横に引かれ物語が展開する。主人公の少女は知識・知能に優れているが、傲慢不遜。主人公と観一族の少女、下女、観一族の従妹の絡みがあるが、消化不良。犯人の犯行機会と方法は、斬新でない分推理しやすいが、動機はあまり納得できなかった。

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    2025年09月28日
  • 文学少女対数学少女

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    ネタバレ

    作中作での犯人当てをテーマにした本。
    作中作での話のはずが現実でも事件が起こったりする。中国の小説で新鮮でした。面白かったです

    数学の話も普通に面白かった

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    2025年09月03日
  • 喪服の似合う少女

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    『ロス・マクドナルドに捧げる』という宣伝句と原尞氏の「私が殺した少女」にも通ずる装丁を見たら手に取らないわけにはいかない。地元の有権者一家を巡る事件というのは正にロスマクだし、V・I・ウォーショースキーや葉村晶を彷彿とさせる女性私立探偵のキャラクター造詣も良い。流行りのミステリーに背をそむけた静謐かつ(良い意味で)地味なハードボイルドが令和の世に新刊で読めるのは中々乙なもの。ラストシーンは実に遣る瀬無いが、退廃的様式美がこれまた心憎い。但し、全体的を通して盛り上がりに欠ける作品ではあり、読み手は選ぶかも。

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    2024年12月22日
  • 文学少女対数学少女

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    ほんタメのたくみさんがおすすめしていたので。

    やたら主人公が中国っぽい名前だなと思っていたら、作者が中国の方だったようで、どうやら翻訳されたものらしい。
    イギリスやアメリカの推理小説は読んだことがあったけれど、中国は初めてだ。世界中の本が読めて幸せだね。ちなみに翻訳ものって読みにくいのもあるけど、これは読みやすい文体だった。

    連作短編集の形をとっていて、文学少女の私と数学小説の女の子、主人公のルームメイトが共通する登場人物。
    フェルマーの最終定理の章が1番好きだった。途中の式が正しいか証明できなくても、結論が正しいと証明できるというのは面白かった。
    推理小説のトリックがすごくて面白い!とい

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    2024年08月18日
  • 元年春之祭

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    中国の古書や詩文の引用をどこまでがんばって読むかは悩ましいところだが、読み飛ばしても内容のフォローはされていて大筋には影響なし。昔の中国女性は結構暴力的だったんだなあ(今も?)。ミステリではあるが読みどころは著者の挑戦状その2にあり。

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    2024年08月04日
  • ガーンズバック変換

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    2024-04-29
    思ったよりも純文寄り。意識してなのか、だんだんSF濃度が上がっていく感じ。いや、冒頭の「サンクチュアリ」もかなりか。自分には、詩歌をテーマにした2篇がよく分からなかった。美しい物語だとは思うのだけど、SF短編集への収録理由がよく分からない。
    どの作品もそのまま長編に出来そうな煌めくアイデアに満ちている。そして様々な過去作への言及も心憎い。

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    2024年04月29日
  • 文学少女対数学少女

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    途中まで読んでから、作者が中国の人だということに気づいた。日本の作家だとばかり思い込んでいて、登場人物が全部中国名なのは何かの趣向かなと思っていた。翻訳が自然だったからか。
    「後期クイーン問題」を意識した内容で、それに数学のトピックをからめた短編4話。どちらの趣向もあまり好みではなかった。ミステリーに数学を強く関連づけようとすると、数学の好きな人間にとってはどうしてもわざとらしくなってしまう。しかしあくまで好みに合わなかったというだけで、何か批判したいわけではない。
    「あとがき」では、作者が日本のミステリー作家をものすごくリスペクトしているのが印象に残った。

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    2023年10月08日
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     陸秋槎さんを知ったきっかけが早川書房の「アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー」だった事もあり、再び「色のない緑」に出会う事が出来、感動しています。

     歴史や宗教、言語や文学など様々な知識が盛り込まれており読み応えのある短編集でした。

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    2023年08月08日
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    8作品のSF短編集。読みやすい作品と読みにくい(なかなか頭に入ってこない)作品の差が大きいように感じた。私の好みの問題なのかもしれないけれど。
    個人的に好きな作品は3つ。スマホゲームでシミュレーションされる物理現象を矛盾なく成立させるためにいろいろ考える「開かれた世界から有限宇宙へ」と、手品のトリックをSF的に暴く「インディアン・ロープ・トリックとヴァジュラナーガ」、なんとも切ないSFミステリの「色のない緑」。特に「色のない緑」では、SF的ガジェットが巧みに使われていて、それがラストの切なさにつながっている。

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    2023年05月25日
  • 文学少女対数学少女

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    ミステリ好きですが謎解きは苦手です。ロジックが面倒くさくて。ましてや数学となると更に思考が追いつかない世界ですが、無理せず女子たちの会話を楽しみました。

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    2022年10月08日
  • 文学少女対数学少女

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    1,2年前に、本屋さんで表紙が目に入り、好みドンピシャで購入。
    この本も、普通の小説だと思ってたのにミステリだったパターン。笑
    中国の小説は初めて読んだけど、結構好きだった。国の情勢とか、文化とかの違いが少しにじみ出てて面白かった。

    キャラクター設定が良くて、楽しみながら読めた。
    陸秋槎さんの作品は、百合を匂わせている作風らしい。百合は全然読んだことがなかったので興味深く感じた。(作者の陸さんは男性らしい)

    数学と文学(本格ミステリ)、読む前は全く正反対のジャンルだと感じていたのに、読んでいるうちに共通点がバンバンでてきて、すごく興味をもったし面白かった。
    どちらも少女2人が精通しているの

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    2022年09月17日
  • 文学少女対数学少女

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    ネタバレ

    SL 2022.2.2-2022.2.4
    華文青春本格ミステリ

    本格ミステリ
    日本の作家へのオマージュ
    百合要素
    どれも知らないまま読んだけど、知らないままのほうが楽しめたかな。
    キャラクタも作中作も面白かった。

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    2022年02月05日
  • 島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー

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    日本と台湾の作家たちによるミステリーアンソロジー。
    (ミステリーなのか微妙な気もする作品もあるけど)

    七色のネコが1番面白かったかな。

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    2022年01月23日
  • 文学少女対数学少女

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    ちょっとおもしろいのは実際の事件よりも文学少女が書く小説を舞台にしていたりするのが変わっていたし、そこに数学が絡むの良い。ただ、仕方ないけど、主人公が中国人なので名前がどうにも頭に入らなくて、なかなか乗り切れなかった。
    これなら、名前をカタカナで表記してもらったほうが頭に入る。

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    2022年01月22日
  • 文学少女対数学少女

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    数学の定理が重要な要素になるのだが、如何せん私の数学理解が追いつかない。
    嫌いでは無いのに仲良くできない数学。
    文学少女へと向けて平易に解説をしてくれているものの、そのレベルにも達せないわけで、つまりは定理と絡めて語られる推理の面白みやサゲの快感を十二分に味わえない致命的な事態に。
    きちんと味わえない私の力不足…。
    数学ううう…

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    2021年10月28日
  • 元年春之祭

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    前漢時代を舞台とした、百合満載の華文ミステリ。しかも、複数の百合が混在しており、個人的には結構強烈。論文を読んでいるような感覚にもなるが、時代背景を理解する上では欠かせない記述なのだろう。そして、この時代の閉鎖された環境の中では登場人物同士の濃い関係性が生まれるのは必然なのかもしれない。ミステリとして当然楽しめたが、何より、タイトルが格好いい。

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    2021年08月15日
  • 文学少女対数学少女

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    読み始めて、しまった翻訳本だったとなった。というのはカタカナ名だとなかなか区別がつかずに苦労するからだが、本書は中国なので、登場人物の名前が振り仮名がついてない箇所では読めず、同様の混乱に。ただし、登場人物が多くは無いのですぐになれるのだが。
    タイトルの数学と文学に惹かれて手にした。
    過去の数学者のエピソードなども登場するが、この本のメインは推理小説を科学的に定義している?点にあると思う。今まで,そのような見方はしてこなかったが、過去に読んだ本で違和感を感じた推理などを振り返るに、なるほど納得。

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    2021年07月16日
  • 元年春之祭

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    推理小説ということで読み始めたが、どちらかというと中国古典の解釈や漢詩を楽しむ本であった。楚の雲夢が舞台ということで屈原に関しての記述が多く、その他古典からの引用もたくさんあり、中国の思想に関心があれば読んでいると楽しいと思う。ちょっと主人公の性格がキツくて、個人的には好きになれなかった。

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    2021年06月30日
  • 文学少女対数学少女

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    登場人物の名前に馴染みがないので一致させるのに時間がかかったが、なかなかおもしろい話だった。
    ミステリーではあるが、実際の事件を解決に導くようなものは多くなく、ミステリーのあり方というか、評論というか、数学との関連性など、推理小説を書く少女と数学の天才少女、その友人などが議論をしていくような話。
    みんな頭の回転良すぎるので、読者として推理を楽しんでいくというよりは、外からの討論観戦のような感覚。

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    2021年05月23日
  • 文学少女対数学少女

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    文学少女と数学少女。一見すると水と油のような関係に見える2人ではあるが、お互いの足りないところを補う関係が読んでいて微笑ましかった。

    登場人物の名前が全員中国語なので、読む時に少し大変ではあったが、中国の文化や暮らしぶりが垣間見えて勉強になった部分もある。

    物語の骨格になっているミステリー要素と数学。特に数学はフェルマーの最終定理や谷山志村予想が出てくるなど小説としては高度な話が出てくるが、それがうまく内容と結びついていてとても読みやすいと感じた。

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    2021年04月28日